【左手でのスラーのことで】

「ハンマリングオン」は、左手の指を使って、弦のフレットをリズミカルに叩いて、音を出すテクニックです。右手では弾きません。また「プリングオフ」は、左手の指先で直接弦を弾いて音を出すテクニックです。これも右手では弾きません。ギター曲では、上昇スラーを「ハンマリングオン」で、下降スラーを「プリングオフ」で演奏します。つまり、楽譜にスラーの表記がある場合には、通常は左手のみ使い、右手は使いません。

これがなかなかくせ者です。正直申しまして、小生は左手のスラーが苦手です。鳴っているようでいながら、かなりの頻度で「鳴り損ない」が発生します。つまりギター演奏上の隘路(あいろ)です。それでも「そのように弾くことになっている」ので、無理して左手で弾いています。

金曜日の夕方にオンラインプチがあり、ある参加者から話題がありました。コンクールを聞きに行ったそうです。課題曲の演奏ですが、最近の若手のギタリストさんは、どなたも左手で弾く「スラー」を使っていなかったそうです。コンクールの参加者の皆さんがスラーを使っていないので、つまり左手のスラーを使わないことが標準奏法になっているということなのでしょう。
「うそっ、スラーを使わないの?」
いやあ、驚いたねー!『晴天の霹靂(へきれき)』です。おそらく大音量のハイテクギターだと、左手のスラーでは音量が稼げず、音のバランスが悪いのかもしれません。スラーは音楽的な表現の話なので、その表現が出来るのならば、どんな弾き方でもよいということなのでしょう。

「では、どうやって右手でスラーの雰囲気を出すのか?」なかなか難しそうな気がします。でも、左手で無理しなくてもよいとなりますと、演奏がかなり楽になる箇所がありますね~。