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2040年を見据えた令和2年度・厚労省予算要求(上)|迷想日誌

厚生労働省の「令和2年度予算概算要求」がまとまりましたので、その概要をみていきたいと思います。

一般会計要求額は全体で32兆6200億円で、前年度を6600億円、2.1%増加となっています。特別会計分野の労働保険特会は、3兆8400億円で、同510億円、1.3%増加です。年金特会は、69兆9200億円で、同1兆3400億円、2.0%増加です。

令和2年度の政策の柱ですが、団塊ジュニア世代が高齢者となり現役世代が減少する2040年を見据えた対策が中心となっています。
このため、人生100年時代に対応した全世代型社会保障の整備、さらには成長と分配の好循環達成に力を入れています。

労働分野では、(1)誰もが働きやすい社会の実現へ向けた働き方改革の継続、(2)全ての人が意欲・能力を生かして活躍できる環境の整備――が2大政策となります。
(1)には、長時間労働是正、最賃と賃金の引上げに向けた生産性向上、(2)には、高齢者の就労・社会参加の促進、外国人材受入れの環境整備などが含まれています。

前年との比較では、とくに「成長と分配の好循環の拡大」のための道筋を強調している点にあります。
就労・社会参加の拡大、賃金引上げ、生産性向上、健康寿命延伸、ロボット・AI・ICTの実用化などを達成し、誰もが長く元気で活躍し安心できる社会を形成して消費の底上げを図るとしています。

労働分野での主な具体的事業内容をご紹介します。
最も予算規模が大きいのが、高齢期を見据えたキャリア形成支援の1700億円、次いで最賃・賃金引上げに向けた生産性向上対策と同一労働同一賃金対策で1400億円となっています。3番目に、就職氷河期世代活躍支援プラン事業の653億円が続いています。

厚生分野では、健康寿命延伸のための予防・健康づくりに1000億円、介護人材の確保などに1000億円、子育て安心プランなどに1300億円を要求しています。

次週は、引き続いて令和2年度の労働分野の事業内容をさらに詳しくみていく予定です。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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