既卒(フリーター・ニート)の就職活動

「このままニートを続けていても、なにも無い」

お金の心配もあるし、将来のことを考えると不安になるし、毎日精神的に追い詰められていきます。

そこで一大決心をし就職活動を始めますが、あることに気づきます。


「ニートから再スタートって可能なんだろうか?」


私もニート生活をやめて就職活動を始めた時、そんな考えがよぎりました。

ハローワークで求人票を探し応募するも結果は不採用。

面接で断られるくらいなら良い方で、8割以上は書類選考でお断りされました。


自分は一生就職することが出来ないんじゃないか?ブラック起業くらいしか採用してくれる会社はないのでは?

もし仮にブラック企業に勤めることになって、将来安心して生活できるのだろうか?

同年代を追い抜くことは無理としても、背中が見えるくらいまでは追いつけるのだろうか?


仕事が決まりもしない内から、そんなことを考え不安に押しつぶされそうになっていました。


今回は私と同じようなニート経験を持つ方の体験を元に「長いニート経験のあとでも、再スタートできるのか?」についてお話いたします。

今からでも回りと同じような生活を送れるのでしょうか?


既卒・ニートでも再出発できる


始めに結論をお話します。

長いニート期間があっても再出発して周りと肩を並べることは可能です。

私の知る限り35歳までニート生活をしていた方でも社会復帰され、今では立派に働き、奥さんや子供を養っています。

彼は高校を卒業して有名大学に入るも、周りの空気に馴染めずそのままドロップアウト。

20歳から22歳まではスーパーのアルバイトで生計を立てていましたが、将来に不安を感じアルバイトをやめて就職活動に入ります。

しかし、大学中退の理由を上手く答えることが出来ず、一向に採用される兆しがありませんでした。

徐々に就活にストレスを感じ、求人応募は一週間に1回、1ヶ月に一回と減っていき、23歳になった日、就職活動を止めてしまったのです。


家庭環境に恵まれていたため、働かずとも食べていけたのも、ニート生活に拍車をかけたのかもしれません。

結局35歳までの12年間、社員としてもアルバイトとしても働くことはありませんでした。


ニート生活で楽しいことなんてなかった

一般的にニート生活と聞くと、「楽」なイメージがあると思います。

働かずとも両親が食べさせてくれ、自分は遊んでいるだけでいい。

上司に怒られたり同僚に気を使う必要もありません。誰もが憧れる生活でしょう。


ただ彼は、「ニート期間中、楽しかったこと楽だったことなんて1つも無かった」と言います。

始めの内は好きな時間に起きて、腹いっぱいご飯を食べて、趣味に没頭できる自由な時間が楽しかったといいます。

しかしそんな時間は1ヶ月もすれば飽きてくるもので、徐々に両親や世間に対する罪悪感が強くなってくるのです。

またその期間が過ぎると無気力状態に突入し、何をしても楽しいと感じることがなくなり、笑顔も消え、理由もなしに涙がこぼれる日々が続いたそうです。

外出する時は家の門から町内をダッシュで駆け抜けていたと仰います。

というのも昼間から出かけると近所の噂話にネタを提供することになってしまうからです。


しかし頭ではこのままではいけないと分かっていても1歩を踏み出す勇気が出ずに、ずるずると時間だけが過ぎて行きました。

そして33歳になったる日、唯一の親友であった幼馴染にも見放されます。


「お前はお金がないから何処にも遊びにいけない。俺は仕事の話しとか恋愛話しとか言いたいことはたくさんあるけど、お前と生活レベルが違いすぎて気を使って話すこともできない。正直最近は遊んでて楽しくないし、疲れる。このまま一生やっていくつもり?俺の人生じゃないからそれならそれで別に構わないけど、今までのように一緒に会ったりするのはできない」

親友にそう告げられショックを受けましたが、「このままでは駄目」と何処かで思っていた彼には大きな1歩を踏み出すきっかけになりました。

ニートからの再出発の道

就職活動を始めた彼。10年間でかなり太ってしまった為、当時のスーツを着ることもできず、服を新調して就職活動に挑みます。


しかし簡単に結果は出ませんでした。


今までの遅れを埋めて同級生達に追いつく為には、大手企業に入社するしかないと彼は考え、無謀にも有名会社ばかりに応募をしていたのです。

もちろん職歴も資格もスキルも持たない彼が採用されることはなく書類選考で全て不採用。

新卒ならまだしも、特別な技術も持っていないのですから当然と言えば当然です。

「働きたいのに働けないなんて理不尽すぎる」とよく嘆いていたそうです。


結局大手企業は諦め、中小企業や零細企業で経験を積んで3年後に大手企業に転職をしようと方針を変えました。

彼の大きな方向転換は功を奏し、35歳で無事採用が決まります。


日本は空白期間に厳しく、一度道を外すと一生再スタートできないと勘違いされていますが、そんなことはありません。

いきなり大手企業に就職するのは奇跡でも起きない限り厳しいですが、中小や零細企業はどこも人手不足であり、未経験者を積極的に雇用している企業はたくさんあるのです。


新卒と同じ月給18万円スタートでしたが、休みは週休2日。それなりにしっかりした会社で3年間真面目に仕事をこなしました。

職場の事務員の友人の女の子を紹介してもらい。交際もスタートしめでたく結婚をします。

3年間経験を積んで大手企業に転職する計画でしたが、現職場で主任を任されるようになり、給料もアップし、働きやすさを考慮し今の会社でやっていこうと決意しました。


生活レベルが改善した為、見放されていた友人とも元通りの関係に戻ることができ、文字通り再出発することが出来たのです。


現実的な就職活動を

ご覧いただいた通り、ニート生活を送っていた方でも社会復帰することは可能です。

ただし、いきなり大手企業を目指したり、一発逆転を目指しても不発に終わる可能性は高いでしょう。

また当時は人手不足な業界や中小企業も多かったですが、今はコロナの影響もあって求人じ少なくなっています。

自分には何が出来るのか?

どんな仕事なら採用される可能性が高いのか?

その仕事は続けられるか?

どのようにキャリアアップして生計を立てていくか?


そのように現実的な目線で就職活動をすることはとても大切です。


既卒の就職活動については、その時採用|職歴なし・フリーター・ニートの就職活動の進め方も参考になります。

考えすぎると1歩が踏み出せなくなるので、闇雲に就職活動をすることも大切ですが、なかなか採用が決まらない場合は自分が高望みしすぎていないか方針を見直すことも時に大切です。

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