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2019UTMBを終えて

1年間、自分としてはかなりのトレーニングと準備をして迎えたUTMB。何なら30時間台でフィニッシュのイメージも持っていたのだが、結果は無残にもle Balmeエイド出たところでリタイアからの2020リベンジを固く誓ってからのトレーニングや参加レース結果を書いていきます。これからUTMBに参加される方の一役を担えればと!

第1回は一体何が起こってリタイアになったか、そこから学んだ事は何かです。

2年前に突発的に参加したMDSサハラマラソンから超長距離ステージマラソンにはまり、MDSPeru、lost island ultra Fijiなどに参加しつつ、サハラで知り合ったおじさんから聞いたUT何とかってのが気になり調べ始めたのがきっかけ。それ以来トレランレース何度か出場するも、膝や足首の故障に次ぐ故障に見舞われ、根本的に一から走り方を研究し、トレーニングに励んだ1年で、ある程度走れるようになっての参戦でした。富士山も何度も登り降りしたし、GPSの時計で色んな分析も。そんな感じでスタートでした。

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スタートから8km割と平坦なles Houcheまで、あるネット記事で飛ばしすぎに注意して自分のペース作る方がいいと知り、試走して時速8km強を設定(先が長いのでね!)いざ本番、スントでペース確認しながらも気持ちよくアドレナリンとともに走る。あっという間に到着。少しオーバーペースだったけど、まぁ疲労ないしいいやとオレンジ1個ほうばってそのまま第2エイドのst.Gervaisに向かう。

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想像してたより斜度がキツいけど、テンション高いのでグイグイ行く。何度か時計の画面が変だったけど、気にせず行って、下りは結構攻めてエイド到着。時計見たら想定より1時間も早い。これは流石にダメだわとエイドで少し休む事に。先行き長いのでグザビエのようにペースコントロールしなきゃと。オレンジがホント美味しいので山盛り食べて、エイドのおばちゃん達と話し込んだりして30分くらい?よし次行くぜ。第3エイドコンタミンまでは平坦なコースだし、時間は前半キツイと聞いてたが、楽勝やん!と。

なんか平坦ではあるが時として結構な登りが出てくる。ハテナハテナだが、時計見ながらまたもオーバーペースになってるのを気にして出来るだけゆっくり進む。俺まさかの20時間台???そんな時、背後からロバさーん!コンタミンの関門間に合わないですよ〜と、砂漠仲間が声をかけて来た。「え〜?楽勝やん!」「あと2kmで30分ですよ。。。」???おれ2時間くらい時間に余裕無かったっけ?何だか分からんがダッシュしかない!な矢先に、平坦なはずなのに結構な登りが現れる。考えてる暇もなかったので、兎に角心拍数も無視してダッシュ。関門タイム15分残して到着。サポートに着いてくれてた仲間が心配してるが、兎に角エイドアウトが関門タイムなので、急いで水補給して着替えて、ミニ水筒に入れてもらった暖かい砂糖山盛り入りの紅茶を持って、お粥だけ食べてエイドアウト。5分くらい走ると街を抜けて誰も居ないひっそりしたところに出たので、岩の上に腰を下ろしてコース図を確認しながら美味しい美味しい甘い暖かい紅茶をすする。次のle Balmeまで10km2時間コースは平坦。楽勝楽勝!ふと影から2人のローカル現れ、酔っ払ってテレビの取材ですとか言いながらアイホンでビデオ撮ってるし。。。アホやなぁと思いながらも「なぜUTMBに出たのですか?」「そらぁモテるからやろ」「彼女はいっぱいいるのですか?」「100人くらいかなぁ」とおちょくって、じゃぁそろそろ行ってくるね〜と出発。少し平坦な所を走ったら、いきなり結構な登りが。。。あれ?平坦な10kmやったん違ったっけ??と思いながらも進む。いつまでたっても登りが続く。え???平坦なハズなのにとちょっと焦る。どれくらい進んだか分からないが、時計が完全におかしい事は間違いないようだ。関門までまだ2時間以上あるとなっている。平坦なはずが激坂で、2時間しかなかった区間タイムなのに時計見たらだいぶ走ったのにまだ2時間以上余裕ありと表示。完全に思考能力停止しつつも進むしかない。途中で夫婦?みたいな中年カップルを追い越すと、この先まだまだなので辞めるならすぐそこに車が待機してるよと。あ、この人達スイーパー?だったら追いついたって事は次の関門までは大丈夫なはずと、足並み揃えてしばらく進む。前の選手に追いついたら、このスイーパー達、絶対無理だから引き返せと言っている。。。?日本のレースではスイーパーは、一緒に頑張りましょう!絶間に合いますよと引っ張ってくれるが、こっちのスイーパーは辞めさせようと足を引っ張る事に気付いて、先に行くと言い捨てて死ぬ気で走る。さっきの関門もギリギリで、今回も超ギリギリだったらその次どうなるんだろう?そんな弱気が頭を巡るが、負けん気満載なので兎に角走る。balmeに到着したのは関門タイムまで5分。。。ソッコーで水補給して(オレンジ1個摘んで)エイドを出る。

