シベリア少女鉄道『笑顔の行方』

2005年05月12日


シベリア少女鉄道の『笑顔の行方』を観た。
不完全燃焼だな、と思った。
ラストがあまりにも安直。というか、ストーリー自体が安直だ。
この劇団はストーリーや役者の技術よりも後半からの「仕掛け」に命をかけているようだが、その「仕掛け」も大きなハコでやるにはちょっとしんどいものがあった。
王子小劇場からスズナリ、シアタートップス、そして紀伊国屋サザンシアターと、着実にハコは大きくなっているが、その一方で「仕掛け」はしょぼくなるばかり。
ハコが大きい分、余計にしょぼく感じてしまう。
しかも役者や照明の技量が足らないせいで仕掛けが生かしきれておらず、なんだか観ていてハラハラさせられた。
何度か観ている客はもう後半に仕掛けがあることを知っている。
だから大体どんな仕掛けなのか途中で予測できてしまうのだ。
「仕掛け」が客を驚かせる機能を果たしていない。
これでは意味がない。
観客は明らかに飽き始めている。
土屋氏はそろそろ次の一手を考えなければならないだろう。

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