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情報は失われるのか

この記事に書かれたことは物理の専門家でもない私が可成り空想や情報を自分の都合の良い方法で書いたことを前提に読まれることを願います。先ずNoteでたびたび書いてきたエントロピーから始まります。

物理エントロピーとは、もともと熱力学の第二法則のことです。「物質とエネルギーはひとつの方向のみに、使用可能なものから使用不可能なものへ、あるいは利用可能なものから利用不可能なものへ、秩序化されたものから無秩序化されたものへと変化するを表す概念です。言葉を変えれば、物質やエネルギーの使用不可能な程度を示す概念と言ったらよいのだろう。

行く川の流れは元の水ではなく、位置にエネルギーを消費した水は再び流れることはないのです。

「エントロピー増大という物理学の第二法則は、ものごとは人がそれを防がない限り自然に混乱状態へと近づいていく傾向を持っていることなのだ。

生物のエントロピー最大という状態が私たち生きるものの死である。

生きるということは、周囲の環境から負エントロピーを絶えず取り入れることであり、私たちが生きる上でつくり出すエントロピーを外へ棄てることでもある。

生命システムは、食べ物という栄養価やカロリーが高くかつ物理エントロピー低い物質を食べて、排泄という行為により高くなった物理エントロピーを低く保ち生存していることなのだ。

次に話題は宇宙に飛びます。宇宙にはブラックホールという不思議なものがある。巨大な恒星が燃焼し尽くしその内部へ全てのものを吞み込み、光さへも脱出できないほどの重力を持ったものです。

星が重力崩壊した非常に重い天体で強い重力で引き付けるため、光ですら出てくることができなくなり、それが形成される過程で、情報は外から見えなくなります。

物理学では、そのような「見えなくなった情報」の量をこれまたエントロピー と呼ぶのだそうです。物と情報とは同義であるから例えればブラッックホールに落ちたものはいかなるものか、どのようなうな状態になっているかが分らないということなのだろう。

ブラックホールにも「ここまでならまだ引き返せる」、「これ以上進むと光でさえも抜け出すことはできない」という境界がある。この境界線を「事象の地平線」という。事象の地平線はわれわれの宇宙から物質(情報)を隠してしまうベールのようなもので、ブラックホールの実質の地表にあたり、「事象の地平面」とも呼ばれる。

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何かがブラックホールに落ち込むと、事象の地平面の面積がその情報量の分だけ広がることが発見された。ブラックホールのエントロピーは、事象の地平面の面積に比例するのだ。

ある空間領域のエントロピー(情報量)は,領域の体積ではなく表面積によって決まるというこの驚くべき発見は「究極理論」を目指す研究のカギになった。

何かあるものが、ブラックホールに飲み込まれたとすれば、あるものとは、それが持つ情報と置き換えられるから地平面の地表が増大することは即ちエントロピーが地表の地平面に保存されたことに他ならない。ブラックホールには、エントロピーがあることから、熱力学と類似した性質があり、これをブラックホールの熱力学と呼ぶのだそうだ。

ブラックホール自体、熱力学が働く場であるから、電磁波(=光)を放射する(ホーキング輻射)。

物質がブラックホールに落ち込んで消え去るとエントロピー(情報)も永久に失われ,熱力学の第二法則が破れてしまうように見えるが「ブラックホールは事象の地平面の面積に比例したエントロピーを持つ」と1972年に提唱され、さらに一般化すると,ブラックホールの全エントロピーとブラックホール外にあるエントロピーの総和は決して減少しないことが分かった。これが「一般化第二法則」だ。

この考え方を発展させると,ホログラフィック原理にたどり着く。「ブラックホールを取り囲む2次元の『事象の地平面』に残された情報が、内部の3次元の物質を作り出している」=「『事象の地平面』に書きこまれた2次元のプログラムで、3次元の物質がホログラムのように投影されている」ということだ。ブラックホールの内部がホログラムなのであれば、宇宙そのものもホログラムではないだろうかと考える学者が増えてきた。

ブラックホールがホーキング放射で蒸発するものだとして、放射される粒子群には、かつて失われた情報(エントロピー)が含まれ、それを投影すると考えてよいものか私にはわからないが、我々の臓器、形態、位置、目に見える物、手に触れる物全てそれらはいったい何だというのだろうか。

「自分自身が見たり感じたりするものが宇宙のすべてであり、それ以外のものは実は存在しない」という考えにつながるのだ。

例えば、コンピュータゲームの画面にすべてが映し出されているわけではない。ユーザーが見たい場面だけがコンピュータ画面上に映し出され、残りの画面は情報としてハードディスクの中に隠れている。

自分が見たときだけ「現実」になるというのは、彼のスリット実験で明らかになったように、素粒子の世界の「観測した時だけ実体として存在する」という原則を考えれば、自然なことなのかもしれない。

それらは我々の情報の投影にすぎないならば真の情報とは、空間の表面積に保存されるものであり、我々という存在は、表面の情報より内部に映し出されたホログラム映像のようなもの。
というような考え方というか、理論が、『ホログラフィック原理』である。

「宇宙全体が、二次元平面に保存された情報の投影である」と考えるホログラフィック原理も、この理論から導き出されたものである。

つまり、わかりやすく言えば、わたしたちのいるこの世界全体が、巨大なブラックホールの内部にあるとみなすことができるということになる。

この現実世界にあるモノ・コトのすべては、ブラックホールの二次元平面に書き込まれたデータの投影にすぎないという結論になります。通常の物質のエントロピーもまたその体積ではなく表面に比例し体積自体は幻影であり、宇宙はその境界表面に"刻まれた"情報に同型なホログラムである。しかも、さらに驚くのは、この世をアナログではなくデジタルでできていると見なしていることだ。

コンピュータが0/1の二進法で情報を記録するように、世界のモノ・コトのすべては0/1のデータで、空間領域の外側にある球面上にコーディングされているというのです。この理論は、三次元映像を二次元のフィルムに記録する「ホログラム」に似ていることから、「ホログラフィック理論」と呼ばれています。

ホログラムというと、スターウォーズなどのSF映画でよく登場する空間に浮かぶ立体映像と想像すれば、この世はどこかの二次元平面に記録された疑似三次元の投影に過ぎないことになりバーチャルリアリティーそのものとなる。

神のようなデザイナーが強大なコンピュータを使い、各個人の脳の量子状態をシミュレーション内で再創造した世界が私の世界としたら頭がさらに混乱する。これこそ科学と哲学の間の問題なのだろう。


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