大泉製作所と競合2社を比較してみた!!

温度センサーを展開している大泉製作所(6618)だが、日足チャートをみると高値の1200円後半から下がっており、今が押し目買いのチャンスなのか、はたまた損切りしようか迷っている方向けに競合2社と簡単に比較してみます。 ↓大泉製作所 日足チャート

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競合はSEMITEC(6626)と芝浦電子(6957)である。

芝浦電子が温度センサートップだが、3社とも若干特色のようなものがあるので簡単に説明していく。

-各社製品構成

大泉製作所

大泉の製品構成はとってもシンプルで自動車と空調である。

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SEMITEC

SEMITECは大泉と比べ偏りがなく、体温計や血糖値測定器などの医療向けなども多い。OA機器はコピー機など。住設、家電はIHコンロや給湯器、冷蔵庫など様々。

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芝浦電子

芝浦電子はSEMITECと大泉を足して2で割ったような構成である。

SEMITECと同じく家電、OA、住宅設備も手がかげているが自動車と空調で半分以上の割合を占めている。

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-バリュエーション比較


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大泉はかなり小型である。そして営業利益率が低い。2023年の中期経営計画でも営業利益率8%を目標に掲げていて他2社と比べ利益率が悪いのである。

なぜ利益率が低いかというと粗利率が低いのである。

SEMITEC 39% 芝浦電子 24% 大泉18%

SEMITECの粗利が優秀すぎる面はあるが大泉は売上が小さくで販管費の割合が大きくなるため、多少不利な面はあるがもう少し原価の改善余地がありそうに思う。

何故原価が高いかと調べていたが、これといったデータはなかった。ただ上の比較で大泉になくて他2社にあるのは自動車、空調以外の分野である。自動車と空調向けが利益率が低く、SEMITECと芝浦が手掛けている家電や医療、OAなどの分野の利益率が高いという可能性はある。

また、ログミーファイナンスでこんな文言をみつけた。

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アッセンブリーとは組み立ての意味だが、すなわち顧客の仕様に細かく対応していて(良いことではあると思うが)コストが増加しているというふうに捉えることができるかもしれない。競合との強みがアッセンブリーだけというのは少し寂しい印象だ。

-最後に

大泉製作所は下期投資期間ということで利益が少なく見えている。よって大した投資がなかった上期実績を2倍して通期のEPSを補正するとPER15.1倍と競合2社と変わらない数字になった。それでも利益率は低い。(他2社は大きな投資はなそうなのでそのまま)

また、大泉は特に自動車向けに偏った製品が多いため、自動車の生産、販売台数を注視しておく必要がある。実際2Q決算が1Qより鈍化したのはトヨタなどの減産の影響を受けたと記載がある。

現在の株価水準が不当に安いというわけでもなく、おおよそ身の丈にあった評価だと思われる。

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