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『ファーストラヴ』初日舞台挨拶中継。2月11日の日記

昨日は23時半に寝て、今朝4時半に目が覚める。スマホで映画アプリを立ち上げ今日やってる映画を検索。今日から公開の映画で観たいのは『すばらしき世界』と『ファーストラヴ』。このうち『すばらしき世界』は、先日観たばかりの『ヤクザと家族』とちょっと世界観が似てそうなので、少し間を空けようかと、『ファーストラヴ』を観に行くことに。朝一の回が終わったあと、出演者たちと監督が登壇する初日舞台挨拶の中継があるという。まだその回の席が残っていたので購入。映画を初日に観に行くことは多いが、舞台挨拶が行われる朝一の回に行ったことはない(早起きできないから)。でも今日は早朝に目が覚めてしまったので、ゆっくりしてても十分間に合う。

ゆっくり支度し、食事を作って食べ、出かける。今日も晴れていて暖かい。電車は混んでいる。休日の早い時間から出かけてる人って結構いるんだな。

『ファーストラヴ』は島本理生の原作も読んでおり、好きな作品。どんなふうに映画化されるんだろうと楽しみにしていた。原作からの変更点や、映画では描かれていない点も多かったけれど、ほぼ原作に忠実に作られていた。この作品、登場人物が様々な過去の秘密やトラウマを抱えていて、それがだんだん明るみに出る、という形式なので、もしかしたら原作未読のほうが純粋に展開を楽しめるかも。映画を先に観てから原作を読むと、「映画では描かれていないけど、このシーンはこんなことがあったんだ」とわかる楽しみもある。映画では登場人物のキャラクターを原作よりも良い意味で単純化しており、わかりやすかった。たとえば主人公の由紀(北川景子)も、原作ではもっと複雑で屈折しているのだが、映画ではトラウマがありながらも真っ直ぐに生きている人物として描かれている。迦葉(中村倫也)の屈折も、詳しくは描かれない。由紀と迦葉が協力し合って事件の真相を解明していく、というところがメインになっている。二人が関わっている事件は、女子大生の環菜(芳根京子)が父親を刺殺した事件。環菜の心理、過去を探る過程で、由紀もまた自らの過去のトラウマに向き合わざるを得なくなる。そして、由紀と夫の我聞(窪塚洋介)の出会いの話、さらに由紀と迦葉の関係、と過去が少しずつ明らかになっていく。その過程の見せ方がうまく、とてもスリリングだ。結末を知っている私でさえ、ハラハラした。なかでも北川景子と芳根京子が刑務所で対面しながら涙を流して自分の心理を訴える場面には、思わずこちらも涙が。

役者のなかではとりわけ芳根京子が素晴らしい。トラウマを負った被告人役で、面会中に突然なにかが憑依したみたいに暴れ出したりなど情緒不安定な面を見せる。ずっと本当のことを言えなかった彼女が、由紀に次第に心を許していき、涙ながらに真相を語る場面に感動する。北川景子も、この役にしては華やかすぎるのではと最初は思っていたのだけど、ショートカットにしてメイクも控えめで華やかさを抑え、知的で優しい女性像をうまく作り出していた。逆にショートカット、控えめなメイク、といったものが、より北川の美しさ、ピュアさ、みたいなものを引き出している。彼女の流す涙の美しさに息を呑んだ。中村倫也が演じる迦葉は、屈折していながらもピュア。一方、迦葉の兄で由紀の夫の我聞は、迦葉とは対照的。窪塚洋介演じる我聞は、まるで太陽のように周りの人を照らす。なにも聞かず、ただ案じて、包み込んでくれる。迦葉も由紀も、我聞に救われた。窪塚洋介のオーラが出ていた。

舞台挨拶には、出演者の北川景子、中村倫也、芳根京子、窪塚洋介、板尾創路、木村佳乃、そして堤幸彦監督が登壇。おそらく六本木の映画館で舞台挨拶していたのかな。それを全国に生中継。私は新宿の映画館から中継を見た。男性陣が面白いことを言って会場を沸かせていた。中村倫也がこんなに面白い人だとは思わなかった。サービス精神も旺盛。一方窪塚洋介は根っからの天然なのか、本番中に携帯を鳴らすというハプニングが。それに対し中村倫也がすかさず「マジすか先輩!」と突っ込み、会場は爆笑に包まれた。こういう「うっかりやらかした」ことを咎めたり気まずくするんじゃなく笑いに変換して受け止める、って、いいよね。なんかこういうやりとりを見て、映画はシリアスな内容だったけど、現場はすごく温かかったんだろうなと思った。

映画では被告人役ですっぴんだった芳根京子は、ばっちりメイクしてドレスアップして登場。可愛かった。北川景子も美しく、主役の貫禄も十分。芳根京子はプライベートでも北川を慕っている様子で、微笑ましかった。北川は、撮影中に木村佳乃から気遣いの電話があり、その声が優しくてうれしくて泣いてしまった、と明かす。木村佳乃、いい人だな。

映画を観た直後に舞台挨拶を聞くのって、余韻が失われてしまうのでは?とか思っていたけど、そんなことはなく、とても楽しい時間だった。ちなみに会場は満席で、女性の一人客が多かった。皆、中村倫也ファンなのかしら。まあ、私もだけどw

映画の後は、西口まで歩き、「あるでん亭」というパスタ屋へ。新宿では一番好きなパスタ屋さん。お昼時はいつも行列ができている。今日も何人か並んでいたけど、私は一人だったのですぐに案内された。この店の一番人気であるカルボナーラを頼む。クリームをあまり使わない本場イタリアの作り方のカルボナーラ。私はパスタ屋に行くとついついトマトソースのパスタを頼んでしまうので、カルボナーラを頼んだのは初めて。クリームが少なめだからしつこくなく、でも卵と胡椒とベーコンの味がしっかりしていて、とてもおいしかった。

せっかく新宿まで出てきたから、どこか喫茶店にでも入ってゆっくり本でも読もうかと思ったのだが、新宿駅周辺ってそういうゆっくりできる喫茶店があまりない。あっても混んでいて並んでいたり。あるいはコーヒー一杯1000円とかする高い店だったり。諦めて帰ることにする。少し街を歩く。お店がなくなってテナント募集の看板が出ていたりするところも。でもそこにかつてなにがあったのか思い出せない。新宿はどんどん変わっていく。

帰って少し休んだあとお風呂。今日はこれから、昨日の残りのピザを食べながら、録画したドラマでも観ようかな。

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