本当に伝えないといけない事とは。

少年サッカーの指導を始めて数ヶ月が過ぎた。
子供もスタッフも親御さんも、皆が良い雰囲気の中活動している。
僕達スタッフも自分達の経験値を子供達に還元しようと
色んな事を取り組めてる。そんな中で、初心者が多数いる我がチームは
全学年共通して「止める・蹴る」の徹底。高学年はファーストタッチのこだわり。
などの「止める・蹴る」でも様々な要素を重点的に伝えてきた。
動き方や戦術など、大事な要素も少しずつ伝えてきた。
環境の良さもあるのか、子供達は本当に素直に受け止めてくれる。
伝えたい事は子供達で解釈をし理解してくれる。
分からなければ聞いてくる。今のこのメンバーや環境には
本当に感謝でしかない。
ただ、伝える って部分は非常に難しいと思った。例えば、サッカー用語として
トラップする。と言う言葉がある。僕達経験者からすれば、当たり前に
理解出来る。逆に始めたばかりの子はどうだろうか?
ファーストタッチで前に運ぶ。この言葉も経験者なら理解出来るだろう。
でも、始めたばかりの子はどうだろうか?
指導者として伝える側に立った以上、言葉を選ぶのは難しい。
まして僕はサッカーIQは多少なりともあるとしても、
基礎学力はさほどない人間だ。毎回の練習で言葉選びに
悩まされる。トレーニングメニューを考えることは得意だが
言葉を選んで伝えるのはまだ慣れない。
でも、先日試合がありこんなことがあった。
試合は前半から負けていた。原因としては声の少なさと
一つ一つのプレーに対して、チャレンジする事が少なかったから。
我がチームは、勝ち負けにこだわっていない。
公式戦は別として、トレーニングマッチはあくまでも、
練習の成果を発揮させる練習の場。として子供達に伝えている。
そのかいもあって、子供達はここぞとばかりにトレーニングの成果を
出そうと率先してチャレンジする。
本当に素直で良い子達ばかりだ。
でも、この試合ではその部分が明らかに欠けていた。
前半からベンチで僕は、いかにどう伝えるべきかを考えていた。
良い言葉は何か。分かりやすい言葉は何か。どうしたら思いが届くか。
色々考えた。ただ、ふとこうも思った。
「綺麗な言葉を並べてもそれは届くのか?」と。
まして子供は素直で敏感だ。変にこちらが意識するとすぐ気づくだろう。
そんなこともあり僕は、その時の感じた事を子供と同じように
素直に伝えてみた。
まず僕が思った事は、
・チャレンジして欲しいこと。
・声を出して欲しいこと。
このふたつだった。
そんな中で、このふたつを伝えようとした時に
言葉がスラスラと出てきた。
それは、「やらなかった」と「やれなかった」は
全然違うことだよ。と。
やらなかった。となれば、最初から否定的になる。
やれなかった。ならば、やろうとしたけど、何かしらの理由で
行うことができなかった。と僕は思う。
後者は1歩踏み出す勇気を既に持っている。
僕はチャレンジしなかったとしても、後者であって欲しいと思って
皆に言葉をかけた。
チャレンジしようとする1歩をまずは掴んで欲しいなと。
・チャレンジしなかった。より、チャレンジ出来なかった。
・声を出さなかった。より、声を出せなかった。
結果としてはどちらも実践できてないのは同じだ。
それでも、後者はその言葉の前に理由が付いてくるはずだ。
○○だったからチャレンジ出来なかった。
理由があるということは、考えた結果であるし何か思うことがあったからだと
僕は思っている。
でもそれは言い訳だよね?と思うかもしれない。
それでも僕は、自分自身で考えて言葉にすることに、意味があると思う。
今の時代、なかなか自分の意思を伝える事は難しいとおもう。
周りに合わせ、周りと同じように、それも大事だけど
己の意思を表現することの方がよっぽど大事。
今伝えるべきことは技術などよりもまずは子供の純粋な気持ちを
最大限に発揮出来るような環境を作って、
答えではなくあくまでもヒントを伝えて考えさせることかなと
僕なりに思った。
伝える は難しい。
それでも僕は伝えたい。

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