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働き方改革と女性安全衛生部長|「ちょっと言わせて」

「仕事」や「オフィス」絡みの話題になった際の常套句になった感さえある「働き方改革」。
日本の人口が2008年をピークに減少に転じたことが、今現在、真っ只中にある国を挙げた改革の大本の理由です。

人口が減れば労働力も減るのは当然の道理であり、将来にわたった企業活動の継続性が危うかったわけです。人口減の予測はずっと以前から立っていたはずですからやや出遅れ感が否めません。
しかし、「岩盤」ともいわれた規制の見直しが避けられない改革でもあり無理からぬことだったのかも。

今でこそ当たり前のように語られるワーク・ライフ・バランス=仕事と生活の調和のような考え方は、厚生労働省が相当以前から政策課題として検討し、ワークシェアを早々と打ち出していた経済界の危機感の根っ子にも同様の思いがあったはず。しかしながらその重要性と必要性を国民が正確に知るには時間がかかりました。
同様の理解を妨げた大手メディアの罪は大きかったと言わざるを得ません。

目下、外国人にも門戸を開いて急場をしのごうと国は躍起ですが、当面、女性や高齢者の就業率を高めていくしかありません。
「70歳雇用」や「女性活躍」なる言葉が先行していますが、現場においては体力的衰えを理由にした「転倒災害」が業種を問わずに急増中。
活躍が促されている女性についても、たとえば管理職比率に伸び悩みがみられるなど国が思うようにはなかなかことが進んでいないのが現実のようです。管理職になることが必ずしも活躍でないのは言うまでもありませんが、一つの指標としては使えます。

最近小耳にはさんだ情報に、ある保護具メーカーの部長級ポジションである専任の安全衛生相談室長(社長直属)に同社初の女性が就任したという話があります。
近くインタビュー記事を安全スタッフ誌上で掲載しようと思いますが、女性特有の細かな目線が現場の安全確保に有効という見方があるようです。

この話を教えてくれた安全衛生分野で長くご活躍の御仁曰く「女性の安全衛生部長にはこれまで会ったことも聞いたこともない」とのこと。オーソライズされた統計がないのが残念ですが、少なくとも一部上場企業のような大手では「まずない」と仰っていたのが印象に残りました。

「働き方改革の根底にあるのが安全衛生」と話している厚生労働省のOBもいます。
就業者の掘り起こしだけでなく、現有戦力の維持、つまりケガや病気で今いる社員を失わないことが人手不足にあえぐ企業の使命、「1丁目1番地」の対策であるべきという考え方です。

男性目線が悪いということはないでしょうが、安全衛生の責任ある立場に女性が就くことで、何か新しい安全衛生の境地が開けることを期待したいところです。
「俺、女性安全衛生部長を知ってるよ」という方は是非編集部まで情報をお寄せ下さい。お待ちしております。

安全スタッフ編集長:福本晃士

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