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デフォルトだけは避けたい韓国経済|迷想日誌

日本にも影響が少なくない、隣国、韓国の経済状況の悪化が気になってきました。
一般報道などを総合しますと、最低賃金の大幅引き上げがボディーブローのように効いているのではないかと推測されています。
これは日本の最低賃金の今後のあり方にとっても参考となるのではないかと考えます。

韓国では、昨年16.4%、今年10.9%の最低賃金引上げを実施しました(来年は2.87%)。全体の経済規模が同程度拡大していない場合は困難となるでしょう。
簡単に言えば、企業が得るべき利益を強引に労働者に還元させる政策と考えられます。

そもそも、韓国政府は、是非は別として労働組合の支持を基盤としていますから、反財閥、反企業の色彩が強いのは言うまでもありません。
韓国民の選択に基づく政府ですから他国から何も言うことはできませんが、多くの企業の体力、競争力を奪い、このままだと国民経済が疲弊していく可能性があるのではないかと思います。

その証拠に、金融不安もあって世界的信用が急落すると同時に、韓国から多額の資金が逃避しつつあり、結果的に急激な通貨下落が始まっています。
経済専門家の見方では、対ドル1200ウォンを超えると危険水域といわれます。

最近では、既に1200ウォンのラインを行き来している状態です。
危険水域とは、国家としてデフォルト(累積債務の返済が不能に陥ること)の恐れが高まっているという意味です。
さらにウォン安が進むようなことがあれば、厳しい状態に陥るでしょう。

韓国の場合、これまでに何度か通貨危機があり、そのうち1回で実際にデフォルトしています。デフォルトしたのは1997年でした。
日本と異なり、韓国国家予算の多くを外債で賄っていたため、一斉に資金が引き上げられ、突然デフォルトしてしまいました。この時は、対ドル2000ウォンにまで達したと言います。

デフォルトすれば、日本にも大きなダメージとなりますので、なんとかこれ以上悪化しないよう正しい舵取りをお願いしたいところです。
最低賃金政策を引き金の一つとして国家破綻の恐れまで生じる事態となっています。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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