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謎の生命体誕生

こんなつもりではなかった。決してこんなつもりではなかったのだ。

私はもともとクッキーやケーキを手作りするタイプではなかった。なのにふたりの息子たちが結婚してから、もしかしたらお嫁さんなら喜んでくれるかも(息子たちはこんなものでは喜ばない)と、お菓子作りの中ではハードル低めのクッキーをちょこちょこ焼くようになっていた。

私が作ったクッキーたち

はっきり言って、ひいき目に見なくてもこれは上出来だ。気をよくした私は、去年7月に生まれた初孫がこのところ「シナぷしゅ」を見たら大変喜ぶらしいということで、まだ食べられもしないのに、切っても切っても同じ顔の金太郎飴形式のシナぷしゅクッキーを作ろうと考えた。だってペンギンもシマエナガも赤ちゃんも上手に作れたやん。「シナぷしゅ」は、驚くことに本当に泣く子も黙る乳幼児向けの番組のキャラクターだ。そこで私は緻密な設計図を書いた。

シナぷしゅクッキーの設計図

しかしこれがいけなかった。私には緻密に思えた設計図が緻密とは言えず、もはや設計図でもなんでもなかったのだ。そのときはそんなこととはつゆ知らず、自分の書いた設計図を信じ、ただひたすら生地を測っては丸めたり伸ばしたり重ねたりした。

その結果が冒頭の写真だ。

よくよく考えると、ペンギン、シマエナガ、赤ちゃんは、切ってからゴマで目をつけていたし、くちばしや足やほっぺはクッキー生地を上から貼りつけていた。目も眉も何もかも金太郎飴形式にするのは無理なのか?いやいや折を見てまた挑戦してみよう。そのときは誰が見ても緻密な設計図を作るつもりだ。

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