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Evanescence

Evanescence - Fallen (2003)

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 21世紀に入るとヒップホップの要素もロックと融合して独自のサウンドが形成されていくが、その中でもう一つ悪魔的な要素を持ち込んだ、映画「デアデビル」に使用されたてバンドのイメージが固定されて独自性を持たされた時代の感性とバンドのイメージがマッチしたエヴァネッセンス。バックはラウンドロック系ながらも、ボーカルを担っている可愛い女の子が人気を得ている。

 アルバムはまだファーストアルバム「Fallen」一枚だけ。他は昔のデモテープ集やライブの寄せ集めで作品として出来上がっていない。今アルバム制作中と聞いているのでそのうちリリースされるだろう。ファーストアルバム「Fallen」が驚異の売上げを弾き出したのでセカンドアルバムのプレッシャーは相当だし、彼等が狙って作れるか疑問もあるけど頑張ってもらいたい。ボーカルのエイミーの歌がかなり上手くて、それがバックのヘヴィーな音と異なった所で浮遊して聞こえるし、男のドスの効いた声をバックコーラスに掛け合いにしながらその上をエイミーの歌声が奏でられる魅力。ストリングスもありメロディーラインも作り込まれてて面白いアルバム。エイミーがピアノで弾き語る時もあって素敵。しかしアメリカの21世紀のラウドバンドの中では群を抜いたアレンジ力がある。

 冒頭を飾る「Going Under」の迫力がこのバンドの方向性を物語っているけど、キメとノイズの中の美しい歌声とメロディは傑作。同様路線の「Bring Me To Life」もバックの掛け合いが面白いロック。映画で有名になった美しきバラード「My Immortal」の美しきストリングスとピアノのセッションに刹那的なメロディを歌い上げた楽曲の素晴らしさ。往年の英国ハードロックを踏襲したようなリフが刻まれる「Tourniquet」も心地良いサウンドでさりげなく鳴るピアノが曲に優しさを与えている。このリフでこのメロディとはセンス良い。「Whisper」も往年の英国ロック的リフによる曲展開を主として、歌メロも意表を突いてて面白い。

 テレビでライブやドキュメンタリーを見たけど、ライブは悪魔的なイメージを持たせている。移動中のドキュメンタリー見ると普通のお嬢さんとバンド兄ちゃん達。このオープンさは、アメリカだからか、昔なら神秘主義バンドは素顔が出てこなくて雰囲気持ってたりけど。でもこのバンドは面白いので次作に期待中。

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