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あたらしい手帳

昨日、ようやく2024年のスケジュール帳を買った。
もう1月も半分を過ぎているけれど。

2024年の幕開けはとんでもない激震が襲った。新しい年と共に希望に満ちた抱負をスケジュール帳に書きこんだはかりの人も沢山いたはずだ。
在りたい未来に思いを馳せて、ゴールを設定はするものの、自然は常に揺らぎ、私たちはその一部として、しなやかに変化に適応することを要求される。

購入したのは能率手帳の「NOLRTY」というブランドで出しているB5の大判スケジュール帳。
色々使ってきたが、ずっとこのサイズ。
昨年まではMoleskineの手帳を愛用していた。「ゴッホやピカソが愛用した手帳」とどこかで聞いて、彼らがこの手帳のなかに湧き上がるアイデアを書き留めていたように、自分もこのノートにアイデアを書き留めてたら何か素晴らしいことを創造できそうな気がして、迷わず購入した。
昨年末も同じようにこの手帳をネットで注文しようとしたのだが、この手帳、実は国産の同じサイズの手帳の倍くらいの値段がする。年に一度、しかも毎日使用するものだから値段のことは気にしていなかったが、ふと、なんでこんなに人気があるんだろう?と知りたくなった。
調べてみるとMoleskineは巨匠たちが愛用していた手帳を模した手帳を作り、ブランド戦略として「手帳を使いこなし想像力を発揮する」ストーリーを打ち出しているだけだと判った。実際、自分はそのストーリーに夢を膨らませて愛用することになり、おかげさまで手帳にアイデアを書き留めたり、在りたい未来のスケジューリングをしたり、自分の思いを吐き出せる場所として十分使い倒していた。
積極的に乗り換えるつもりもなかったが、スケジュール帳がない生活が現実的に不便で、急に一刻も早く書き込みたいと思い始め、閉店30分前の東急ハンズに駆けこんだ。
ハンズの手帳売り場はとても充実しているが、このB5サイズは少なく、使い慣れたMoleskineから変えても良いと感じるのは「NOLTY」だけだった。
さっそく封を開けてみると裏表紙のポケット名刺大のカードが入っていた。
Moleskineのストーリーも気に入っていたけれど、このカードのメッセージもかなりいい。
少なくとも、このスケジュール帳を選んでよかったと納得するのに十分だった。
 
手に取るあらゆるものに作り手のエピソードがある。
どんなことをしたら儲かるか。どんなことをしたら喜ぶか。どんなことをしたら感動するか。
さて、自分は何ができるのだろう。

「変わりゆく時代に、変われる強さを。」

偶然手にしたあたらしい手帳の文字が、一足遅れでスタートした私の背中をそっと押してくれた。


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