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時代の転機、気を引き締め直して|「ちょっと言わせて」

このたび、「安全スタッフ」編集長を拝命しました福本です。以後、お引き立てのほどお願い申し上げます。

安全スタッフの編集担当は今回が2度目です。前回、一編集記者として現場を歩いていた平成17年当時、労働災害で命を落とす方々が優に年間千人を超えていたと記憶します。
改めて国の統計をさかのぼってみましたところ、やはりそこには「1514人」という数字が記されている一方、中でも災害の多い建設業においては初めて500人を下回ったのがこの年だったようです。

あれから十数年の歳月が流れた今、この5月末にもまとまる最新の災害統計に刻まれそうな同災害件数は900件台。それも3年連続。
しばらくこの分野を退いていた目には、「ここまで減ったか」と驚きの数字として映ります。
まさに浦島太郎状態でありますが、1日も早くそこから抜け出し、読者諸兄のお役に立てる情報をご提供していきたいと考えています。

何から手を付けようかと思いを巡らせる中、まずは直近1年間の災害事例を俯瞰してみました。
関係者による地道ながらも不断の努力が災害を着実に減らしている裏で、「墜落・転落」「はさまれ・巻き込まれ」「交通事故」「感電」「転倒」「高温・低温のものとの接触」等々、相も変わらずの災害が後を絶っていないことが分かります。
ビル建設現場の11階部分の開口部に敷かれていた養生シートを作業員が踏み抜いて1階までストレートに墜落――そんな痛ましい、安全の基本に忠実でなかったがための事故も起きているのが現実です。

時あたかも「令和」を迎えます。働き方改革、AIや自動運転など第4次産業革命の進展、外国人労働者の増加など働き手を取り巻く環境が大きく変化し複雑化していく中で災害事故・疾病が増加傾向に転じないとも限りません。

今一度気を引き締める機会と心得つつ編集に臨みますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

安全スタッフ編集長 福本晃士

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