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厚労省・最新幹部異動に「衝撃」走る!|迷想日誌

7月9日付で厚生労働省の最上級幹部の人事異動が発表になりました。
鈴木俊彦次官(昭和58年入省)が留任となりましたが、その割には大きな人事異動となっています。
労働部門のトップだった宮川晃厚生労働審議官(同58年)が退官となったことで、それに続く労働部門の幹部に大きな変動が生じています。

宮川厚労審の後を引き継いだのが、土屋喜久氏(同60年)で前職は職安局長です。東大法学部卒で、労基局安衛部長や能開局総務部長など重要ポストを歴任しています。

その職安局長には、新たに小林洋司氏(同61年)が就任しました。一橋大法学部卒で、前職は雇用環境・均等局長です。以前は、職安局総務課長や内閣府で働き方改革などの推進役を果たしてきました。

その雇用環境・均等局長には、新たに藤澤勝博氏(同59年)が就任しました。京大経済学部卒で、前職は政策統括官(局長級、総合政策・統計・情報担当)です。職安局雇用政策課長、大臣秘書官などを歴任しました。

一方、人材開発統括官には、吉本明子氏(同60年、中央労働委員会事務局長に就任)を引き継いで定塚由美子氏(同59年)が新たに就任しました。
定塚氏は、東大法学部卒で、前職は大臣官房長です。女性初の大臣官房長として注目されました。以前は、社会・援護局長や雇用均等・児童家庭局総務課長などを担当しています。

いずれの人材にも共通するのは、派手さはありませんが、地道・確実にこなすタイプということです。
だからといって、ミスをしないというわけでありませんが、できる限りリスクを採らない人事異動といえるでしょう?

ところで今回は、労働部門で発生した統計調査問題の後でどのような「線引き」となるか注目されていました。
通常国会において、統計調査問題の矢面となっていたのが、定塚氏(当時大臣官房長)と藤澤氏(当時政策統括官)です。

しかし、ほとんど「お咎めなし」とみられます。
つまり、上記のように藤澤氏は、政策統括官から雇用環境・均等局長に上がり、また、定塚氏は大臣官房長から局長級の人材開発統括官に上がりました。
一部報道で、定塚氏の人事が「更迭」「格下げ」と報じられていましたが、厚労省内部では「誤報」とされています。

それよりも、今回の人事異動で一つ大きな衝撃を受けました。
とうとう「年次管理」が崩壊?しました。上記の異動情報をよく見てください。
最上位次官級の土屋厚労審は昭和60年入省ですが、定塚氏や藤澤氏は昭和59年入省の「先輩」です。厚生部門に広げると、樽見英樹医薬・生活衛生局長は、昭和58年入省です(現次官と同年次)。
今後は、入省年次だけではなく、年齢などが加味されて線引きされていくかもしれません。
人事は、その時の「運まかせ」が強まりそうです。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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