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韓国の日本ゲーム会社が陥る、ワーストプラクティスのトップ3

先日、(シリコンバレーの日本企業が陥る、10のワーストプラクティス)http://svs100.com/kushida2/ とのコラムを読みましたが、韓国の日本ゲーム会社でも似たようなところがありましたので、いくつか記述してみたいと思います。

私は、20才に日本にきて30才に日本で起業し、約7年目になりますが、2012年には韓国でも起業し、日韓法人の代表として動いています。その中、日本企業の韓国での営業方針や本社とのやりとりなどを結構見てきました。

1.韓国マーケットは日本コンテンツのリサイクルマーケットではありません。

日本の成功パータンのまま、日本の売上の約30%を目指して、日本のコンテンツのままでリリースします。ゲームコンテンツで例えると、韓国のゲーム傾向は、米国のオンラインゲームに慣れてきた10代〜20代や日本のコンシューマーゲームに対する憧れをもつ30代以降のユーザーが存在し、日本のコンシューマーゲームIPを活用したオンラインゲームなどが多く開発されてリリースされてました。

例:韓国で開発された「魔界村オンライン」

「魔界村オンライン」ようにコンシューマーゲームのコンセプトを取り入れて対戦型のオンラインゲームに仕上げています。しかし、韓国でリリースされる多くの日本のゲームは韓国ユーザーが好むユーザー対対戦より、協力プレイを推進する傾向があり、韓国ユーザーからは物足りなく感じてしまいます。

なお、さすがに日本のままだとまずいと思ったなのか、いちばん修正しやすい洋服系アイテムや音声を韓国の声優さんに変更したりする。それが、日本のアニメやマンガに馴染んでいる(もちろん日本語のまま)韓国のユーザーに反感を買い、そのままの日本の声優さんが良かったのに韓国語変更することで逆におかしく感じてしまいます。なので、せっかく課金するなら本物(日本App Storeからダウンロード)でプレイする人は増えてしまい、結果的にゲームアップデートや運営が日本向けなので、楽しさを感じにくくなり辞めてしまいます。

韓国マーケットは日本で流行ったコンテンツのリサイクル場ではありません。

NEXON社が最近日本向けでリリースした「HIT」だとイラスト等含め全てと良いほど日本向けに変更されています。

※韓国向け(左)と日本向け(右)のイラストの違い
ソース:http://www.inven.co.kr/webzine/news/?news=172324&iskin=mobilegame

2.韓国まで付いてくる日本の広告代理店を利用する。

韓国の広告市場の人脈は非常に狭く遡っていけばほとんどが同じ会社(元Yahoo!KoreaやDaumの場合が多い)でクライアントを共有したり場合よっては、裏で、それぞれのクライアントのプロモーションがお互いに邪魔しないように調節を行ったりします。(例えばブースト広告開始の日程を調節する。)なので、コアな情報を共有している韓国のマーケティング会社や広告代理店を使わず、円建て支払いができるとか日本語でやりとりができるなど、ちっぽけな理由で日本の広告代理店の韓国法人に、大事なプロモーションを託したりする場合が多いです。当然なことに、全てのやりとりは日本語で行い、知らないうちに納得できない広告が出稿されていくことを、韓国の現地スタッフは呆然とするだけです。

結果的に、効果がなくても日本の本社が喜びそうな広告提案をそのまま実装することになるので、韓国ユーザーには刺さるわけがありません。

3.決定権のない且つ、ただ日本語が流暢なコンサルタントが韓国法人の副理事(事実上トップ)になる。

日本語が流暢な韓国人で共通の知り合いが数人いるだけで副理事として採用され、韓国での事業拡大やビジョン共有よりも、日本の本社から予算(広告費用や接待費など)をもらうために、ほとんどの時間を費やする。予算がないので、伸びってないとか平気で言います。

大きな会場を借り、セクシーアイドルを招き、お酒を飲ませ、メディア関係者等を接待する。そんなもので成功するならそれより簡単な方法はありませんが、ネットで上がってくる記事はプレスリリースをコピペした記事ばっかりで誰もその記事は読みません

さらに、韓国での事業が上手く行かなくなると、韓国はマーケットが小さいから日本向けのゲームを開発したいと言い出し、日本のIPで開発するものの、開発リソースはほとんどないので、適度な外注を使い、また失敗する。

それでは上手く展開している会社はないのか?

セガサミーホールディングスを注目したいです、ゲームセンターやパチンコ事業(パチンコは法律的に韓国でやれないですが)ではなくカジノテーマパークである、Paradise Sega Sammyを建設中です。

https://www.segasammy.co.jp/japanese/ir/ar2013/future/future_01.html

仁川国際空港にも近く立地も良い。家族連れを想定するのでセガサミーホールディングスの本来の強みを行かせて、日本のカジノ事業は本格的動く前にノウハウを培うこともできる。その他、注目すべきの事例が出てきたら、アップデートしていきたいと思います。