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【日本ワイン情報‘’農林水産省関東農政局  第二回 日本ワイン公開講座 6月5日”】

2015/6/7

第一回の参加者アンケート、講演者のお話しから得たことでどのような構成になるのか、農政局の方の日本ワインへの考え方はどのように表現されるのかが注目したところです。第一回からわずか2か月後の開催に農政局の意気込みも感じました。

【株式会社ベイシス 石井もと子さん】
なるほど、と思ったこと。国産ワイン(輸入ブドウ果汁を使って国内で製造したワイン)について、「海外原料が悪いとは思わない。安価で、口当たりよく飲みやすくワインの入門編として“日本ワイン”と共存するべき」とおっしゃっていたこと。


【山梨県ワイン酒造組合会長 / シャトーメルシャン ブランドアンバサダー 齋藤浩さん】
“甲州に於ける日本ワインの変遷”というテーマ。ここ15年山梨県での甲州栽培面積・収量ともにほぼ半減、という現状。奈良時代日本に渡ったとされ、永年日本の風土で育まれてきた甲州。その比較的おとなしい香りや凡庸な個性を変えようと 2000 年から始動したという“甲州プロジェクト”。生食用と異なる醸造用ブドウの香りの前駆体や酸・糖度の推移の研究などの紹介。甲州ワインを世界に広める“ Koshu of Japan ”などでの講演。


【農林水産省関東農政局 「管内における醸造用ぶどうの生産状況」】
資料にあった内容で気になったこと2つ。
1つは“耕作放棄地を利用した大規模圃場が続々と生まれている”例として、山梨県八ヶ岳山麓に自社農園を拓く動きが活発化し、異業種からの参入も相次いでいるという内容。

北杜市の新規事業者例で“東京都の飲食業者”とあったのが気になり調べたこと。
“昨年4月からシダックスが農業生産法人を設立し、3年かけて栽培した後グループ飲食店への供給や小売を計画する。北杜市の標高 700m 、ブドウ栽培の適地とされる明野地区の放棄地 20ha を借り受け、年間 26 万本供給を見込む。「北杜市で収穫したブドウはワインだけでなく、健康飲料にも応用したい」”
(日本経済新聞  2013/2/19  電子版 より)

2つ目は、山梨県で甲州種の栽培面積・収穫量がほぼ半減の現状から、生産・維持のために地理情報システム( GIS )で土地を管理する。そして意欲ある担い手に農地を流動化させ、細分化されていた農地をまとめ生産性の向上を目指す動きが進行しているということ。

【株式会社 kido ワイナリー  城戸亜紀人さん】
特に心に残ったこと、城戸さんの思う“ワインづくりの魅力”について。
他のお酒にはない多様な個性。例えば収穫年によって異なる出来も、造りての性格が表現される味わいも。また、その多様さを受け入れてくれる飲み手の人がいるということ。それが魅力であるとのことでした。


【株式会社 ノーザンアルプスヴィンヤード  若林政起さん】
競泳の県強化選手として活躍した学生時代。25歳までスイミングインストラクター、25歳~35歳まで東京にてシステムエンジニア、プログラマー。
「大町ワイン」のブドウ生産を行う小林守雄氏を叔父に持ち、実家はリンゴ、水稲栽培を行う農家4代目。
従兄弟に銀座エスキスのシェフソムリエ若林英司氏。ワインとの出会いは英司氏に飲ませてもらったマルゴーのセカンド。「こんなワイン造ったら面白いじゃないか!?」とそれを飲んで思ったのがワイン造りのきっかけ…
という驚きのお話しからスタート。

ワイナリー設立まで歯がゆくつらい歩みがあったが、今年3月完成。
ワイナリーコンセプトは「農家が造るワイン」「北アルプスの情景が浮かぶワイン」「クリエイティブな農業」「地域農業をリメイクし継承する」
75歳以上が80%以上の地域農業の現状から、5年後ほとんどが引退してしまう懸念に加え、産業が弱い地域であることから、観光・酒販・ホテルなどを巻き込んで活動が出来たら。と、地域への貢献や農業の将来の形を見据えた計画に感動しました。


公開講座終了後は仕事まで30分だけ豊洲公園での「日本ワイン祭り」へ。
多くの報道カメラが入り、多くの来場者。やはり注目度はとても高いと感じました。
ワインの完売が早すぎたこと、価格が高いこと、適切なアナウンスでの対応ができていないなど多くの意見があったようです。
これで日本ワインに悪い印象を与えてしまいかねないという懸念もあるように思います。流動的な日本ワインの動き・注目にはこのイベントに限らず起こりうる想像以上の出来事もあるのではと思います。 とはいえ、個人的にも主催者側の準備不足、対応に寂しい思いもあります。多くの人、学生の友達に日本ワインってこうなんだと、そう思われては悲しい。
様々な投稿を拝見し息苦しく辛い思いです。
まだまだ見えない消費者の関心の高まりや、表示問題などのシビアな点。試行錯誤の途中であるのだということも、公開講座や日本ワイン祭りの結果から、思いました。

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