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中世・ルネサンス音楽の発表会(3年ぶり)

3/21東京・大森福興教会にてフォンス・フローリス発表会。花井哲郎先生ほか講師の方々のもと中世・ルネサンス音楽を学んでいる方たちの、3年ぶりの集い。

前半は東京の中世音楽のクラス。今年は、典礼劇や「最古のミュージカル」といわれる中世フランスの牧歌劇があったのが興味深く面白かった。当時の写本にもト書きで小道具を持つなどの動きの指示があるそうで、台詞(芝居)やゴシックハープやプサルテリも入って楽しい。楽譜を見せてもらったが音価がまだ記譜されてないネウマなので重唱が結構難しいという話だった。古フランス語はフランス中世文学専門のジョルジュ先生からネイティヴな発音を学べるのもいい。

後半はルネサンス。私たち名古屋組は年末からG.デュファイに取り組み始め、脳味噌から煙をあげながら解読しわずか3か月でここまで来た。デュファイも独特の響きでなかなか難しい。盤石なメンバーの皆さんに頼らせて頂き感謝。11月4日の名古屋での単独演奏会に向け磨きをかけねば。

他のグループは巨匠ジョスカンのほかチコーニアやボールドヴェインなどこれから広く知られていくであろう素晴らしい作曲家の作品。どのグループもハイクオリティの演奏で素晴らしかった!いろんな方とお話してみると音大・藝大・教育大出身とか、音大講師や研究者、またなにか専門の楽器をやってる人(所謂プロの音楽家)も多く、ハイレベルなのも頷ける。発表会というには勿体ない。

ヨーロッパでは古楽を現代譜でなくネウマや計量記譜で歌うことは当たり前になってきており、またラテン語もその地域のラテン語発音ですることが日本でもようやくおこなわれ始めている。忠実な復元というよりは、音楽的にも言語との結びつきが大きいことから。

スコラ・ポリフォニカ名古屋、ソシイ(東京)、アウィーナ(大阪)ともに結成が2017年で、コロナ禍経て昨年それぞれが初めて単独の演奏会をおこなったということで、ルネサンス音楽普及の黎明期にいる。花井先生やそのほかの先生方が長くヨーロッパに在住し修道院に暮らし持ち帰ってきて下さったものを、私たちも発信していかなければと思う。音楽史の教科書の「中世・ルネサンス」の薄いページを新しく書き込まれていかれるように先生方がコツコツと活動されてきたことに頭が下がる思いだ。

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