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落ち着かなきゃと、エイド出たところでマップを取り出して次を確認。なんだなんだ?今山の一番下で(何故かさっきのコースは平坦部分と思い込んでる)今からこの1番でっかい山を登って降りるのに3時間?マジで?いくらなんでも無理じゃない?ぼう然自失。でも行くしかないとエイド出口出たところにあったベンチを立ち上がろうとした時に、周りに居た何人かをまとめて、皆さんはここで終わりです。ここから先悪天候で、このタイミングでここにいる人たちには無理ですと、勝手にゼッケンにハサミ入れていってる。。。ふざけんなよ、関門セーフじゃないかと時計見せながら英語でわめくも、フランス人英語わかりませーん。壊れた時計に、今から山を麓から超える到底無理っぽい時間に、フランス語でまくしたてられた時、僕のUTMBは終わった。どう考えても確かに今から2500メートルの山を登って降りるの3時間では不可能だ。。。

呆然と車に乗せられ1つ前の大きなエイドまで連れて行かれる。たった40kmで終わったショック大きく、1年間どれだけ走ったかを思い出し、どうしたらいいか分からなくてただ呆然。何が起こった?何で失格?

コンタミンのエイドでシャモニー戻るバスを3時間待つ間に色々考えて、コース図も見直して、時計も見直して、死ぬほど腹がたつ事にいくつか気付く。まず時計は何故だかオートストップ機能がオンになっており、つまり登りでスピード落ちた時は勝手に止まってたんだ。そりゃぁ表示タイムは短いわな。笑えなさすぎる悲しい出来事。も一つは、頭がおかしいとしか思えないが、関門から関門までの区間を1ならまさ分かるが区間半分ずれて考えてた。。。つまり何故だか平なはずが登ってたり、実はBalmeで既に2500mの2/3は登り終えてたのに麓と勘違いしてたのは、今自分がいるところがコースマップ上でそれぞれ区間半分くらい手前に思いこんでしまってたんだ。何だよ、だったらBalmeからあと少しガッツリ登って降るだけなら楽勝で行けたじゃないか。。。よく言う後の祭り。悔しすぎてムカつきすぎて涙も出ない。遠くを見るしかない感じ。

おれどうする?リベンジ?でもこの1年のトレーニングをもう一度繰り返せるの?そもそもこれでトレラン卒業して、車のレースに専念しようと思ってたのに?今できる事は仲間でまだ走ってるハギに声援を送るくらいしか思いつかず、ラインで俺の分まで走ってくれと送信。

翌日の夕方そんなハギから、すいません、ヒョウ降ってきてずぶ濡れで低体温でアルミシートくるまってるんですが、震えが止まらなくて、ここでリタイアします。100km超えたところに居るのですが、時間も距離も全然大丈夫で寒さだけ何とかしたらゴールできる事が分かりましたので来年一緒にリベンジしましょうとライン。またしても頭パニック。え?コイツそんな直ぐにリベンジって言い出して、おかしくないか?頭狂ってない?え?俺が日和ってるだけ?え?え?え?

深呼吸して覚悟決めて「お疲れ様。来年一緒にリベンジしよう」俺も頭狂ってるじゃないか。。。ハギは実は僕が経営していた会社に新卒で入ってきて以来の弟子みたいなヤツで、どう考えても僕が色々引っ張ってきたんだけど、ハギよ。。。オマエすげぇ。俺より強いと心底レスペクト生まれた。そして色んなことをまだ飲み込めてなかったけど、フィニッシュしないで何かを諦める事だけはしたく無かったので、ハギにも負けたくなかったので、俺ももう一度やる事にしたよハギ。ありがとな。

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今考えると、何故そう言う事ああいう事が起こったのか本当によく分からないが、結局のところ準備不足だったんだと思います。時計の設定間違えるのも、コース図頭に叩き込めてないのも全部準備不足。誰かのブログタイトルに遥かなるUTMBと言うのがあって、よく夜中に読んでたのだが、UTMBは本当に遥かなるだ。もちろんそこに辿り着けば、他の遥かなる物があるのだろうけどトルデジアンとか?)兎に角僕にとってUTMBのゴールは果てしなく遠い物であった。でも絶対負けないぞこのやろう!

と言うことで、9、10、11、12月と月1でトレランレースエントリしてレース慣れを図りながら、基礎からやり直しという事でマフェトン理論の本読んで、一から出直します。僕は来年絶対完走しますので、このノートを読めば完走までのヒントと道標になるはず!多分。。。

行った人にしか分からない特別なレースでした。1人でも沢山の方があの素晴らしい時間と空間を体験出来るキッカケになればと初回から長々と書いてしまいました!

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