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鳥と木

アベマキまで

木は散歩の宛てであり、ともだちです。思い思いに立って、それを巡るのはこちら。この星の同じ生物でいながら、あちらは植物、こちらは動物。

一番散歩したコースというと、やはり長年住んだ金沢の犀川河原。キョウチクトウの家を出て、宛ては優しい樹形のタチヤナギでした。道中にスズカケ、トチ、エノキ、ポプラ、ニセアカシア、キリ、ハンノキなどを見ます。川向うの高台に立派なケヤキが一本ありました。

今は川のない町に住んでいて、幾つかコースがある内、北の里山へ向かうのが最も多いでしょうか。山麓に神社が鎮座して、参道の坂を登り切ったところにアベマキの大木が立っています。ここからすぐ脇に入れば、タイサンボクの巨木がある空屋敷、さらには斜面の桜林、三ツ池へと出ます。神社の前をよぎればキリに至り、奥へ進めば山の中の池、畔に春先には眼の潤む美しいケヤキがあります。神社の境内にはツバキの古木。裏山を巡る遊歩道も整備され、元気な頃は山頂まで登ったものです。
まずはアベマキまで。そこからはその日の気分で足任せ。



鳥と木

アベマキの大木にツグミの小群。
いつの間にかレンジャクに入れ替わり、
また知らぬ間にツグミに戻っていた。

不思議な仮面舞踏会の小鳥たち。
ヒレンジャクの中に、キレンジャクも1羽確認。

          ――2010.4.2(ブログ)



一度、レンジャクを休めたことがあるだけで、鳥好きにはこの木は花形です。見晴らしがいいので、ツグミもお気に入り。エナガは賑やかに枝移りしていきます。
鳥に好かれる木だからこそ、歌おうじゃないか、と「木霊日」の提案をし、アオジもそれに応えてくれたのでしょう。



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