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子連れ旅メモ:スペイン&フランス(2017)〜④バルセロナの思い出

旅のあらすじ

2017年11月、わたしとオットと3歳半のぼっちゃんの3人で、スペイン〜フランスへ出かけました。ぼっちゃんが保育園で模倣制作した「ガウディのトカゲ」を見ることを中心に組み立てて行った、11日間の旅の記録。

訪れた場所&子どもとの過ごし方

バルセロナには3泊。

実際、着いた日は夜中で、最終日はサン・セバスチャンに向け早朝出発の予定だったので、バルセロナで過ごしたのは丸2日間でした。

〜行った&遊んだ場所ピックアップ:グエル公園、海、サグラダファミリア、ブケリア市場〜

<グエル公園>

バルセロナ2日目(実質的な初日)の午前中に行きました。何といっても、今回の旅のメインイベント!10日を超える旅程の初日に、メインイベントが終わるという… でも、メインイベント終えちゃえば、あとはひたすら楽しむだけだし!という、わたしの心配性が表れているというか、なんというか。

グエル公園は例の「トカゲ」が見られるエリアは、現在では有料&入場時間を刻んでの事前予約制となっているので(むかーしに一人で旅した時は、ただふらっと入れる場所だったような)、選んだ日がもし雨だったら?もしぼっちゃんの体調が悪くなったら?と、「次の日」を万が一に使えるように(次の日でも予約できる枠が残っているかどうかはわからないけれど)、初日に設定したのでした。

朝早いとバタバタするかな…と、ゆっくり11:30の回を予約したのだけれど、ぼっちゃん時差ぼけで朝はかなりの早起きだったので、もっと早い時間でもよかったかもしれません。そういえば、フライトの時差ぼけはすごく気にしていたのに、旅行中にもその影響があるなんてことはほとんど考えてなかったのでした。

朝食後、バスに乗って公園の最寄りまで移動し、他の観光客らしい人たちについて(地図も見ましたが、だいたいそんな感じで…)のんびり坂を登って、それでも予約時間より1時間以上早く着いたので、場外の公園でひと遊び。小さなブランコもあったし、季節柄か松ぼっくりがたくさん落ちていて、当時、やたらに木の実や落ち葉、松ぼっくりの収集に熱心だったぼっちゃんは、だいぶテンション高く遊んでいました。実際、トカゲにご対面した時よりも、こちらでの時間つぶしの方が楽しそうでした。子どもって、そういうところ、ありますね… 既製のおもちゃより、日用品の方がおもちゃとして魅力的…というような。

時間が来たら、プリントアウトしたチケットを持って、規制エリアへ入場。規制のせいか、中はさほど混雑していません。トカゲ(日本語ガイドには「オオサンショウウオ」とあり)を見たり、園内をぐるぐるしたりして過ごしました。モザイクの美しさ。回廊。手入れされた花々。こういう公園が、ふらりと立ち寄れる場所であった時代の贅沢さを感じます。

トカゲの前で写真を撮って、はい、メインイベント終了!この時の(わたしの)満足感たるや!

<海>

秋ではあったけれど、日差しがあれば浜辺でのんびりするのには暖かく心地よい気候でした。

泳いでいる住民風の人たちもいたけれど、それは、さすがに… いわゆる「寒中水泳」の域です! 

ぼっちゃんは、ジャンパーを脱いで、ズボンの裾をまくって、浜辺を走り回ったり、素手で穴を掘ったり(まるで犬…)、貝殻やガラスの破片を探したり拾ったり。オットは、穏やかな海風に吹かれながらゴロ寝(実は旅行前から風邪気味で、バルセロナの3日間は体調不良でした。この後、自ら行きたがっていたサン・セバスチャンに到着するなり回復。心と体が連動しているわかりやすい事例)。

ゆうに2時間は浜辺にいたと思います。

バルセロナという都会にいて、素足で砂に波に触れ、次の予定も何も考えずにただただ過ごす。大人にとっては旅の贅沢。子どもにとっては十分にワクワクする体験。

秋の海も、いいものでした。

<サグラダファミリア>

バルセロナといえばおよそほとんどの観光客が訪れるであろうサグラダファミリアには、3日目(実質的な2日目)に向かいました。

と、言っても。

サグラダファミリア自体は外から眺めるだけで、中には入りませんでした。

サグラダファミリアは有料チケット制で、もちろん子どももエントリー可能、かつ、11歳以下は無料なのですが、6歳未満は塔に登れないのです(※当時情報です。訪問の際は公式Webサイト等をご確認ください!)。

