文スト・高知県立文学館トークショー記録

2024年1月7日に高知県立文学館主催で行われた、文豪ストレイドッグスの制作に関わる御三方のトークショーに参加してきました!

録音、録画NGだったのでひたすらペンを走らせて、聞き取れた分だけなんとか書いてみました。読みやすいように意訳している部分もありますので正確無比ではありませんが、楽しく読んで頂けたら嬉しいです。

登壇されたのは文豪ストレイドッグス作者の朝霧カフカ先生、担当編集の加藤浩嗣さん、アニメプロデューサーの倉兼千晶さんです。司会は倉兼千晶さんが担当されていました。

以下、朝霧先生は「先」、担当の加藤さんは「担」、アニメプロデューサーの倉兼さんは「P」で表記し、時系列順に書いていきます。

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P:高知に来て印象に残ったことなどありますか?

先:(愛媛県出身なので)地元に近いから食べ物も似ている感じなのかなあと思っていましたがそうでもなく、特にマイゴ(巻貝・高知を代表する珍味)が美味しかったです。
P:高知県といえばカツオのたたきが有名ですが…。
先:旬じゃなかったので食べられなくて残念でした。
P:カツオの旬は夏らしいので、また夏にみんなで来たいですね。
担:僕の出身は岐阜県なので、魚など海のものが美味しかったです。


P:高知観光をしてからのトークショーですが、どうでしたか?

先:散歩したんですよ。文学館にお邪魔して、高知城を見に行って、市場にも行きました。お城と文学館で僕の前を歩いていた方がそこにいらっしゃるんですよね(席前方を指して)。カバンを覚えていたから…。

P:先生はイチゴを差し入れしてくださったんですよね。
先:イチゴがあって美味しそうって話になったんですけど、誰も財布を出さないので僕が出すのかなって…。大きいイチゴで美味しかったです。
あと、みかんをホテルのモーニングで頂いて美味しかったですね。僕は愛媛出身なので戦になるかと思いました(笑)


P:皆様から送ってもらった応募ハガキを見させて頂きました。メッセージもたくさんあって嬉しかったですね。先生はどうでしたか?

先:ご応募ありがとうございました。頂いたハガキの山がとても分厚くて…。で、一枚ずつめくっていったんですよね、そしたら3枚目くらいで母親の名前があって。ビックリしました。言ってないのに…。今も緊張してます。


P:文学館の展示はどうでしたか?

先:高知ゆかりの文豪を見させて頂いて、キャラクターのイメージが湧きました。寺田寅彦先生の展示があって、それがとても良かったです(理系出身で共通点があるので)。
※高知出身の寺田寅彦は物理学者でありながら多くの随筆を残した文学者でもあった(寺田寅彦記念館HP参考)。量子力学等の研究をされていたとのこと。


P:文学館との文ストコラボで良かったところはありますか?

P:先生と加藤さんに、虫太郎がヨコミゾの首を絞めるシーンの再現をしてもらったんですよ。
※文学館の文ストコラボ展示内に、ヨコミゾが泊まっていた旅館の一室が再現されたブースがありました。

先:どっちがどっちをするか、て話になったんですけど、僕が作家側になりました。
担:原稿が近くにあったからこんな感じかなと思いながらやりました。
P:お二人に追体験してもらいました〜。私は虫クンと自撮りしました、同じポーズで!


P:文豪ストレイドッグスに関しての質問に移ります。先生が作家になったきっかけは何ですか?

先:お話作りをしたいと思ったのが中1〜2頃で、その頃はRPGツクールでゲーム作りにハマっていました。そこから話は読むより書く方が楽しいのでは?と思うようになって、大学生の時から本格的に執筆活動を始めました。色々な作品に触れて、「読まれたい」と思うようになったんですよね。そこからが地獄で…。「読まれるにはどうすればいいか」を探るようになりました。当時はファンタジーものを書いてましたね。


P:加藤さんが朝霧先生、春河先生に声をかけたきっかけと、当時の印象を教えてください。

(朝霧先生について)
担:先輩が仕事中にずっとニコニコ動画を見ていて。その時朝霧先生の投稿動画を見て、動画シナリオに興味を持ったらしく僕に教えてくれました。そこから「原作を作ってみませんか?」とお声かけしたんです。
先生は当時サラリーマンを退職されてすぐの頃だったそうなんですが、前向きなオーラがあって真面目な印象でした。社会人経験があるので、仕事をする上での信頼感もありましたね。
先:前向きなオーラがあったのは仕事を辞めてすぐの頃だったからですね(笑)次の仕事が決まっていなかったので、充電期間としてニコニコ動画で動画を作っていました。

