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週刊ゲーム漂流記:第7回『Unity 1週間ゲームジャム前編』

メジャーマイナー・プラットフォーム・有料無料・新旧問わず、面白いビデオゲームなら何でも紹介していこうというコンセプトの「週刊ゲーム漂流記」。
第7回は、お題に沿って1週間でゲームを制作する『Unity 1週間ゲームジャム』特集の前編。

Unityで制作されたゲームを無料で投稿・公開できるサイトunityroomが不定期で開催しているイベント、それが『1週間ゲームジャム』だ。月曜日に発表されたお題に沿って日曜までにゲームを制作し、投稿されたゲームは期限である20時になると一斉公開される。1週間という短い開発期間のなかで、実験的であったり斬新であったり、個性豊かなゲームの数々が生み出されきた。中には、とても1週間で制作されたとは思えないハイクオリティな作品も存在している。
去年の4月から始まり、先月末の開催で節目となる10回目を迎えた本イベント。お題はズバリ「10」だ。過去最高の260作品が投稿され(12月1日現在)、その熱気は最高潮に達している。プレイする方だってヤバい!

そんな大量の投稿作品の中から、ゲームジャムのお題にちなんで選りすぐりの10作品を、2回に渡って紹介していこう。

『ジュゲム/ジュゲム』

謎の生物「ジュゲム」を消していくキュートなパズルゲーム。ゲームボーイ風のビジュアルとサウンドが光る。ジュゲムを消していくときの音が気持ちいい。

ルールは至ってシンプルで、制限時間内に画面内でちょうど10体いるジュゲムを選んでクリックするだけ。成功し続ければコンボになり、スコア倍率が上がっていく。最初はぱっと見で一番数の多いジュゲムを選んでいればいいのだが、ある程度進むと10体以上いる奴らが出てくる。「ちょうど10体」を選ばなければいけないので、例えば12体いるジュゲムを選んでしまえば失敗となってしまうので注意が必要だ。加えて、似たような見た目のジュゲムが重なると頭が軽く混乱してくるので、可愛い見た目に反してハイスコアを狙うとなると、なかなか手ごわい内容となっている。

『ジュゲム/ジュゲム』https://unityroom.com/games/jugem10game

『あしたえんそく』

駄菓子屋で遠足のおやつを吟味するあのワクワク感に満ちたゲーム。おこづかいは100円だ。どこかで見たことのあるお菓子がいっぱい。

目移りしそうになる駄菓子屋のラインナップから、好きなお菓子を10個までカゴに放り込んでいく。予算は100円だが、10個までなら予算がオーバーしても買えてしまうので、とりあえず最初は欲望のままに買うのもいい。おばあちゃんをクリックすると会計になり、合計額が100円に近いほどスコアが加算される。また、購入したお菓子の組み合わせで多彩なボーナスも入る。ただ単純にお菓子を選んで買ってるだけで多幸感のあるゲームだ。

『あしたえんそく』https://unityroom.com/games/ensoku

『(T)ENCOUNT』

クリックだけで操作する横スクロール型のアクション+計算ゲーム。難しすぎず簡単すぎない絶妙なバランス。

自キャラをクリックで上昇させ、流れてくる数字を獲得してスコアを稼いでいく。獲得した数字は赤と青のそれぞれでカウントされていき、合計値を10にするとカウントリセット+コンボが発生してスコア倍率が上昇する。しかし合計値が10以上になるとバースト状態となり、HPが大幅に減少してしまう。また、HPは時間でも減少していき、すべて無くなるとゲームオーバー。HPを回復するには数字を獲得するしかないので、じっくりと数字を取捨選択しているわけにもいかないというジレンマが生まれる。シンプルだがハマる。

『(T)ENCOUNT』https://unityroom.com/games/tencount

『未完成機キリタリオン』

未完成の巨大ロボ「キリタリオン」を組み立てて、襲い来る怪獣を打ち倒すゲーム。パイロットは東北三姉妹の「東北きりたん」で、入力文字読み上げソフト「VOICEROID+ 東北きりたん EX」によるゲーム内ボイスも実装されている。

怪獣の接近を感知したが、肝心の巨大ロボは未完成という非常事態。なんとか10秒で組み上げて出撃させようという、現場泣かせの超突貫作業を体験できる。内容的にはドラッグ&ドロップで各パーツを取り付けていくだけだが、接合部にちゃんと近づけなくてはいけないし、一部パーツには取付順序があったりするので、10秒で機体を完成させるのはかなり難しい。もちろん、10秒が経過すると強制的に出撃させられてしまう。なお、エンディングは機体の組み立て状況によって7パターンに分岐するという作り込みようだ。一見10秒で完成させるのは無理に思えるが、ちゃんと効率を考えれば何とかなる調整になっている。ちなみに、「機体を完成させてもパイロットが乗っていなければ意味がない」というアドバイスだけはしておこう。幸運を祈る。

『未完成機キリタリオン』https://unityroom.com/games/kiritalion

『10秒以内に何か食わなきゃ爆死する件』

10秒以内に何か食べないと爆死してしまう呪いをかけられてしまったスイーツ大好き女子が、究極のスイーツを求めて駆け抜けるアクションゲーム。

道端に落ちていたケーキの箱を開けてしまったせいで、封印されてたい魔人を復活させてしまったスイーツ大好き女子の天野トウコ。契約により、魔人が空腹になったら10秒以内に何か食べなければ爆死してしまうことに。ゲーム内容自体は、ジャンプで足場を飛び移っていくオーソドックスなプラットフォーマーだが、その設定通り10秒が経過すると強制的にゲームオーバーになってしまう。10秒以内にステージの最後に用意されたケーキまで辿り着ければクリアだ。チュートリアルを含めれば全10ステージが実装されていて、各ステージの最初にトウコと魔人の軽快な掛け合いが挿入される。イラスト付きで豪華に語られるオープニングも含めて、ゲームジャム作品の傾向としては淡白になりがちなストーリー部分が色濃くフィーチャーされており、それだけでも見ごたえのある一作だ。ただ、ゲーム後半は狭い足場などにより死にゲーの様相を呈してくるので、行き詰ったら甘いものでも食べて落ち着こう。

『10秒以内に何か食わなきゃ爆死する件』https://unityroom.com/games/10eat

今週はここまで。残りのタイトルは、次週の後編で紹介する。お楽しみに!

ココイチでカレー食べます。