わたしたちは、登れないんだったら、外からその荘厳な姿を眺めるので十分だな、と考えました。仮に上まで行ける許可があったとしても、当時3歳のぼっちゃんには、安全上ももちろんですが、体力的にも難しいだろう…と判断したかもしれません。途中から抱っこにでもなったら…親の安全も不安ですし、膝も腰も完全アウト!それに、わたしもオットも、若かりし頃、それぞれのバルセロナ訪問で塔に登ったことがありました。そうであれば、「完成したとき、また家族みんなで来て、その時には塔にも登ろう」なんていう夢のある話をして、周囲をぐるり。

そして、ハイライトはサグラダファミリアを眺めながらの公園遊び(リプライズ)!

サグラダファミリアの周りには、2箇所ほど公園があります。

子ども用の遊具スペースもあり、サグラダファミリアの全景をバックにブランコを漕ぐという超贅沢な公園遊びができるのです!サグラダファミリアはとにかく大きいので、実際、ちょっと離れた公園からくらいでないと、塔のてっぺんまでは写真に収まらないですよね。というわけで、子どもでない観光客も公園にはたくさんいます。遊具スペースは柵で囲んであり、おそらく野良犬や野良猫の衛生対策、あるいは大きな人が気軽に入ったり駆け込んだりして来られないような安全対策がしてあります。例によってこの公園で2時間くらい遊びました。

ちなみに、ガウディ関連の建物は、サグラダファミリアのほかには見に行きませんでした。これまた、わたしもオットも以前に見たことがある中で、点在するそれらの建物をぼっちゃんを連れて歩いて回るのも…わたしたちも疲れるし、彼も飽きてしまうかな?と、各施設では入場料もそれなりにかかるので、今回の旅ではスキップしました。その分の時間とお金で美味しいティータイム…の方が、「くいしんぼう道」まっしぐらのわたしたちにはよいかもしれないと思ったのです。

<ブケリア市場>

日本語表記はブケリアがいいのか?ボケリアがいいのか?はたまたサン・ジョセップ市場…?とにかく、観光客には行きやすいランブラス通りにある大きな市場です。

ぼっちゃんは食べ物を見たり触ったりするのも、食べるのも、大好き。

彼の中の血(わたし譲りの…)が騒ぐため、レストランに入るのも、お菓子屋さんを外から眺めるのも、市場に入るのも、うってつけのエンターテイメントです。そういう意味では、仮にトカゲがなかったとしても…この次の目的地であるサン・セバスチャン(ドノスティア)含め、スペインは理想の旅行先であったかもしれません。

見慣れない子どもにとっては(わたしにとってもですが)衝撃的なハモンやら、お魚やら、果物などなど、市場を隅から隅まで散策して、「夕ご飯に食べたいものを選んでいいよ」ということで、ぼっちゃんは目をきらきらさせながら、どこのお店で何を選ぼうかと、あっちでもないこっちでもない…と行ったり来たりしていました。オットはさまざまなハモンやチョリソーなどをゲットしてご満悦。わたしは市場を出たところにある酒屋さんでワインを調達してホクホク。そんなわけで、食べ物を買い込んでの帰路は、どこにいたって幸せな気持ちになりますね。東京にいたって、バルセロナにいたって。

〜食事〜

バルセロナ滞在中、3歳の子どもの食事には特に困ることはありませんでした。ディナーに立派なレストランに出かけたり、フラメンコなどショーのあるお店に入ったり…ということはしなかったのですが、日中のバルであれば子連れだからといって特に問題になるようなことはありませんでしたし、子どもに笑いかけてくれるような店員さんもありました。

日中…と書いたのは、現地のトラディショナルなディナータイムが遅めだからです。地元の方がたや、「非ファミリー」な旅行客は、20時〜21時頃に夕ご飯開始となることが多い様子。お店のディナータイム自体、その時間帯に営業開始となるようです。一方のわたしたちは、子どものこともありますし、21時といえば…残念ですが、もうお風呂に入って休ませたい(休みたい)時間です。ですので、例えば、18時に食事を取ろうとお店に入っても、その時間帯にも営業中のお店(いわゆるバル)はそもそもさほど混んでいませんし、「子連れ客のせいでデートの雰囲気台無しだわ」的なクレームもおそらくないでしょうし(アペリティフ的に楽しんでいるカップルなどはもちろんいましたけど)、特に問題なく過ごすことができるというわけです。