(春河先生について)
担:朝霧先生と話して文ストのイメージが固まった頃、それを描いてくれる漫画家さんを探そうとなったんですよね。それで、仕事中pixivを見ていたら良い絵を描く人がいる!となって。春河先生を発見して声をかけました。春河先生もちょうど仕事を辞めてすぐの頃だったみたいです。


P:両先生も社会人経験があるので、仕事をしやすい印象がありますよね。

先:締め切りを引き延ばした後のリスクを知っているので、締め切りは守る方ですね。それに、武装探偵社は社会人を経験していないと書けない。
新人が申請書を出して上の人に回してサインをもらうこととか、決済確認とか、武装探偵社という会社の話だから社会人じゃないと書けないんです。


P:武装探偵社で同僚になりたくない人は誰ですか?

先:みんな嫌ですけどね〜。他部署だったらいいけど…。
P:敦くんは良いんじゃないですか? 谷崎君も、ヘリ運転できるし…。
先:確かに、敦君は真面目ですね。太宰はダメです。谷崎は何でもできるけどプライベート持ち込むから…。そういう、一緒にやっていて良いところと困ったところがあるから面白いんですけどね。でも国木田が上司だったらイヤだなあ(笑)
P:(国木田が)経理だったら怖そう…(笑)


P:キャラクターの開発秘話について聞いていきます。今回文学館とコラボした乱歩さん、ポオ、虫クンの開発秘話を教えてください。

(乱歩について)
先:乱歩は簡単でした。一瞬で出来ました。
実は文ストのお話作りはちょっと特殊で。最初に「ストーリーよりキャラクターを先に作ってください」と言われていたので、キャラクターから作り始めたんですね。
最初は主人公の組織をマフィアにするかという話も出ていたんですが、探偵社がメインでマフィアと戦う方が面白いとなって。探偵社のメインメンバー5人を考えてと言われて、太宰、国木田、乱歩、谷崎を考えました(※話されませんでしたが恐らく敦も含む5人)。実在する江戸川乱歩のイメージが「探偵」なので、イメージがまとまりやすかったです。
探偵は推理以外の能力を持っていてはいけないんですよ。探偵は必ず推理能力以外はポンコツでないといけない。乱歩は周りの皆を困らせる天真爛漫なイメージ。最初にパッとイメージが浮かびました。乱歩の大まかなイメージは最初から現在のままです。一瞬で全てのイメージが固まったキャラクターですね。

P:異能力集団の中にいるのに異能力を持っていないところが魅力ですよね。

先:乱歩の力は異能力じゃない方がカッコいいと思って決めました。もうこれは異能力だろと思いながら書いてるフシはありますけど…(笑)

(ポオについて)
先:組合戦の話を考える中で、乱歩のライバルとなり、乱歩が苦戦するキャラクターを作ろうと思いました。そのためには「反・乱歩」であるキャラで、乱歩の上をいってもらわねばと考えて…エドガー・アラン・ポオにしようと決めました。
そこからキャラ同士の掛け合いが美しくなるキャラにしようと考えていきました。乱歩とポオはいじめっ子といじめられっ子のイメージですね。
ちなみに実在するポオはアライグマを飼っていないんですけど、ポオをモデルにした映画ではポオがカールという名前のアライグマを飼っていたんですね。作中のカールはそこから取り入れました。

P:アメリカに行った時(※恐らく2023年のアニメエキスポ)、ポオの人気が凄かったんですよね。プロモーションビデオで乱歩の後ろにいたポオを見て悲鳴が上がっていました。


(虫太郎について)
先:虫クンは京極夏彦先生のアドバイスを受けて出来ました。外伝小説(綾辻vs京極)のトークショー後お食事に行ったんですけど、キャラの話になった時京極先生に「小栗虫太郎はどう?」と言われて。
虫太郎というキャラクターは作品からインスピレーションを受けました。黒死館殺人事件とか実際わけわかんないんですよね(笑)虫クンの台詞は実在する作品の台詞から持ってきているものもあります。(実在する作品は)難しくてわかりにくいんですが、空気感がしっかりしていてカッコいい。
(虫太郎は)ちょっと衒学的なんですよね。学問には詳しいけど人間的にはヘナチョコ。それでいて、乱歩を苦しめるイメージで…と考えたらイメージが湧いてきました。虫クンのキャラデザはほとんど僕がしています。
僕はキャラクターを考える際、はじめにキャッチコピーを考えるんですが、虫クンのキャッチコピーは「不景気な葬儀屋」です。人をじーっと見つめて、コイツ死なねえかな…と思ってるような(笑)スーツをピシーッと着ていて中身は根性悪いみたいな(笑)今や愛着のあるキャラになって嬉しく思います。また出したいですね。


P:作家と編集の関係性についてですが、文ストを作る上で、お二人はどんな関係なのでしょうか?

