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創業初期メンバーが語る、ROMSの成長と共にPivotする自身のミッション

勝藤 裕之(TOP画像一番右):
ROMSシステムインテグレーション部長
大手家電メーカーにて、家電機器の国内営業を行ったのち、ドバイ・マレーシアにおける家電事業の事業責任者並びにヘルスケア事業の立ち上げを行う。
その後、大手アパレル企業にて、全社のデジタルトランスフォーメーションの戦略策定・実行を推進、特に店舗改革を担当。
2019年12月に4番目の日本メンバーとして、ROMSに入社。
MBTI:ENFP-T 広報運動家

入社のきっかけ

創業メンバーとは前職で同じチームで働いていました。当時から日常的に他愛もない会話をする間柄でしたが、ある日を境に会話の内容が変わりまして(笑)。ある日、仕事終わりにいつものようにお酒を飲みながら、「起業する、こんなことを考えている。」という話を淡々と、熱い思いで語り始めたのを今でも覚えています。話を聞いているうちに私も心動かされ「よし!やってみるか!」という思いに駆られました。
ただ、本格的に入社の意思を固めた理由は、以下のような、挑戦的かつ普通では経験出来ないような刺激的なテーマがあったからだと思います。

  1. 海外メンバー(ポーランド)との創業、事業立ち上げ

  2. ハードウェアとソフトウェア、双方の内製化

  3. エンジニアファーストを意識した組織作り

私は自分のキャリアとして、常に「グローバルでの仕事」を強く意識しており、家電メーカー在籍時にも海外駐在の希望を出していました。ROMSはポーランド在住のメンバーと協同して、創業、事業を立ち上げるという非常に挑戦的なことをやろうとしていました。
また、競争環境の変化から、商品はハードだけでは無く、ソフトも内製化する必要性を感じていました。
さらに、メーカー勤務時、エンジニアの方々と接する機会も多く、私とは違うものの見方・考え方を持つプロ集団を常に尊敬しており、そうした方々が思う存分やりたいことが出来る環境を作れたらと思っていました。
ROMSでは、私が取り組みたかったテーマが揃っており、様々なチャンス・経験ができるのではないか?という思いがあり、2019年12月、正式に入社しました。
入社して3年経過しましたが、事業環境が目まぐるしく変わるなかで、私の社内でのミッションもPivotを繰り返していきました。

創業当初、ポーランドチームの来日時に

1st Mission:ポーランド開発チームと日本市場の架け橋

私の最初のミッションは開発チームがいるポーランドに駐在し、マーケットである日本との懸け橋となることでした。仮説を立て、お客様の声を聞き、要件をポーランドのメンバーに伝える。開発チームと一緒になってRCS(Robotics Convenience Store:ROMSが企画開発した超小型無人店舗)を企画・製造し、市場へ投入する。それも超特急で。
ポーランドへ毎月出張し、夜まで開発現場で仕様の打ち合わせを行い、真夜中にテレビ会議でお客様や日本側のサプライヤー様と打ち合わせを行い、結果を開発チームにフィードバックして、すぐに修正するという作業が3か月ほど続きました。
限られた時間の中でプロジェクトを進めていたため、お客様の要求や導入先に合わせた改修について、開発チームと激しい議論もありました。
他方で、開発チームのプロダクトに対する強い思いも理解していましたので、お客様やサプライヤー様とも粘り強く交渉を重ね、最短でベストなものができるように試行錯誤した毎日でした。
頻繁に日本とポーランドを行き来し、開発チームと時間や空間を共にすることでお互いの理解が深まりました加えて、世の中にない新しいモノを創るという明確な共通目標もあり、チーム一丸となった取り組みが出来たと思います。
その経験もあり、今でも時間をとって開発現場に行ってエンジニアチームと現場で現物を見ながら議論する時間をとても大切にしています。 