内容も、「パン(バルセロナの位置するカタルーニャ地方の郷土料理である“パンコントマテ(パンにガーリックとトマトがすり込んである)”)」「トルティーヤ(スペイン風オムレツ)」はどこのバルにもあり、子連れには便利。食べやすく、栄養もばっちりです。ハモンやカラマリなどは、当時のぼっちゃんはまだ食べられませんでしたが…(今も無理かな)。

ただし、今回は、ベビーカーもオムツ替えの心配もない旅でしたので、それらが必要な場合、というのは、また視点が変わってくるかもしれません。

街中には、カフェも、アイスクリーム屋さんやチョコレート屋さんなどのスイーツもたくさん。ママがちょっとショッピングしている間にお茶しててもらったり…もできる感じで、気が楽でした。

〜バルセロナでの日曜日の過ごし方〜

ヨーロッパ旅行の時、「日曜日」をどう過ごすかは、事前準備というか考えておいた方がいいトピックですよね。ちなみに、個人的には「日曜日は休業」はとっても素敵なことだと思っています(日本でも導入したらいいと思うくらい…だって、お店で働いている人たちにも暮らしが、家族や友だちと過ごしたり、趣味に取り組んだりボーッとしたり…と自分の時間があるのです。そういう時間を充実させることが社会全体のLifeの豊かさにつながるのではないかなぁ、と。日本の場合、日曜でないにしろ、お正月の初売りとか、別に元日から始めなくっても!と思ってしまうのですが…いろいろな事情があるのだと思うので、あくまで余談にて…)。が、観光客にとっては、食事をどこで取ろうとか、旅程によっては、お土産をどこで買おうとか、大事だったりします。

今回は、バルセロナ到着の翌日(実質的な初日)が日曜だったので、そこでグエル公園の観光を入れました。観光名所は、休日もオープンしていることが多いですよね。

そして、(パブリックな)公園や海、「そもそもオープンしている場所」というのも、子どもとの休日を過ごすのに最適ですね。

観光名所や海辺の小さなアイスクリームショップやサンドイッチショップなどは通常営業していたので、小腹を満たしたり、テイクアウトしたりするのには困りませんでした。

「ちゃんとした食事」は、朝は、さすがに駅の中には何かあるだろう…と、サンツ駅に向かい(旅程の都合上、駅近に宿泊)、思惑通り駅ナカのカフェで。東京駅ほどの選択肢はありませんが、それはたぶん世界のどの駅でもかなわないはずなので、そんな期待をしていなければ十分。

午後は、日曜でも営業しているという(日曜の営業許可を得ている唯一の大型商業施設とか)海辺のマレマグナムというショッピングモールで遅めのランチ。たぶん、日曜でなければ行かない場所ではありましたが、秋だけれど東京よりは暖かな日差しの中、テラス席で海を眺めながら白ワインや海の幸をいただいて、「あぁ、地中海だわ」という気分になれたので、よかった。お買い物はしませんでしたが、ショッピングもできる施設のようです。

実際には、日曜営業のバルも街中にはいくつかあるようでした。

〜その他〜

実はこの時、バルセロナへの旅行は治安の面では多少の不安がありました。渡航の数ヶ月前にはランブラス通りでのテロ事件が発生。また、カタルーニャ独立運動が激しくなっており、独立投票の実施もあり、数々のデモが起こるなどしていたのです。

これらのことが起こる以前に旅行の手配をしていたので、不安がまったくなかったわけではありませんが、海外にいれば、いつも気持ちを引き締めて暮らしている…という部分はあります。結果的には、旅行期間には大きな事件などはありませんでしたが、ニュースなどの情報はなるべくキャッチできるようにしていました。iPhoneさえ持ち歩いていれば、メディアやSNSから、英語や日本語などで大体の情報をリアルタイムに得ることができます。その点、むかーしにひとり旅をしていた頃からは、情報収拾はしやすくなったなと思います。(2004年、マドリッドでテロ事件があった際にちょうど現地に一人でいたのですが、様子があまりわからず、言葉もわからずでとても不安だったことを思い出します。)

世界が平和であること。ひとりの人間として、そして今となっては、子どもをもつ母として常に願うことではありますが、旅行という大好きなイベントを考えるときには、その大切さをつくづく思います。旅行や観光というのは、平和(安全、人、などなど…)を信じているからできること。世界中のたくさんの人たちの、異文化に触れたいという好奇心があって、そして、その実際の経験が、次の平和(例えば、訪れた国や地域に対する愛着など…)をつくりだしていく。旅行って、とてもピースフルな文化だと思います。そのすてきな循環が、さまざまな恐怖から途切れてしまわないように。無事に帰ってきて、ほっとしながら、そういうことを考えます。

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