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Jimmy Page - The Seasons (2023)

Jimmy Pageのコメント:
「Houses of the Holy」のオープニング・トラックに関する私の最初のアイデアは、短い序曲がエレキギターを重ねた盛り上がるインストゥルメンタルの導入部となり、「The Seasons」、後に「The Rain Song」と題されるようになる、というものでした。ここでもメロトロンと対照的なアコースティックギターのインストゥルメンタルがあり、アルバムの最初のボーカルと曲の最初のヴァースにつながる。

「The Seasons」は、曲の順序と、その胎動期に持っていたさまざまなアイデアを思い出すための自分へのメモだった。家で一晩かけて作ったんだ。この「The Plumpton and Worcester Races」と名付けられた序曲のリハーサル中に、ハーフタイム・セクションが生まれ、序曲は「The Song Remains The Same」という曲へと形を変えていきました。 このリハーサルは、英国ドーセット州のピドル川沿いの水溜りタウンで行われた。

最初のレコーディングは、オリンピック・スタジオでジョージ・チキアンツと行った。

その後、ミック・ジャガー卿の別荘であるスターグローブスで、ヘッドリー・グレンジと同じくローリング・ストーンズのレコーディングトラックで録音することになった。

「The Song Remains The Same」は、Becks Boleroで使用したのと同じFender 12弦で演奏し、私の信頼できるLes Paul number 1を標準的な回転でオーバーダビングしました。 「Thae Rain Song」は、アコースティックギターでもエレキギターでも、異例のチューニングだった。 ライブでは、ダブルネックの出番にもなった。

 これまでに流出した事のない完璧な状態のデモテイクだが、ほとんど完全版に近いから、ともすればマルチミックステープからドラムと歌やベースを除いただけとも思えるくらい。もちろんそんな事なくてチョコチョコとギターが異なっていたり、重ねられている本数も少ないから最終的なデモテイクなのだろうが、メロトロンもしっかり鳴ってるしギターも2本くらいは入ってるので、どこまでデモとして作っていたのだろうか。もっと初期のラフスケッチレベルの音源ならブートレッグで発掘されていて、今ではYouTubeでも普通に聞けるが、まったくアイディアレベルでしかない構成なので、ここでジミー・ペイジが自分へのメモと書いているのはどちらかと言えば、その初期デモテイクならまだ分かるが、ここまで出来上がっていたテープが見つかったからこそリリースに踏み切ったのだろう。今の時代であれば、こういう風に一曲だけ流す事もやりやすいのでこれからもどんどんと発掘してほしいものだ。

 先日音楽系ニュースで、今ツェッペリンのドキュメンタリー映画が制作されているようで、YouTubeでもいくつかその断片が公開されているが、恐らくその作業をしている最中にこういった忘れ去られていたテープが発見される事を期待したい。これを機にリール何本かのソースが発掘されてくれると常に音源に飢えているディープなリスナーは寄ってたかってしゃぶり尽くすだろうし、自分も多分その一人だ。

 「The Seasons」はあの「The Rain Song」のドラムと歌なしのアコースティックバージョンで、曲の全体感は公式音源にほぼ近く、後半のエレクトリック部分はないものの、曲としての素晴らしさはこのままでも何ら損なわれる事なく、どう聴いても素晴らしいの一言に尽きる。これまでにこんな曲を作った人もいないし、聴いた事もないし、まったく世の中に初めて登場した楽曲構成の組曲と言うかアレンジと言うか、美しい曲でコードの響きをすべて知り尽くしていなければ出来ないし、それでもギターのチューニングを変えているのだから、その響きがどうしても必要だったワケで、しかも最終型ではエレクトリックに展開して更に叙情性を増したプログレッシブなサウンドにもなっているのだから凄い。単にジョージにバラードがないバンドだ、と揶揄されたからと言って、ここまで出来てしまうものなのか。

 ついでに久々に「The Rain Song」オリジナルバージョンを聴き、更に初期デモも漁って、ライブバージョンもいくつか聴き漁っていたが全く飽きない奥深さが素晴らしい。


好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