担:朝霧先生は論理的に物語を作る方なので、物語のラインが明確にあるんですよね。なのであまり注文をつけたことはないです。疑問や分かりづらさの訂正を伝えることはあります。「キャラクターが誰かを殴った時の殴り方が違う」とかはありますけど、全ボツの経験はないですね。

先:全ボツありましたよ!幻の第5話!1巻のラストで太宰が元ポートマフィアだと明かされた後の2巻最初の話なんですが、探偵社で落ち込む敦の元に芥川が攻めて来て…。最後に太宰が川を流れながら「君に私は殺せない」って言って終わる話。

担:そうだった。「2巻の頭が続きっぽい話はリスキーだから、一話完結にしよう」ってことでボツにしたんでしたね。

先:でも確かにその通りで。加藤さんのアドバイスがいちばん信用できるんですよね。


P:(加藤さんと)春河先生とはどんな関係ですか?

担:朝霧先生の修正を僕がして35先生にお渡ししている、という感じです。担当は調整するのが仕事なので。ないとは思いますけど、もし朝霧先生と35先生が喧嘩したら止めるのが僕の役割です。文ストに関しては良いチームワークで出来ていると思っています。朝霧先生と35先生の間に僕が入っている、という関係ですね。


P:原作としてズラせない文ストの軸はなんですか? 文ストらしさとは?

先:「ダサいことをやらない」です。ダサいシーンは削る。後はなんだろう…漫画にこだわっていないことですかね。漫画でもアニメでも小説でも、どんなメディアでも「面白くする」を目指したいし、目指して欲しいと思っています。後はキャラが変わってはいけないということ。例えば、太宰が最初から関わっている事件がズルズルになってはいけないし、乱歩が出てきたら事件は解決しないといけないから、如何にしてはじめに出張させておくかとか。
デッドアップルで飛行機から飛び降りる中也の台詞は僕が考えたんです。「ここで中也がカッコいいことを言います。考えてください」と書いてあって。それでああなりました。


P:1月、7月とアニメを放送して、色々ありました。アニメの最新話は原作の先をいきましたし…お二人とも製作現場にずっと顔を出してくださいましたが、どうでしたか?

先:あのラストは問題視していません。僕はネームをきってアニメ制作陣に渡す、といういつもと同じことをしただけなので。渡す先が変わっただけで、やる作業は変わってません。アニメチームは原作を大切にしてくれているから不安はなかったです。面白かったです。

担:アニメと原作が同時に終わるとかはありますけど、追い抜くことはあんまりないですもんね。監督には「本当にいいの?」とずっと聞かれてました。原作チームは3人ともOKで。ネームから絵に落としてもらう時、アニメが先行すると35先生的には色々と大変だったみたいです。
ファンの皆さんに驚いてもらえたら嬉しいと思ってやりました。アニメチームとの信頼もあって出来たことだと思います。


P:皆さん61話どうでしたか?楽しめました!?
(会場中拍手)
P:ありがとうございます! 先生方は年末に脚本の榎戸さん、監督の五十嵐さんとルパンに行かれたんですよね。

先:はい。世間話とか色々な話をしたんですが…61話の話ですね、第4シーズンで設立秘話を頭に持ってきたことの意味が際立ったというか、設立秘話があったからこそ61話が出来たとか、そういう話もしました。


P:アニメスタッフさんの印象を教えてください。

先:榎戸さんと五十嵐監督とは仲が良いですよ、もうお友達みたいになってる。監督、本読み後はいつも家まで送ってくれるんですよね。途中でファミレスに寄って何時間も喋ってたりします。お二人ともアニメ特有の仕事に関して何でも知っているので頼り甲斐があります。
監督は天才肌で、脚本の榎戸さんは自分と近い計算タイプですね。流行りとか、このキャラに人気が出ればこの期はいける、とか。脚本は監督が楽しく仕事をしていくための仕事だと仰っていました。

担:五十嵐監督も榎戸さんもキャリアが長いので懐が深いですよね。アニメの制作が決まって初めて顔合わせした時、朝霧先生がいきなりホワイトボードに「文豪ストレイドッグスはこういう作品です」って書き始めたんですけど。この人となら一緒に仕事ができるなって思ったって言ってました。二人ともこちらの要望を飲み込んでくれるんですよね。


P:乱歩について、設立秘話、黒の時代、アニメ第4~5シーズンと、視聴者は乱歩の成長を知れました。以前先生は「乱歩は小6くらいで精神年齢が止まっている」と言われていたそうですが、第4~5シーズンの乱歩はもっと成長しているように見えました。どう考えられていますか?

