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70s British Rock 【H・I・J】

Hanson - Now Hear This (1973)

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 いつもの事だけど、系譜辿りによるアルバム漁りは大抵つまらないものを引くハメになって一気に方向転換を図る時が多い。それなりに名を成していく人はアルバムの質やバンドのレベルも高いけど、脇役になるとどうしてもソロアルバムレベルでミュージシャンとプレイヤーの才能のズレが出てきて、あまり面白味のあるものが出てこない。名プレイヤー名監督ならずってヤツです。

 ボブ・テンチが3曲参加、クライブ・チェアマンもメンバーで参加している、ギタリストJunior HansonがHansonとしてリリースした作品「Now Hear This」はJeff Beck Groupのメンバーが参加したアルバムとして少々知られた存在になった。このJunior Hansonは一体何者?しかもアルバムはEL&Pで知られているマンティコアレーベルからのリリースで、アルバムを聴いても白熱したギターを弾くプレイヤーで悪くないけど、ボブ・テンチが歌っている曲はいつも通り。少々ブリブリした質感のサウンドが中心で、ロック的エッセンスが散りばめられているからそのヘンの融合がなかなか楽しめる。Funkadelic的な試行錯誤もある。

 しかし、B面の最後でのアグレッシブな混沌とした志向性はこれぞロックと言わんばかりの迫力あるセッションに仕上がっていて、こいつをやりたいがためのアルバムだったか?と言うくらいこの10分の曲に全てが集約されている。ロックバンドたるもの、この時代だったらこういう世界好きなはず。白熱したそれぞれのプレイをぶつけ合って出来上がっていくテンションの高いサウンド、緊張感、スリリングな駆け引き、そんなのが詰め込まれていて意外とここでハマった。

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