LUXURY 2023年10月号 テミンインタビュー 日本語訳

"THE IDENTITY"

一段と成熟したテミンが、Cartier "TANK AMÉRICAINE"の時計を身につけカメラの前に立った。シャッターが切られる瞬間、改めて気がついた。彼は、15年前も、今も、変わらぬ深い目をしているということに。


LUXURY(以下L):今日は、CartierのTANK AMÉRICAINEの時計と一緒に撮影したのですが、テミンが生まれながらに持つ感じととてもよく似合っていて驚きました。 普段からTANKの時計をよく着用していると聞いています。
TAEMIN(以下T):カルティエは個人的に本当に好きなブランドです。 僕の手首は他の人より細い方なのですが、Cartierの時計はとても安定してピタッと巻けます。人間それぞれが持っている本来の雰囲気やフィーリングがありますよね。 男女関係なく着けられるという点でも、僕という人間に合っていると思い、よく着用しています。 TANK AMÉRICAINEの時計は今回の撮影で初めて会いましたが、微妙な違いですが、繊細でシャープな感性が感じられて気に入っています。

L:やっぱり!TANKの持つアイデンティティが維持されながらも洗練されたAMÉRICAINEのスタイルが込められたデザインを見て、(テミンとTANKは)よく似ているなと思いました。テミンという人は一途ですが、画面やステージでのアーティストとしてのテミンはカメレオンのように変身しますよね。 少し矛盾するようですが、一途さを保ちながら変化を受け入れる自分なりの方法はありますか?
T:デビュー当時は、素直な姿を見せることは簡単ではありませんでした。時間が経つにつれて、もっと自然な自分の姿をお見せしてもいいんじゃないかなと思うようになりました。 その姿を、ありがたいことにファンの方たちが気に入ってくださって。僕が、それでも愛される価値のある良い人間なんだと思えて安心します(笑)無理に着飾らないからこそ、一途でいられるんじゃないでしょうか。仕事をするときは、もっと新しいことに挑戦しようと思っています。 でも、個人的には絶対に越えない僕なりの線もあるんです。

L:基準がしっかりしているんですね。 ギャップの調整はどのようにしていますか?
T:僕は好きなことをやりつつ、それを持って大衆を説得する仕事をしているので、人々の共感がとても重要なんです。 ある意味、先ほどお話した線は、大衆が共感できる領域で作られているんです。 結局はほんの一歩の違いで分かれてしまうようなものの中を泳いでいる気分です。 ですので、一緒に働くスタッフとの呼吸が大事です。 思い切って全て試してみて、スタッフと相談し徐々に減らしていきながら一定のトーンを合わせていきます。 まずはやってみることが大事ですね。

L:2023年の折り返し地点を回ってもう秋です。 今までどのような時間を過ごしてきたと思いますか?
T:今年は自己管理を頑張りました。 体も心も全部です。 以前は、仕事と、仕事が終わった後の生活を切り離して考えていました。なので、仕事の後の生活だけが自分の生活で、そこからがようやく休息という感じだったんです。 そういった考えが覆りました。毎瞬間を楽しもうという気持ちになりました。 結局、毎日一緒にいる人たちはみんな気楽で仲がいいんですよね。 以前よりもっと活発になりました。 元々は、みんな認めるほど内向的な性格だったので。

L:6月にSHINee完全体でカムバックしてから今まで休むことなく走っています。 体力的に疲れたりしませんか?
T:自信を持って言えます。 今が一番コンディションがいいです。 最近、毎日1時間ずつ有酸素運動をやっていますが、面白いことに、以前やっていた振り付けが楽に感じるんです。 管理次第で年齢に関係なく、いくらでも上達できるという言葉は正しいと思います。 歌いながら踊ることは、有酸素運動そのものなので、やっていると頭が混乱して気を失いそうになることがあるんです。 ランニングは本当に良い運動です。

L:いよいよソロアルバムでのカムバックを控えています。どのようなものからインスピレーションを得て準備していますか?
T:テミンというアーティストを置いて見た時、また違ったチャプターを書き下ろすタイミングだと思いました。これまでのチャプターに完全に蓋をする前に、一度まとめてみるアルバムと言えると思います。アルバム準備をしながら、Georges Batailleの「L’Erotisme(エロティズム)」という本から、多くのインスピレーションを得ました。ある感情についての話をしようと思っています。受け入れられないと考えていることが、ある特定の瞬間には、受け入れられることがあるじゃないですか。そんな時に人間なら感じる感情があると思うんです。先ほど、僕は毎回何か一歩違うものを試すとお話しましたが、その感情が今回の試みに通じるテーマだと思いました。 正確なことはまだ秘密ですが、僕ならではの実験台になると思います。 僕がどこまで行けるか、綱渡りをするアルバムになると思います。

L:これまで見せてくれたパフォーマンスも含め、成果物もすべて名に恥じない素晴らしいものでした。 失望させたことはないですよ。 それが故に、今回のソロカムバックにも心地よいプレッシャーを感じているのではないでしょうか。 最も大きな挑戦があるとしたら何でしょうか?
T:その通りです。これまで発表してきたアルバムにおいて、全て違う姿をお見せしようと努力しました。 使命感みたいなものもあったと思います。 いつも自分が作った以上のものを見せよう、そういった気持ちで臨んでいたんです。 プレッシャーがないと言えば嘘になります。 今回のアルバムの収録曲には、これまでやったことのないまた違ったジャンルの音楽があります。 それがまた一つの挑戦ではないでしょうか。毎回同じようなものをお見せするより、新しいものをお見せしてこそ、「あ、テミンがこういうことをするんだ」と、もう一度注目を集めて耳を傾けてもらえるのではないかなと思いました。 そういう意味で、少し新しい試みの音楽です。 今どんな曲の話をしているかは、直接聴いていただければわかると思います。

L:最終的にやりたい音楽、見せたいパフォーマンスはどのように定義されますか?
T:簡単に言えば、時代に合ったパフォーマンスと言えると思います。 トレンディでありながらも、本来持つ色が出ることが重要でしょう。 僕はパフォーマンスも音楽だと思って作業をしています。 僕がマイケル・ジャクソンを尊敬するように、誰かが僕のことを同じように思ってくれたら嬉しいです。 実際、僕がやっていることはすべて一次的には自分のためではありますが、他の人がこの時代のテミンのパフォーマンスを記憶して認めてくれたら、幸せで達成感が大きいと思います。

L:「イ・テミン」という人を一言で定義するなら?
T:前だけを見て狂ったように走る競走馬。以前、誰かがそう表現したことがあって、ずっと記憶に残っています。 長く働きたいし、立ち止まりたくないです。 今が本当に重要な時期だと思います。 「テミン」という一人のミュージシャンとして、音楽的な色を作り出していくことが宿題です。 健在であり、いつまでも現在であり、進行形であり続けたいです。

Editor ユン・ジョンウン、ジョンソン
Photographer ユン・ソニ

http://luxury.designhouse.co.kr/magazineView/651383ba73544f436e2e703e

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