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映画「ジョーカー」を観た話

ネタバレ含みますので、まだご覧になってない方はご注意ください。

そして皆さんが観た前提で話しています。


僕は映画が好きだ。
巨大なスクリーンで観るのも家でPCやテレビで観るのも好きだ。
スマホで観るのははまだ慣れないが。

「ジョーカー面白い」なんて言葉がSNS上で羅列されていて、こぞってポジティブな意見ばっかりだったので久しぶりに映画館へ足を運んだ。


ジョーカー
原題:Joker
2019/アメリカ 上映時間122分
監督・製作・脚本:トッド・フィリップス
製作:ブラッドリー・クーパー、エマ・ティリンガー・コスコフ
製作総指揮:マイケル・E・ウスラン、ウォルター・ハマダ、アーロン・L・ギルバート、ジョセフ・ガーナー、リチャード・バラッタ、ブルース・バーマン
脚本:スコット・シルバー
撮影:ローレンス・シャー
美術:マーク・フリードバーグ
編集:ジェフ・グロス
衣装:マーク・ブリッジス
音楽:ヒドゥル・グドナドッティル
音楽監修:ランドール・ポスター、ジョージ・ドレイコリアス
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ、ビル・キャンプ、シェー・ウィガム、ブレット・カレン、グレン・フレシュラー、リー・ギル、ダグラス・ホッジ、ダンテ・ペレイラ=オルソン、マーク・マロン、ジョシュ・パイス、シャロン・ワシントン、ブライアン・タイリー・ヘンリー
パンフレット:★★★★★(835円/識者のコラムが大量に収録されていて、超素晴らしい!)
(あらすじ)
「どんな時でも笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸に、大都会で大道芸人として生きるアーサー。しかし、コメディアンとして世界に笑顔を届けようとしていたはずのひとりの男は、やがて狂気あふれる悪へと変貌していく。(以上、映画.comより)


何から何までジョーカー

この作品は「どこからどこまでが妄想なのか」という仕掛けが強くて感想や考察はバラつくと思う。

アーサーの日常がメインで展開されるのだが、母親の発言や恋人の存在なども妄想ということが理解できて、そうなるとアーサーの主観のどれが現実なの?という疑問に囚われまくる。

母親とのこと、コメディアンのこと、恋人のこと、全て妄想なんだから。


同僚から貰った銃を小児施設で落としてしまうアーサー。
そのことで仕事をクビになるのだが、上司に「聞いたぞ!同僚から買ったんだろ!」と怒られる。
同僚が保身に走った!と思われるシーンだが、それこそがアーサーの妄想であって、本当は同僚から銃を買い取ったんじゃないか?と推測できちゃう。

だって逆算すると
看板も盗まれてないかも→じゃあ暴行されたのも妄想かも→理由は銃を手に入れる口実の為の妄想→じゃあ同僚は上司に対して嘘ついてないよね→一連の流れ全て妄想なの?
ってなるじゃん。

マレーに「え?ジョーカーと呼んだっけ?」と言われるシーンも、マレーがアーサーを蔑ろにしているんじゃなくて、マレーに「ジョーカー」と呼ばれたことが妄想かもしれないし。

精神科医に対しての「何度も同じ質問すんな」発言も妄想からの言葉かも
電車での蔑まれる女性もいなかったのかも
バスの子供もいなかったかも

そうなるともう分からん

お手上げですね。


背中

ジョーカーの後ろ姿がカッコいいんだよなー。
アーサーはそんなことないのに。

正面じゃないって意図も含まれてると感じるくらい後ろ姿が素敵だった。
なんとなくだけど、あれこそがジョーカーなんじゃないかな。


階段

印象的だったね。
ジョーカーになり踊りながら階段を降るシーンなんて「これぞ映画」って感じだったよ。

ああやって境界線を跨ぐステップをいろんな角度やメッセージを込めて表現できるのが映像作品の良さなんだよな。



ラスト

最後の精神科医とのシーン、あそこだけ映像の作りが綺麗だし雰囲気違いましたよね。
精神科医もアーサーも雰囲気違いましたよね。
あれって、あの精神科医なんですかね?
てか、あれってアーサーなんですかね?

そうなると、後ろ姿こそがジョーカーと感じた僕の「ボヤっとした何か」が少しクリアになりそう。


全部ジョーカー

ラストのシーンがキングオブコメディのパロディーだったり、監督がハングオーバーなどのコメディ映画監督だったり、作品全体からジョーカーの笑い声が聞こえそうでシビれるっす。


時代背景

時代背景の親和性が強いよね。
作中と現代の背景を照らし合わせてるのがいい。

電車でエリート証券マンが撃ち殺されたら、作中の暴動に似たことがネットで起きそうじゃん。
現代は情報社会だしスピードがどんどん早くなってきてて、色んなバランスが崩壊しつつあると感じる。

今回のジョーカーは明治時代に儒教から仏教に移行するときに「夏目漱石のこゝろ」が大ヒットしたシステムもに似てると思う。

時代に乗せて、答えは濁し、共感を生ませる。


最後に

何と言っても演技ですよ。

ホアキン・フェニックスの度肝抜かれる演技力に引き込まれる2時間。
素晴らしすぎる。
レヴェナントのレオナルド・ディカプリオの演技にビビりすぎ悲しくなった(あんなの観たら一生演技できないじゃんと感じた)のだが、今回も似た気持ち。
いや、今回の方がより演技力で顔面ぶん殴られた気分。

あれは凄い。

そして、制作にブラッドリー・クーパーがいる
個人的に好きなんだよ。
ハングオーバーからの付き合いらしいね。

そうなると、よりコメディに疑心暗鬼しちゃう作品だね。


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