見出し画像

【甲状腺乳頭がん】治療のざっくりスケジュール

2023年10月18日に、甲状腺乳頭がんを告知された私。
簡単なプロフィールも含めた、がん告知の初回記事はこちら。

今回の記事では、がんを告知された診察室で提示された、大まかな治療の流れとスケジュールを記録する。

このスケジュールを元に、私がどんなことを考えたか、どんな行動を取ったかを次回以降にしたためたい。

お世話になったのは、神戸にある甲状腺の専門病院「隈病院(くまびょういん)」だ。


命に関わるがんではない

ボイスレコーダーを回したとはいえ、とにかく先生の説明を聞き逃すまいと、平静を保つのに必死だった。

後から聞き直すと、私、めっちゃしっかりしていた。

がん患者本人というより、医療ライターが取材をしているよう。ライターという職業が、平静を保つのにプラスになったように思える。自分をほめてあげたい(笑)。

先生の説明によると

  • 命に関わるものではない

  • 甲状腺のがんのうち、「乳頭がん」という種類で、非常に進行が遅い

  • でも治療はしたほうがいい

  • 治療法は手術。私の腫瘍は大きさが1.9センチあり、2センチを越えると甲状腺を全摘出するが、私は腫瘍のある左半分の切除で済む

  • 甲状腺の半分がなくなるので、術後に甲状腺ホルモンが十分に出せるかどうか様子を見て、足りないようなら補う薬を一生飲む

  • 甲状腺の近くに、声を出すのに関係のある神経(反回神経)があるので、手術でそこに触れ、しばらく声がかすれる場合がある(時間とともにおさまる)

ということだった。

手術は3カ月後

ひとまず、命に関わることはないとのことで安心した。
そして先生が手術の日程について話そうとする。

え、今ここで決めるの?
っていうか、先生が執刀するの?

いま目の前にいる先生が執刀するらしい。もちろん同じ隈病院でも、外科以外の先生が診察し、執刀は外科医というパターンもある。たまたま私に当たった先生は、ご自身が外科医だった。

「手術は、来年の2月か3月か……」

「えっ、今10月なのに、そんなに放っておいて、がんが進行しませんか!?」

私は焦った。

「これくらいの期間なら、ほとんど進行しませんから。もちろん、100%ではないけれど」

そんなもんなんだ……。

そうそう、このブログで「命に関わることはない」とか「ほとんど進行しない」と書くものはすべて「100%、絶対ではない」ことをおことわりしておく。あくまで一般論として、だ。

医療じゃなくても何でもそうなんだけど、センシティブな分野なので念のため。

それでも、ちょっとでも早いほうがいいと思った私は「もう少し何とか早くなりませんか?」とすがってみた。

先生がもう一度スケジュールを確認し、なんとか2024年の1月下旬に手術を入れてもらえることになった。

後から病気についていろいろ勉強したところによると、甲状腺乳頭がんは、発見から手術まで半年待つこともあるらしい。

手術までの来院はあと1回だけ

この日は診察室を出た後、①首のCTと②肺のレントゲン撮影、そして③声の検査があった。

①②は被ばくするため、悪性とわかって初めて検査ということなのだろう。甲状腺がんの場合は肺に転移しているケースがあるので、②が必要となる。

③は、声がかすれるリスクがあるので、手術のビフォーアフターを比べられるように検査する。

診察とこれらの検査で、この日の診察料も8000円くらいだったと思う。日ごろからカツカツライフの私、8000円×2回で地味に痛い。

帰るときに次回の来院予約をしたが、1月の手術までに、来院するのはあと1回だけだという。

そのときが手術前の最終確認の回で、①主治医(今回の外科の先生)、②麻酔科医、③耳鼻科医の3人の診察を受け、看護師や病院スタッフから入院の説明を受けるという。

それが、手術1カ月前の12月中旬。

10月18日にがん告知をされ、次は2ヵ月後まで何もないのだ。
図にするとこんな感じ。なんか拍子抜け……。

医療従事者と患者の差

けっして病院を批判しているのではない。

むしろ隈病院は、病院に何回も足を運ばないといけない一般的な慣習をなるべく避けるため、来院回数が少なくて済むように工夫しているそう。

▼「来院の負担を軽減するため、初診当日に診察~検査~検査結果通知までを行う取り組みを行っております。」

実際、いろいろ調べて知識を得た&実際に手術までこぎつけた今から言えば、3カ月放っておいても何もなかった。

ただ、がんと言われた本人としては人生の一大事。「そんなに空いて大丈夫?」「その間、何もしなくていいの?」と思ってしまう。病院に定期的に通っているほうが安心というか……。

いろんな怖い病気をたくさん見てきた医師や看護師にとっては、甲状腺乳頭がんは優等生というか、比較的安心して見ていいものなのだろう。

その、医療従事者と患者の差をすごく感じた。
まあ、お医者さんが自分の目の前で顔色を変えたり焦り始めたりしたら、もっと困るけどね。

さて、がん告知を受けた私は何を感じたのか、どうしたのか。

*バナー写真=隈病院内のカフェ「ハナとクマ」のランチ(入院食ではありません)

▼続きはこちら

▼前回の記事はこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?