先:乱歩には大きな成長のきっかけが二つあって。一つ目は設立秘話で、社長に出会い、社長に教えられたことですね。
設立秘話でのいわゆる「イカす」シーンって、乱歩が『自分は天才で、周りの人間はそうではない』と気付く瞬間だと思うんですよね。世間は赤ん坊で、ならば守ってやらなくては、と。自分の才能に気付いて世間との関わり合いが変わっていくところがポイントです。
もう一つは虫太郎との闘いです。虫太郎は「探偵殺し」の異能を持っていて、探偵である乱歩は勝てないんです。乱歩は、自分は異能力者ではないので虫太郎には勝てない、でも打ち勝たなければならないと思ってる。なぜかというと「周りの皆が僕のことを天才だと思っている」から。乱歩が自分の劣っている部分に光を当てたことが成長のきっかけとなりました。ここは第5シーズンの乱歩とも繋がっています。


P:61話では「福沢さん」と「社長」と、乱歩さんの福沢さんへの呼び方に違いがありますが…

先:乱歩は会社に所属したことで自分の居場所を知りました。福沢さんを「社長」と役職名で呼ぶようになったのはそこからです。

P:61話での「福沢さん」呼びは良かったですよね。今の乱歩さんが「福沢さん」と呼ぶなんて早々ないだろうと他アニメスタッフからも言われていましたが、どうしてこのような演出を?

先:理由は二つあります。一つ目は、乱歩のエモーショナルな面。もうひとつはビジネス的な面です。演出上、かっこいいことを言わせたいというか。乱歩にとって、福沢さんは自分を作り上げた人。どう呼び変えるかというのがポイントでした。


P:福地と乱歩の関係について教えてください。

先:乱歩と福地はお互いのことを「おじさん」「小僧」と呼び合っていますが、乱歩は福地のことを「おじさん」とは思っていないんですね。これは例えで、語弊があるのですが…乱歩は福地のことを「恋敵」だとか「ライバル」という風に思っています。福地と福沢の関係に乱歩は入ることができませんからね。福地の方はそんな気持ちはないですが。


P:乱歩とポオ、乱歩と虫太郎の関係について教えてください。

先:乱歩とポオについては、意地悪な言い方すると、見て頂いて感じたことをそのまま受け取っていて欲しいんですよね。ポオから見た乱歩は、「ライバルであり、意識する相手」「友人」。乱歩の方は…。乱歩はよくポオの家にも入り浸ってますよね。ポオの家は自分の家、みたいな感じで思ってます。「今から行くよ」とかは言わないですね。いきなりピンポーンって。

先:乱歩と虫太郎は、例えば乱歩がいきなり虫クンの家に来ようものなら「4日以上空けて予約取ってこい!」と言いそうですけど、その間に乱歩は部屋に上がり込んでる(笑)
虫太郎は乱歩の天敵なので、ちょっと距離はあるんですけど、自分と異なる能力がある「認めた」相手ですね。


P:乱歩が探偵社の中で仲が良いというか、話しやすいと思っている相手は誰ですか?

先:乱歩が話しにくいと思う相手は探偵社にはいないでしょう。全員が乱歩のベビーシッターですから。話しにくいとか、頼みにくいとか思う人はいませんね。用がある時は基本そこにいる人に頼みます。


P:乱歩さんと関わりのある人物としては、第5シーズンで絡みの多かった箕浦さんもいますが。箕浦さんについて何かありますか?

先:箕浦は、江戸川乱歩の小説内に箕浦っているんですよね。そこから持ってきました。元々は乱歩を認めない警察のポジションでした。真面目でキャラが立ってて印象に残るオジサン、というイメージ。今は信頼されている刑事になっていると思いますね。


≪参加者からの質問コーナー≫
※高知おすすめのお土産があれば教えてください、との質問には「かんざし」「いもけんぴ」「ミレーのビスケット」「ごっくん馬路村」などがありました。

Q:乱歩さんはどこに住んでいるんですか?

