チャゲアスの「僕はこの瞳で嘘をつく」が、韓国に行ったら180度違うことになってた話。

とある方とのTwitter上のやり取りの中で、私の得意とする「韓国ネタ」と、「CHAGE and ASKA(以下、チャゲアス)」を掛け合わせた話が聞きたいというリクエストをいただきました。

それじゃあひとまずカバー曲でも見てみるか、と興味本位で手を動かし始めたところ、早々に衝撃を受けることに・・・。

これはチャゲアス大好きな皆様にはお伝えしなければならぬと、急ぎ記事として書き起こさせていただきました。

※お詫び※
記事の内容に一部誤りがありました。記事公開当初はこの曲が「韓国のドラマのBGMとして使われていた」という内容がありましたが、間違った情報でしたので2021/5/21に修正いたしました。
読んでくださった皆様にはお詫び申し上げるとともに、今後はリサーチの深度をより深めていきたいと思います!

「180度違う僕瞳」とは!?


タイトルにさせていただきましたが、この「180度違う」件。

先に言わせていただくと、
日本では「浮気をひた隠しにする男性側の話」だったはずなのに、韓国では「浮気した男にガチギレしてる女側の話」になってる!!
のです。

つたない文章・つたない翻訳でお恥ずかしいところですが、どんどん説明させていただきますね。


韓国でカバーしたのはパク・サンミンさん

まず最初に、この曲をカバーしているパク・サンミンさんをご紹介しましょう。

パク・サンミン /朴相民 /박상민 /Park Sang-Min

画像1

1964年5月2日生まれ、1993年デビュー。
韓国国内のアーティストからも「国内で最も音程が正確なボーカリスト」などと賞賛されている実力派のボーカリスト。ハスキーボイス、ロックとソウルが融合したような歌唱法、豊かな声量、これらを活かして曲に味を出すのが得意。また、韓国国内でもあまり知られていないようですが、チャリティー活動にも積極的で寄付金額が芸能人の中でもトップを争うほどとか。サングラスとあごひげがトレードマークの国民的歌手です。

パク・サンミン氏の、韓国人ならだれでも知ってる代表曲は「해바라기(ヘバラギ)」。「ひまわり」という意味です。
こちらもぜひ聴いてみてくださいね♪

パク・サンミン「해바라기(ヘバラギ)」
KBS<韓国放送公社>公式 / 歌番組『開かれた音楽会』より

出典・参考: NAMU Wiki -Park, Sang min(韓国語)

こちらをご覧になって「うぉぉぉい!CHAGEじゃん!」と思った方。
たくさんいらっしゃると思いますが、ここではこれ以上の説明は割愛させていただきます、笑。

ていうか、本人の韓国版Wiki(韓国語)に全然関係ないチャゲアスの写真まで載って、「サングラスにあごひげのスタイルは、日本の男性デュオ、CHAGE&ASKAを思わせる」なんて書かれてる人、いますー?笑
(以下キャプチャ参照)

画像2


最近の報道(韓国語)からも、現在も変わらずCHAGEさんにそっくりなご様子がうかがえます。

※ちなみに、チャゲアスのおふたりもパク・サンミン氏については認識されていらっしゃるようです。昔のTUG会報をお持ちの方は<2000年9月号>の<心のチャート>をご覧ください。(←雑ですません、笑)

なお、この曲は2001年に発売された8番目のアルバム「feel」に収録されてます。

最近のK-POPにはとんと疎いのですが、昔は韓国にはシングルという概念がなく、すべてアルバムでの展開でした。それから、アルバムタイトルがあるというよりは、「パク・サンミンの第8集」みたいな感じで人々は認識しており、「feel」というタイトルはサブタイトル的扱いでした。
(とはいえ、人気曲のチャートは毎週曲ごとに発表されていたので、それがどうやって集計されていたのかは、私は知りません。イメージしやすく言うと、数週に渡ってアルバムの代表的な曲が「曲名 byパク・サンミンの第8集」のようにチャートに入ってる感じですかね。)


本題!「僕瞳」の日韓歌詞比較


それでは、ようやく歌詞の比較に入ってみます。

※以下をご了承の上、ご覧ください※
次の翻訳内容は、内容の違いを比較するためだけのものですので、直訳に近い翻訳にしてあります。慣用句などは直訳しては意味が変わってしまうので意訳しています。
また、どこまでいっても「翻訳文」であって「歌詞」ではありません。歌詞は韻を踏んだり、言葉のリズムなどが加味されたものだと思っていますが、そこまでの手は私では加えられません。
ということですので、あくまでも内容を把握するための参考としてご覧くださいませ♪