ポーランドにて開発メンバーと

2nd Mission:RCS導入から日本でのチーム作り

ポーランドの開発現場ではRCSを組み上げ、ソフトウェアとの連動テストが始まり、性能・品質向上が急ピッチで行われていました。
一方で、RCSを製造しても、導入先の日本で設備サプライヤーや機器インテグレーター、工事施工者がいなければ設置ができません。時を同じく、日本側で物凄いスピードで協力企業様探しを始めました。
最初はメンバーの知人を伝手に、色々な企業様をご紹介頂き、次から次へと会社に訪問させて頂きました。紹介先が主に関西だったので、京都~大阪~兵庫を駆け巡りました。我々の実現したい事や協力して欲しい事を説明し、一緒になった取り組みにご協力を頂けるようお願いをしてまわりました。
幸運にも、幾つかの企業様にご協力頂けると言って頂き、何とか日本導入に向けた最初の課題は解決しました。あの当時、我々のような名もなきスタートアップに手を差し伸べてくださった協力企業様には本当に感謝しかないです。
日本での協力企業様探しの目途が立ち、いよいよポーランドから日本へRCSの輸送です。モジュールごとに解体したとはいえ、重量物で、運ぶにも簡単ではありません。陸路で行くか、海路にするか。あるいは空路か。導入時期が迫る一方、最終的には複数便での空路となり、部品の点数確認のため、出荷時と着荷時に全数チェックを行うなど最後の最後まで冷や冷やでした。
紆余曲折ありましたが、無事に日本の工場に到着、RCSの日本初上陸を見届けました。
お客様への納品前に協力工場でRCSの最終調整を行うため、私も工場に張り付き、ポーランドチームの受け入れ準備を進めていました。

しかし予想外のことが起きました。コロナです。

開発チームが日本に来ることが出来なくなり、立てた計画を全部やり直せざるを得ない状況となりました。
ヒトがいなくても手を止めるわけにはいかず、リモートでポーランドから指示を受け、現場で協力企業様と調整を行い、不具合をポーランドに伝え、デバッグする・・・
代表と私でどうにか進めましたが、如何せん二人ともエンジニア経験は無い。そのため、日本でエンジニアチーム組成する決断をし、エンジニアの採用を始めました。この時に入社してくれたのが現ハードウェアエンジニアのヘッドの岩田です。彼の入社もあり、現場の立上げは爆発的に加速しました。

2020年 吾妻橋にRCS PoC店舗「MOPU」を開店

3rd Mission:RCS導入とロボットチーム組成

結果的に日本とポーランドは友好的に分社化を行うことになり、私のポーランド駐在も頓挫しました。だからと言ってやることが無くなった訳ではなく、むしろ日本で本格導入を目前に控え、やることだらけです。
店舗導入にあたり、誰もが経験のない未知の装置であるが故に、ビルオーナーや施工業者との打合せ、保健所とのやり取りまで、ありとあらゆる関係者に説明に回りました。
中々思うように進まない状況もありましたが、決して歩みは止めず粘り強く進めた結果、ようやく工事許可が下りました。
そこから昼夜を問わず設置工事が始まり、機器の試運転や調整を行いました。この頃、日本メンバーは現場近くのアパートに泊まり込み、まさに同じ屋根の下で(というか同じ部屋で、笑)寝食を共にしました。
当時のRCSを構成するハードウェアとソフトウェアのほとんどは我々で内製化していました。何か不測の事態が起きてもハードは岩田中心に、ソフトはポーランドメンバーのバックアップのもと、やり繰り可能でした。ただ、どこよりも早くこのコンセプトを世の中に出すというスピードを最優先したので、ロボット制御のみ十分なチーム組成が出来ていませんでした。
しかし、実際に運用すると小売業様で扱われる商品の画像認識やロボットによるピッキングは相当な難しさがあり、ロボットのことも対応出来るチームの組成が我々のソリューションとして十分な価値提供に不可欠であることを目の当たりにしました。
そこで、岩田のチームに加えロボットチームの立上げも決断し、新しいチームを作ることにしました。この局面でハードウェアチームは岩田にバトンタッチし、私がビジネス面からロボットチームの開発マネジメントを行いました。