先:一人暮らしです。社長と一緒に暮らしていると思っている方が多いようなのですが、社長が乱歩と暮らしたらつぶれます(笑) 一人暮らしの乱歩の家には時々社員がきて、掃除したりご飯を作ってくれたりしています。社長とは別に暮らしていますよ、一応彼も社会人なので。
P:掃除とかは誰が来てくれているんですか? 国木田さんとか、谷崎さんとか? 太宰さんも…?
先:太宰は行ってと言われても行かないでしょう(笑) 事務員さんが週3くらいで来てくれています。
P:事務員さんにお手当が欲しいですね(笑)


Q:キャラクターの異能力名はどうやって決めていますか?

先:キャラクターのキャッチコピーを考えるところから入ります。例えば、太宰なら「自殺マニア」、国木田は「メモ魔」、谷崎は「エロい」。敦は「ヘタレ主人公」、フィッツジェラルドは「成金」とか。キャッチコピーは何日もずーーーっと考えて決めます。そこからキャラクターの全体構造が浮かんでくるんですが…そのキャラは、捨てます! なぜかというと、必ずどこかで見たことのあるキャラクターになっているから。2番目に浮かんだキャラクターを採用して、そこに能力名を当てていきます。聞いた時に能力のイメージが膨らむような名前にしています。
しかし1キャラクターだけ例外があって。綾辻先生のキャラクターですね。「人が死ぬ能力にしてください」って向こうの指定で。「えっ!?」てなりましたね(笑) 綾辻先生の異能力を考えるのは大変でした。


Q:(担当の加藤さんへの質問で)先生とタッグを組んでいますが、先生の好きなところと直して欲しいところを教えてください。

担:先生のことは大好きです。創作に対して真摯で前向き。あと、社会人経験があるので仕事がしやすくてありがたいですね。直して欲しいところは…少し遅刻するところくらいですね、それぐらい。
先:加藤さんも遅刻しますよ!!(笑)
担:まあ、お互いね(笑) ほんと、そのくらいです。一緒に仕事が出来て光栄です。

P:では、先生から加藤さんに思うことは?

先:全て好きです。作家が大成するには、一に才能、二にタイミング、三にアタリ編集、と言われているんですけど。加藤さんはまさにこれ(アタリ編集)です。僕と35先生の司令塔になってくれているんですよね。あとネーム直しができるところがすごいと思っています。


Q:中原中也が所属していた「羊」はどこからとってきたのでしょうか? 実在する中原中也の詩集に「山羊の歌」がありますが、それなら「羊」ではなく「山羊」になるのでは?

先:アニメ2期のラヴクラフト戦あたりで描かれた太宰と中也の版権イラストを見た時に、二人の関係が「羊飼い」と「牧羊犬」みたいだと思ったんですよね。中也が太宰に「お前の犬じゃない」って言う台詞もあるんですけど。迷える子羊を導く牧羊犬として中也を、そして最初は中也も迷える子羊だったのでは、という意味も込めての「羊」です。あと「羊」って神聖なイメージもありますよね。脚本の榎戸さんに羊水の意味もあるのかって言われましたけど、それは言われて初めて気付きました(笑)

担:「山羊の歌」の詩集の中に「羊の歌」って作品もあるんですよね。


Q:作業の修羅場の時、先生方はどんな眠気対策をしていますか?

先:ストーリーを考える人は寝ないとどうにもならないので、寝ます。
担:校了前はコーヒー飲んで、音楽聞いて身体動かして…って感じです。
P:短時間だけ寝ます。移動の10分とか、5分とか。


Q:仮眠からすぐ起きるには?

先:仮眠からすぐ起きるコツ…? ないです!
担:僕はもはや歳のせいで眠れないですね。起きちゃう。逆にうらやましい(笑)
P:オススメしないんですけど、床で寝ます。あとスマホのアラームを枕にして寝てます。35先生も床で寝るって言われてましたね~。でも体が資本なんで、本当にオススメしません(笑)皆さん身体を大事にしてくださいね!


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以上です!

抽選会は先生がくじを引いてくださって、そこでもまたお母さまの話をされていました。御三方とも軽快なトークをしてくださって、メモは大変でしたがとても貴重なお話が聞けたと思います。
高知県立文学館の展示も面白かったです!文学館コラボはちょこちょこやっていますが、トークショーはあまりない機会だったらしく。またどこかでやってほしいですね!

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