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本業で稼ぐ力がない銀行

「銀行消滅」といった言葉を目にする機会が昨今増えています。

「AIに仕事が取って代わられる」
「貯蓄から投資への流れ」 
「金利低迷」
などの多くのきっかけがありますが、一言で言い表すと

「銀行の体力の低下」がもたらした現象です。「体力の低下」とは「銀行の本業で稼ぐ力の低下」を意味します。

銀行の主な稼ぎは融資の実行により得られる利息です。

しかし、クラウドファンディングやICO(独自仮想通貨発行による資本金集め)などにより、資金調達の手段が多様になる一方、リスクを取らず依然として消極的な銀行の融資への姿勢。
そしてNISAなどの証券投資活性化を狙う、政府の意向。

時代は銀行と逆向きに流れている様にも思われます。

今の銀行は、投資信託や保険商品を販売した代理店手数料など収入手法を多岐に広げてはいますが、限界があるでしょう。

その様な中、次に銀行が打ち出した手は、貸倒引当金の回収です。
銀行は融資を実行する際に貸倒引当金を計上します。
貸倒引当金とは、融資する相手が倒産するリスクに備え、一定額銀行が積み立ておくべきお金のことです。

貸倒引当金は[50%基準]といい、
 債券額×50%=限度額
で算出されます。例えば、融資先が要注意先だと1億円の融資を実行をした時に最大で5000万円を積み立てなければなりません。

しかし、融資先が優良先だとそれが債券額の数%で済むことになります。
仮に5%で済むとしたら、積み立てる額は、
 要注意先:5000万円
 優良先 :500万円

となり、4500万円が浮くことになります。この4500万円は貸借対照表上の純資産部に繰り入れることができます。

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