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空撮:土木:テクスチャーに魂を持ってかれそうになった

カッコイイ!
カッコ良すぎる!
土木の魅力と言うのは、巨大構造物の迫力だったり、自然に対する人間の知恵の表現だったり、古来より続けられてきたであろう人間の営みであったりするのだけど、これは純粋にテクスチャーのカッコ良さだけで魅せられてしまった。
例えるなら、(映画の)スターウォーズっぽいとか、(ゲームの)ゼビウスっぽいとか、(玩具の)レゴブロックっぽいとかいう言い方になってしまうのだけれども、そうした事前の刷り込み無しにも人を引き付ける魅力がある。
コンクリート製なのに、光線の具合だろうか、メタルっぽい質感があるのもグッと来る。

この全体をアーマーのように覆っているブロックは、文字通り被覆ブロックというらしい。

引きで全体を写してみると、テクスチャーの魅力は薄れてしまった。「部分」の美しさということかもしれない。
でも、全体の形も、勾玉型とでも言うべきか、面白い形をしている。
せっかくなのでこの土木物件が何かということも説明しておこう。大型離岸堤という堤防だ。砂浜の侵食を防ぐためのもので、元々は文字通り岸から離れた場所に造ったのだが、堆砂が進んで今は陸続きになっている。狙い通りだったということだろう。
自然にこうした地形ができることもあって、陸繋砂州(トンボロ)と呼ばれる。それの人工版である。

ただし、陸繋砂州ができることで、それまで海岸に沿って流れていた「砂の流れ」をここで堰き止めることになり、流れの「下流」部分では砂が供給されずに逆に侵食が進むという現象も起きているようだ。一か所を対策すると、他の場所で意図しないことが起きる、自然を相手にする難しさだ。

海面(T.P)から3mの高さになるように築かれていて、その斜面を覆っているのが被覆ブロックだ。被覆ブロックは1個10tの重さがある。
海面から顔を出しているのは離岸堤を守るために周囲に並べ置かれた消波ブロックの一部で、資料では「転用ブロック」と記載されている。

地上から眺めてもなかなかカッコイイ。

角の部分の処理もグッと来る。

上空から見るとテクスチャーとして捉えてしまうけど、地上から見るとこうした変形ブロックの一つ一つが興味を引く。

徳光海岸・大型離岸堤(石川県白山市)

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