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木南晴夏があふれ出る

今シーズンのドラマはキャストがややこしい。朝ドラのお父さんが刑事になってたり、はたまた朝ドラのヒロインの同級生が犯罪者になってたり、上川隆也さんは、『花咲舞が黙ってない』の1作目ではヒロインの相方だったのに、今シーズンの2作目ではヒロインの叔父になっており、また別のドラマでは刑務官になっている。さらに矢本悠馬さん(なんの面識もないが、私の親友の娘さんと中学時代に同級生だったということで、やもっちゃんと呼んで密かに応援している)に至っては、あのドラマにもこのドラマにもそのドラマにも、あのCMにも、そしてバラエティーにまで出ている。そんなこんなで私の頭の中では、役者さんが入り乱れている。

そんな中でもいちばんややこしいのが、木南晴夏さんだ。同時にふたつのドラマで、三姉妹の長女役をやっているのだ。

木南晴夏さんのことを昔から注目していたかというと、そんなことはない。テレビで見かけたら、「あ、木南晴夏や」と思う程度だった。『大阪環状線 ひと駅ごとの愛物語』に出演しているのを見たときも、同じように思った。(話はそれるが、あのドラマはよかった。今風のおしゃれなファッションに身を包んだ縁遠い人たちでなく、大阪環状線に本当に乗ってそうな身近な人たちが繰り広げるエピソードがおもしろかった)

それほど注目していなかった木南晴夏さんだったが、あるときふとNHKの番組で見かけたら、なんと私の大好きなまるき製パン所の店先で、コッペパンサンドを頬ばっているではないか。ちょうどその頃、別のパン屋で働いていた私は、「あ、木南晴夏や」だけでなく、「ああ、なんとかわいい、うちのパン屋にもぜひ来て欲しいものだ、私の焼いたパンを食べて欲しいものだ」と思ったのだ。

そんなふうに木南晴夏さんが、心の片隅に住み着き始めて数年、先シーズンに木南晴夏さん主演のドラマ『セクシー田中さん』が始まった。物議を醸したドラマだったが、田中さんみたいな人が身近にいたら楽しいだろうなと、ほのぼのと見ていた。ベリーダンスを踊る姿をほれぼれと見ていた。木南晴夏さんが出演するものは全部見るぞ、と思った。

そして今シーズン。大好きなドラマ『おいハンサム!!』の第2弾が始まった。うれしすぎて、映画もあるのか、見に行こうかなどと考えていたら、なんと別のドラマにも木南晴夏さん!またもや三姉妹の長女!どっちのドラマを見ているのか若干の混乱をきたしながらも、週に2回も会えるのがうれしすぎる。奇しくも私はふた姉妹(こんな言葉があるのか?)の姉であり、長男のお嫁さんも同じく、次男のお嫁さんに至っては三姉妹の姉。ドラマを見ているときはもちろん、見ていないときですら、姉というものはこういうものなのかと思ってみたり、木南晴夏さん演じるふたりの姉のファッションセンスを比べてみたり、またまたコッペパンサンドを頬ばる姿を思い出したり、あのほんわかしたしゃべり方をまねてみたいと思ったり。

最近では、私の心の片隅に住み着いている木南晴夏が、あふれ出て、あふれ出て、あふれ出て止まらない。


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