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Deep Purple #1

Deep Purple - Shades of Deep Purple (1968)

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 ハードロックの鍵盤奏者はやはりジョン・ロードとケン・ヘンズレーが二大巨頭として出てくるのが普通か。他に幾つもバンドはあるし、ヴィンセント・クレインも出てくるだろうし、自分が求めてる音はその他のバンドだけど、一発屋ばかりだったので王道バンドの代表格の登場。

 Deep Purpleのファーストアルバム「Shades of Deep Purple」。1968年リリースの作品で、後のハードロックバンドで名を馳せるパープルの音楽性とは大きく異なる第一期は一般の人気とはかけ離れるだろう。聴くとそう思うしメンバーの志向性は出ているけど、そこまでな感じでどこを目指していたバンドなのかはまだ分からない感触。それでも普通に英国から出てきたバンドとして聴けば、かなり抜きん出たサウンドのバンド。サイケ調とも言える音でクリームのカバーもあるように、アートロック的な志向性だったか。シングルヒットした「Hush」もプロコル・ハルムみたいなクラシカルな雰囲気を出した音だし。ジョン・ロードは鍵盤奏者としても音楽的センスの持ち主としても凄い才能だったけど、新しい物を生み出す部分ではまだこの頃は発揮されていないしリッチーもそれは然り。だからこの頃のバンドのレベルはかなり上だがやってる事の革新性は見当たらないところか。

 自分の友人はパープルは第一期が一番面白いと言う。音楽を確立する前の英国バンドとしては色々と面白いトコ持ってると納得。ロッド・エヴァンスの歌がモロに英国風だし、全体から漂ってくるムードも明らかにサイケ調時代の産物。リッチーのギターの入れ方がひたすらロックしているのがちょいと尖ってる所だろう。ユニークな存在だけど個性を打ち出すほどまでには至っていない。それでもオルガンとギターと双璧になりバンドも上手い具合に纏まっているので面白い作品。

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