見出し画像

上田と別所温泉とコンサート

日帰りで上田に行ってきた。今回初めて知ったのだけど、大宮から上田までは新幹線で1時間。意外と近い。というわけで泊まらずに日帰りにした。

なぜ上田か。それは私が行きたかった角野隼斗のコンサートがそこで開催されたからだ。東京のチケットはあっという間に売り切れて買えず、函館と上田がまだ残っていて、冬の函館はなかなかリスキーなので上田にした。行ったことがない場所だったしちょうどいいかなぁと思ってなんとなくチケットを購入したというわけ。

せっかくだから温泉も入りたいと思い、上田駅から電車で30分の別所温泉にも行ってきた。時間的にコンサートが終わってから行くのは厳しかったので午前中に行き、まずは日帰り温泉へ。マイルドな硫黄泉で、露天風呂の横には雪が残り、身体も温まってよかった。

ぽかぽかになったところで街を散策した。どうやら神社とお寺が見所のようだったのでそれらをぐるっと回るように歩いてみた。結論から言うと、思っていたよりもずっとよかった。国宝の八角三重塔は木造で美しかった。木の重なり、全体の形、雪が残る中で佇む塔の雰囲気、どれをとってもため息が出るくらい美しく、しばらく見惚れた。

安楽寺の八角三重塔

別所神社の本殿も木造で芸術的な彫刻が目を引いた。何となく畏れ多くて写真は撮れなかった。じっと眺めて訪れることができたことを神様に感謝した。神楽殿からは絵画のような景色。この山々を背景に神楽を見てみたいなぁと思った。

別所神社からの眺め

色々と見てまわり、素敵なものをたくさん見ることができて幸せな気持ちになったところで、事前に調べて見つけておいた蕎麦屋へ向かった。けっこう待たされてかなり遅めのランチになったけれど、天ぷらそばは量もたっぷりで美味しかった。しかも私で売り切れ。ちょうどのタイミングだった。

ここで時間がなくなり、上田駅の近くのコンサート会場へ向かった。わりと新しそうな綺麗なホールだった。今回このピアノリサイタルに飛びついたのは、演目が私の好きな曲ばかりだったからなのだけれど、そこは期待通りだった。

全部素敵な演奏だったけれど、アンコールの角野隼斗作曲のノクターンに私は一番心を動かされた。夜の曲というより夜明けの曲、と話した後で始まった演奏。心が震えた。暗い夜が明けていく希望に満ちた美しい旋律。ああ、この人にはこの世界はこういう風に見えているのかなぁと不覚にも涙が出そうになった。そして最後は問いかけで終わりそれも印象的だった。さあ、あなたはどう生きますか?と聞かれているような気がした。
新しい曲でまだどこにも音源はない、と言っていた。録音されたら絶対に欲しいな、と思った。

そしてさらにこの日は特別なアンコールが。なんとRhapsody in Blueを弾いてくれたのだ。この日はRhapsody in Blueが初演されてからぴったり100年の日だったらしくて、それにちなんでアンコールの2曲目に弾いてくれた。これも私が大好きな曲なので、特別なプレゼントをもらった気分だった。角野隼斗の弾くガーシュウィン、私はすごく好きだ。

というわけで朝から晩まで、自然と文化と音楽と温泉を存分に楽しんだ一日だった。別所温泉はまた違う季節にも行ってみたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?