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空撮:土木:治水:空の青さをリフレクションする福島潟放水路(新潟県新潟市)

福島潟からは新井郷にいごう川が流出しているが、流域はゼロメートル地帯で、最終的に排水機場でポンプを使って水を汲みだしている。ところが洪水時には福島潟の水が周辺に溢れ、氾濫被害が起きていたことから、福島潟の水を直接日本海に排出するために放水路が作られた。
放水路の延長は6.7km、2003年に完成している。

ドローンで空撮をしてみると、この周辺の地理がよくわかる。
新潟平野は海岸線に並行して何列もの砂丘が横たわっていて、それが海への排水を妨げている。むしろ砂丘間の低地に水が溜まって、湿地帯を作ってきた。放水路はそうした砂丘列を横切って真っすぐに日本海へと水を導いている。
この放水路が活躍するのは洪水時だけで、通常時は水の流れがない。空の青さが映えるのは、水面が静穏だからである。放水路に海から海水が逆流するのを防ぐための堰(豊栄潮止堰)と、水路を掘ることで周囲の地下水が抜けてしまって地下水位が低下することを防ぐための堰(むくろじ堰)が途中に設けられていて、空撮写真には椋堰が写っている。
手前の低平地(江戸時代は福島潟だったところを干拓した場所)は水田として利用されているが、その排水は海の方へは向かわず、一度、福島潟の方へ向かって、その後排水機で水を汲み上げて、放水路に排出している。隣り合う水路どうしで水の流れが正反対になっているのは、面白い。

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別の場所

福島潟本編についてはまた別の機会に。

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