「ラナウェイベイベ」を見た


劇団木霊さんの「ラナウェイベイベ」を見ました。
以下、感想です。

良かったところ
・アナウンスの時点で世界観が出ていて良い。
・電話で修理屋について説明するの上手い
・ダンス場転かっこいい 全体的に場転が美しく、視線誘導も自然だった。
・「真っ赤だった」の一瞬のピンク色のピンスポ、怖くてかっこいい
・ハピバの明滅怖い 手術室のライトみもある
・アレルギー忘れてた描写...ともすれば娘であることを忘れられているあの家で、娘として振る舞うしかない主人公...
・ババアと黄色は伏線???でもそうしたら夢の世界が「実在する」ことになるからただの言葉遊び?
・主人公、途中まで竹馬乗りの方かと思ってたけど、過去回想あたりで「ベニヤの方か!」と気づいた
・耳は「顔を思い出したくないほど憎い、育ての父の女」なのかも? だからマグロよりも意思のない被食者として夢に出てくる

・不健全家族の話かな?と思った。家族という囲いの中ではどんな理不尽もあって、家にいる限り「良き娘」としての振る舞いを強いられる。おそらくその囲いを抜けても、家族であるという事実(穴)はずっとついてくる。逃げたり変えたりすることにはパワーが必要で、そしてそのためには自分で動くしかない(島の外から来た竹馬乗りも力にならない)
・「駆け落ちとかできないかなぁ」が「私が産んで、家族を作ればいいのか?」に繋がる、不幸の再生産みを感じるセリフで良いなと思った 言うこと変わるけど、家族と言うより「母」の役割の話なのか…?夢にはほぼ女しか出てこないし
・(後日追記)穴が肉体的な欠け(女性器、一生ついてくる)なのか、精神的な欠け(不健全家族によって埋まらなくなった穴、自分で変えない限りついてくる)なのか 前者だとしたらより救いがない
・マグロ解体ショーのシーンは、「変化には痛みを伴う」って暗示かな そしてそれを主人公は直視できない
・妹と一番仲が悪かった頃(私8、妹4ぐらい)妹の首をハサミで切り落とす夢を見たことがある。本当に怖くて誰にも話せなかったし、「殺したいほど嫌いなわけじゃないのに」って自己嫌悪がすごかった。主人公も妹が嫌いだけど嫌いになりきれなくて、殺すけど殺したくない、そんな夢を見るのかも


惜しかったなと思ったところ
※個人の感想です!


・竹馬乗り、叔父に確執を持っている?(家族に確執あるのは主人公と同じ)ぽかったけど、そこまで話には関わってこなかった(共感とかに繋がるわけではなかった)
・現実に巻き込まれ、夢に巻き込まれ、主人公も第2の主人公である竹馬乗りも徹底的に受け身で、どうなっちゃうの!?(ワクワク)よりもどうなっちゃうの…?(ハラハラ)が強くてちょっと疲れた
・マグロ解体ショーが不必要に暴力的すぎる気はした。あげた通り演出上の意味はあると思うので、これは個人的な好み。美味いチャーハンを作ろうとして仕上げにコショウ1瓶かけてしまったような、ともすれば感想が「コショウが強かった」に上書きされてしまいそうな気がした


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