まずはタイトルから。

「僕はこの瞳で嘘をつく」

「하지마」 ※読み方<ハジマ>
「やめて」

タイトルから強い・・・・

続いて歌詞に入ります。

<<<ASKA氏 シャウト部分>>>
本気でこんなこと言えないよ
言葉の迷路にはまり込む
どうにも許されるわきゃないよ
あの娘の事は言えない
あの娘の影は見せない

하지마 내게 더이상 Oh, Oh~
하지마 거짓말 속이지마
내게 그런 변명 핑계 대지마
하지마 더이상 말하지마
들어봤자 너무 뻔한 그말
다른 사람 생겼다는 그말
やめて 私にこれ以上は Oh, Oh~
やめて 嘘 騙さないで 
私に 釈明 言い訳 しないで
やめて これ以上 言わないで
聞いたところで わかりきった言葉 
ほかの人がいるっていう言葉


※2番も歌詞同じ

チャゲアスver.ではASKA氏がシャウトしているところから既に歌詞が入っているのもちょっと異なるポイントです。

推理小説を最後から
めくれるような筈はない
傷のない別れなどあるわきゃないし
ただハート眠らせたい
ただハート眠りたい


말해봐 모두 다 고백해봐
말 돌리지 말고 똑바로 말해
말해봐 모두 다 내게 사실대로 다
상처 따윈 없어 고백해봐
내게 똑바로 말해봐
話してよ 全部告白してよ
話を変えないでちゃんと話して
話してよ 全部私に事実を言って
傷つくことなんてない 白状して 
私にちゃんと話して


噂話だよ そんな話は嘘さ
懐かしそうな瞳をしながら
僕の中の秘密の事
僕の中の誰かの事 oh, oh, oh


소문이야 다 거짓말 어디서 그런 얘길 들었니
끝까지 나를 속이는 널 이제는
헤어져 더이상 너 만나기 싫어
널 사랑한 내가 이제는 싫어
噂だよ、そんな話をどこで聞いたの? 
最後まで私を騙すあなたを もう
別れて これ以上は会いたくない
あなたを好きだった自分がもう嫌


※2番も歌詞同じ
だから君の顔見つめたよ
だから君の顔見つめたよ
どんなに君の瞳が僕を疑っても
僕はこの瞳で嘘をつく

마지막 까지도 날 속이고 있어
마지막 까지도 날 울리고 있어
아무리 그래도 난 이미 다 알고 있었어
너를 사랑했던 내가 너무 싫어
最後まで私を泣かせてる
いくら何でも 私は前から知ってた
最後まで私を騙そうとしてる
あなたを好きだった自分が本当に嫌


ガーゼで心を切るような
時間に運ばれながら
読みとれない意味を
確かめられそうで
ただハート破らせたい
ただハート破りたい

가라 그래 뒤도 돌아보지 말고 가
그 애 만나 행복하게 살아봐
두번 다시 묻겠어
그애 사랑하는지
상처 따윈 없어 고백해봐
내게 똑바로 말해봐
もう行って そう、後ろも振り向かずに去って
その子と幸せになってみなさいよ
もう一度聞くわ
その子のことをそんなに好きなの?
傷つくことなんてない 白状して
私にちゃんと話して


女子、相当怒ってますね!!!!

昔の韓国のポップスによく見られたタイプ、いや、ほとんどそうだったようにも感じますが、1番と2番の歌詞が同じ部分が多い曲でしたので、翻訳は以上です。
(そう考えると日本の曲はいろいろ凝ってるなぁと、当時は思ってました。)

実は、韓国語の一人称は、「私」しかなくて、「僕」「オレ」「(女性の)私」など男女の区別がないので、文字面では女性の話なのか男性の話なのかは分かりません。
つまりは、読み進めていく中でわかるというものなのですが、こちらは99%女性と思われます。
(浮気した女子に対して男子がキレてる話は嫌だ・・・。)

ASKAさん、韓国に行っても、男はズルかったよ。。。
でも、韓国の女子はめちゃめちゃ強かったよ!!


-references-


今回参考にした資料を置いておきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

CHAGE and ASKA公式サイト / DISCOGRAPHY /ライナーノーツ

ちょっと考えると、男のズルさが見えてくる曲なんだけど、ズルさよりも、相手にダメージを与えちゃいけないっていう気持ちのほうが強いんです、この曲は。それはやさしさとは言い切れない。やさしさとはまた違うんだけど、男のズルさともまた言い切れない。相手を傷つけないよう運ばなければいけない。なんとかすべてがうまくいくように…。結局、そういう都合のよさにはたどりつかないわけですけど…。つまり、だからー。僕としては、あえて男のやさしさを表現した曲です、と言いたい。が、言えないでしょう…。
-1991年Music City11月号より-


[MV] 僕はこの瞳で嘘をつく / CHAGE and ASKA


[Official 박상민 8th Album] 박상민 - 하지마|Park Sang Min
↓ パク・サンミン氏の「ハジマ」はこちらです。


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