ハッタツフェス開催宣言

2017年12月。
僕は34歳で医者から発達障害(ADHD)の診断を受けました。
その瞬間は、これまでの周囲とギャップを感じながらの人生が認められたような安心感。
それと、これからの人生をどうしていけばいいのかという絶望感。
笑いたいような泣きたいような不思議な気持ちでした。

診断を受ける前から確信めいたものがあったので、それほどショックはありませんでした。
それより結果を受けて、今まで信じていた価値観が根底から崩れ落ちたことの方がしんどかったです。

今までは「がんばっていれば、いつかできるようになる」という気持ちがあったから、どんなことでも耐えられました。
これからは「いくらがんばっても、できないことはできない」という事実を受け入れなければならない。
34年間の生き方を全否定されたようなもんでした。

診断を受けてから数日間は何もやる気が起きませんでした。
周りに相談できる人もいなかったし。
でも、あまりにも何もやらないと、このままずっと何もせず生きていくのかと不安になってきました。

「今できることを、やろう」

そこからは34年分の人生をいったんリセットして、ゼロから見直す作業を始めました。
できること、できないこと。
やりたいこと、やりたくないこと。
得意なこと、苦手なこと。

今まで当たり前だと思って生活していた24時間の出来事を、ひとつひとつ今の自分にとってどれほど意味があるものなのか、検証していくんです。
その過程で今まで宝物だと思っていたものがゴミに変わったり、ありえないと思っていたものに救われたり。
毎日が子どもに戻ったような、不思議な感覚でした。

そんなことをひたすら2ヶ月。
仕事以外は人ともほとんど合わず、部屋に引きこもってやっていました。
自分とひたすら向き合い続けて受け入れていく作業。
そうしているうちに落ち込んでいた気持ちにも少しずつ変化が現れ始めました。

「できないことも多いけど、できることもまだまだある」
「好きなことや得意なことなら、むしろめっちゃできる!」

発達障害を特性として捉えることで、自分の特性を活かす方法を考えるようになったんです。
これはかなり大きな発見でした。
アプローチの仕方は変わってしまうけど、自分が目指していたものをあきらめなくてもいいかもしれない可能性が出てきたからです。

「こんな自分だからこそ、やれることがある!」

そう思えてからは早かった。
衝動的な勢いと動きまくる多動性はADHDの代表的な特性です。
SNSを使って考えてることややりたいことを発信しまくり、会いたい人には会いに行ってさらに話す。

なんや、まだまだ人生捨てたもんやないわ。
あいかわらず会社ではポンコツだし、人と会うと緊張するし、ちょっとしたことで落ち込んだりもするけど、幸せになっていいんだ。
できないことはみんなに助けてもらう。
そのかわり自分にできることは全力でやる。
「ごめんなさい」と「ありがとう」
それでエエし、それがエエ。
ひとりじゃない。

だから、決めました。
もし発達障害じゃなかったとしても、人間はひとりでは生きられへんから。
発達障害があろうとなかろうとみんなが笑って生きていける世の中になってほしい。
そのために自分にやれることがあるならなんだってやってやる。
そうやって、こんなポンコツ人間でも幸せになれるなら、めちゃくちゃステキなことやんね。

回り道して結局は最初に戻ってきた。
僕は人が笑うてる顔を見るんが好きや。
それは障害診断受けた後でも変わらず僕の中に残り続けたもの。
嘘偽りのない本当ホンマの気持ち。

前置きが長くなりました。
発達障害診断を受けてから考えまくって、今の僕が本気でできることを見つけました。

それが「ハッタツフェス」

発達障害診断を受けて1番困ったのが、世間に発達障害が理解されてなさすぎるってこと。
たぶん未診断の人も合わせればかなりの数がいらっしゃるはずなのに。
あなたの隣にハッタツさん、普通にいるんですよ。
ただ、いきなり理解してもらおうなんてことは難しいです。
だからまずは僕らみたいな人間がいるんだよってことを知ってもらいたい。
どんなことで悩んだり笑ったりしてるか伝えたい。

でもさ、重苦しい話を真面目くさってされるのもしんどいやんね?
だから、僕は底抜けに明るくやってやります。
それが「ハッタツフェス」
音楽あり、笑いあり、トークあり、アートあり、映像あり、まさにハッタツ脳をブチまけたような、なんでもありのフェスです。

ハッタツさんが生きやすい世界は、誰もが生きやすい世界。
発達障害が当たり前の存在として受け入れられる世の中を目指して。
このフェスの開催を宣言します。
ひとりでも多くの方に届きますように。

2018年2月21日 ハッタツフェス運営代表 六角人


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