サマーウォーズみました

録画していた金曜ロードショーのサマーウォーズを見た。多分4年ぶり3回目ぐらい。以下、感想です。ただの感想です。

最初の電子音が流れてスタッフロールと共に物語の風呂敷が広がっていくシーンが、とにかくすっげーワクワクする。インターネットの世界を“ノリ”で表現した映画だと思っているので、序盤のテンポとセンスが大好き。

なつき先輩の残虐性。親戚付き合いに、大した悪気もなく学校の後輩を巻き込めるのはその恵まれた容姿と明るさで獲得した学校でのアイドル的地位ゆえなのか。
侘助にデレデレな姿をみて健二(神木くん)が随分ダウナーになっているのがかわいそうだけれど、お互い若者なんだから全て青春青春!!という気持ちにもなります。僕は28歳なので。若さって残酷なものだから。
おばあちゃんが亡くなってなつきが流す涙が美しくて、結局全部気にならなくなる。というかなつきを好きになる。

親戚一同で飯を食うシーンで医者のおっちゃんが「二人はまだヤッテないの??」と、まあ今の感覚でいったらファミリー向け映画としてはめちゃくちゃまずいことを聞くのだけれど、当時なんとも言われなかったのなら別にいいと思う。こういうのはその時の感覚でどう思われたか、という話だから。それだけ今の俺たちは倫理観が育ったのだろうし、その分窮屈にもなっているのだろう。

色んな対比が描かれる。
カズマと親戚の高校球児、OZのトラブルとそれに対処するおばあちゃんの激を通して描かれるデジタルとアナログの対比。どちらにも同じぐらい美しい汗と涙が流れている。
やられたからやり返したい男たちと、今目の前で起きていることに向き合って葬儀の準備をすすめる女たちの、ロマンと現実の対比。
そのジェンダーの垣根をとびこえる翔太(サル顔の警察官。男だけどばあちゃんのために氷を移動させていたので女勢側の思考回路)はきっとタピオカが当時流行ったとしても「女の飲みもんだろ」なんて吐き捨てたりはしないのだと思う。現代的思考ぅ~~~。

細田守は作品に性癖を詰め過ぎみたいな意見をよく見るのだけれど、それの何が悪いか全くわからない。それこそが、創作意欲の根っこのところであるべきだと思っている。カズマがかわいい。惚れてしまう。それで全然良い。

奪われたもの(アバターだったり、カズマのプライドだったり)を取り戻す映画で、とにかく“ノリ”が好きです。監督と名字が一緒なのも誇らしい。あと主題歌良すぎ。

関係はないけれど落ち込んじゃうようなニュースばっかりで、大人が参ってる姿を見るのはほんとうに同情するしこっちもなんだか凹んじゃうけれど、この閉塞感最大級の時代を経て、どうかなにかが良い方向に向かってくれと思うことぐらいしかできないね。

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