4th Mission:RCS/NFCの導入・拡大

日本でのエンジニアチーム組成や実証実験店舗での活動を経て、今我々は製品の本格市場導入フェーズに入りました。装置導入で一定の省人化や効率化は図れますが、それだけだと装置に合わせたオペレーションとなり、全体から見るとかえって非効率な部分が発生することもあります。我々の考えとして、製品を作って納品して終わりというのはありません。現場の本質課題に向き合い、お客様と一緒に最高のオペレーションを創り上げていくことが肝だと思います。そこで、RCSやNFC(Nano Fulfillment Center:ROMSが企画開発したネットスーパー向けの自動フルフィルメントセンター)をベースに全く新しいオペレーションを立案/実行する部隊が、新たに立ち上げたIntegration&Operationです
お客様の商売に合わせた適正在庫の持ち方、納入先の立地に合わせた最適なレイアウト、目標とするスループット実現に向けたオペレーション構築など、深く現場に入り込み一緒になって課題解決する。まさに「着眼大局・着手小局」で、常に全体感を持ちながら小さな改善を実行することが求められます。さらに現場や現実に沿って、エンジニアチームと連携して製品を磨きこんでいく、より良くしていく。こうした社内外の関係者を巻き込み、一体となった取り組みを行います。
また、機器の導入に際しては、案件ごとに発生する仕様の追加や変更など、各協力会社様との交渉を行います。仕様や価格交渉など、我々の製品や事業に直結する決め事を行います。プロジェクトが立ち上がると関係各社と協議の上スケジュールを立案し、それを実行する。計画と齟齬が発生すれば対策を練る。プロジェクト全体のマネジメントを任されますので大きな責任も伴いますが、導入後にお客様の反応やご意見をダイレクトに聞くことが出来、大変やりがいのある仕事だと感じています。

2022年9月 渋谷にRCS一号店を開店

この会社で経験したこと、今後の思い

世の中にまだない市場を創出すること、ゼロから商品を創り出すこと、ヒトを巻き込みチームを作ること、協力企業様と協働すること、お客様と一緒になった取り組みを行うこと。
これら全て私がこの会社に入社後3年間で経験したことです。もちろん未だ途上で、これからもっともっとやる必要があります。

一方で、何もない地点から今の位置まで到達できたのも事実です。
何も無いところから色んな局面を経て3年間やってこられたのは、一つ一つの約束を守ってきたからだと思います。
スタートアップである我々は、未だ十分な信頼がありません。信頼を築くには成果が必要です。成果とは約束を守ること、言ったことを実現することだと思います。
加えて重要なのが、まずやってみる。ずっと考えて何もやらないより、やって失敗して、なぜ失敗したかを考えて走りながらまた変えていく。

我々の会社は自主性を尊重しており、妙なお伺いとかも不要で、どんどんチャレンジできます。それは好きな事をとことん突き詰めるでも良いし、可能性の幅を広げるでもいい・・・
私もたった3年の間に、自分自身の役割を大きく変化させてきました。それは会社が前に進むためには一つの役割に留まっていられない理由もありましたが、自らの意思でそうしてきた部分もあります。

今は多様性に富んだ素晴らしいメンバーが増え、会社として出来る事の範囲はとてつもない広がりを見せています。
私も今の役割を思い切り楽しむと同時にもっと自己変革していきたいと思います。また、ROMSに来てくれた個々人が自分のやりたいことに熱中し、自己実現できる環境をどんどん提供していきたいと思っています。
 
大志あるものが大業を成す。迷わず行けよ、行けばわかるさ。
 
皆様の挑戦をお待ちしております。

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