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Rainbow & Blackmore's Night

Ritchie Blackmore's Rainbow - Ritchie Blackmore's Rainbow (1975)

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 日本のハードロック・メタルシーンは概ねレインボウからの影響が大きいと思ったのはレインボウを聴いてからの話。それまでは日本独自解釈によるメタルシーンと思ってた。Zeppelin系列に思う事はなかったからレインボウは取っ付きやすいバンドだったと。確かに誰が聴いてもカッコ良いと思える曲が多いし、それこそがレインボウの強み。

 Ritchie Blackmore's Rainbow名義の1975年リリースのファーストアルバム「Ritchie Blackmore's Rainbow」。所詮はELFにいたロニー・ジェイムス・ディオが欲しかっただけの話でシングルからアルバムへと発展させて、その時にELFのメンバーの仕事を重要視したディオの意向を組み込んでバンド形式にしたけど、その実力差は明らかだったと。実際そう思うけどアルバム聞く限りでは割と多様性に富んだ曲をバンドとしてこなすELFも器用なバンドだったのだろう。それが故に個性が出せなかったかもしれないが、こうして才能あるミュージシャンは次々と同類の人種と融合していくのもまた面白い。その分確実に名盤が生み出されていく率が高まるから。

 このアルバムも傑作佳作揃いで、一発でカッコ良いと思うのはカバー曲ながらも「Black Sheep of the Family」。そもそもこれがDeep Puprple脱退の理由だけど、これだけカッコ良く出来たらやってみたいと思うだろう。ディオの歌声はちょいと軽めになってしまうけど、元々がQuatermassの作品で凄いセンス。ここでのリッチーのギターはソロイスト的なところは控えめで楽曲中心、曲に合ったソロを展開している方が中心でさすがに自分のバンド的にコンポーザー的な面を出したのか、ギタリスト的にはちょいと寂しい。ヤードバーズのカバーで終了するけど、こういうカバーとは普通に英国バンド的にごった煮センスも入ってて面白い。

 このアルバムでロニー・ジェイムス・ディオを獲得して、ELFの面々にも義理立てして、いよいよ本格的にプロのメンツを揃えて快進撃を続けていくのが次作「虹を翔る覇者」からで、その序章としてある種方向性も無視して自身の趣味的に好きな事をやっていたアルバムでもある。

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 1975年に突如結成リリースされたRainbowのデビュー・アルバム「Ritchie Blackmore's Rainbow」。ご存知3曲目にはQuatermassの「Black Sheep of the Family」が収録され、パープルでは拒否された曲がそのまま入ってる。明らかにオリジナルのQuatermassよりもカッコイイし力量も明らかにこっちの方があるのでオリジナルを軽く超えたカバー作。多分オリジナルより有名。そのおかげでQuatermassが売れたか?となるとそれもない。当時はそんな細かい情報まで入ってこないから普通にパープルからリッチー抜けてレインボウを組んだらしいと。エルフをバックに従えてと言われてもエルフって何?となっただろうと思う。そんな経緯がありつつバックを全員クビにして、自身の突き詰めるハードロックをやり続けた事でレインボウは愛された。

 シンプルにカッコ良い、それが良いと思う。普通に聴いててカッコイイ。そしてディオの歌声も後年のねちっこさとか派手さはまだ鳴りを潜めているけど明らかにカッコイイ。リッチーのギターは言わずもがな、そして何よりも様式美な展開と英国、欧州ならではの美しさがこのバンドに気品を与えている。元々がソロアルバムとして制作した延長線をそのままバンドにした経緯らしいが、泣く子も黙るハードロックバンドになったのは見事。アルバム全編の中でもっともレインボウらしいのが件の「Black Sheep of the Family」だから恐れ入る。

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