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寂しさを知る

貸し切り状態だった遊び場にあらわれたすこし年上のお兄ちゃん。

楽しそうにかつ身軽にすべり台や遊具で遊ぶその姿を、息子はじーっと見つめていました。

お兄ちゃんが場所を変えればついていって、また見つめる。そこまではよくある光景だったのですが。


お兄ちゃんが帰るとき、息子はバイバイをしながらしばらくついていっていました。

お兄ちゃんもバイバイを何度も返してくれて、だいぶ距離があいてしまったころ、パッとこちらをふり返った息子が、とてもとても寂しそうだったのです。

泣き出しそうな顔でお兄ちゃんの行ってしまった方向を指さしながら、こちらをみていました。

「さみしくなっちゃったの?抱っこする?おいで」と言うと、ふだんあまり抱っこを好まない息子が、手をあげながら駆け寄ってきました。抱きあげるとぎゅっと力をいれてきました。


それまではバイバイをしても笑顔でお別れをして、嫌がったり悲しんだりする様子はなかったのです。

人との別れを悲しむほど、そしてその悲しみを癒そうと甘えるほど、成長したのだなぁ。

その情緒的な成長と、その寂しそうな様子に胸がきゅっとなった日でした。

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