私の専門は、高齢とか医療分野のソーシャルワークなんですが、今期は精神保健の講義も持たされております。そんなわけで、精神保健ネタを一席。
いくつかの制度が登場しますが、金額や適用条件のところについて、細則を省いているところがある点を踏まえて読んでください。

基本は、職場が合わなくなったらすぐに退職できるようにしておく！
私は同僚や周囲には、就職したらすぐ転職のための準備を考えようと伝えていますが、村はずれの狂人扱いされて、まともにアドバイスを聞いてくれる人はあまりいません。
職場ってのは、常に流動していて、今は問題なくても、なんかの拍子に居づらくなることってあるんです。そんで、それから転職を考えたんじゃあ間に合わないんです。地震が来てから慌てたって遅いってことですわ。

しんどい状況になってしまった場合
そんで、残念なことではありますが、しんどくなってから、退職を決意するような状況になっちゃったとしましょうや。
私の経験では、女性の場合には、退職を決意する直前ぐらいのところでは、一人でいると涙が出てきてしまうとか、考えがまとまらなくなってくる、といった状況になる人が多いように思います。
男性の場合には、自覚しずらいようですが、睡眠が浅くなったり、感情がこわばったりするっていう症状は、覚知できるんじゃないでしょうか。
大変な経験だとおもいますが、それを、チャンスにかえましょう。

精神科クリニックを気軽に受診しよう！
メンクリのドクターショッピングは前提だよぐらいに、気軽に受診しましょう！上のような症状、「涙がとまらない」、「眠りにつきづらい」、「うまく笑えない」ってことや、「職場にいるのがつらい」っていうことをいいましょう。ここで大事なのは、そういう現実があるってことよりかも、そういう風に言うことです。それから、「このまま仕事を続けるのは良いでしょうか？」って問いに、「体のことを考えたら休んだほうがいいんじゃない？」っていってくれる先生です。こういうことによって、事実ってものは構成されるんです。
村上春樹の訳書にも、ボートはボート、ファクトはファクトっていうのがあります、っていうのは冗談です。

うまく1回で良い先生に出会えればいいですけどね。クリニックにソーシャルワーカーが在籍しているところは、面倒見が良いところが多いです。
「それは、あなたの決めること。そこまでの病気かどうかはわかりませんね」とか、評論家みたいな医者は、1回でバイバイしましょう。

休んだ方が良いってアドバイスをくれたら、「わかりました。ありがとうございます。そしたら、傷病手当を申請をしますので、ご記載おねがいします」と丁重にお礼をいいましょう。
会社には、結果だけ伝えて、休職体制にはいりましょう。

傷病手当とは
私が、ここで説明する必要もないくらいネットにたくさん説明があるから、ごく簡単に説明しましょう。
勤め人が、怪我や病気で仕事を長く休む場合、1年6か月の間は給料の2/3程度の金額がもらえるよってことです。
退職のタイミングや社会保険の任意継続、失業給付の延長の手続きとか、ちょっと個別的でややこしい件が絡んできますので、社会保険労務士かソーシャルワーカーに必ず相談しながら話をすすめてください。

1年6か月後のあなた・・
1年6か月後には、仕事のことも考えましょう。精神科の先生には、ゴディバのクッキーでお礼をしつつ、ハローワークで失業給付の手続きをしてください。給付制限？大丈夫です。「特定理由離職者」になりますからほとんど切れ目なくもらえます。
6か月～12か月ほどの期間、年収の5～8割ほどの金額がもらえます。

その期間になにをするのか
①　自分が本当にすべきことをしろし
傷病手当と失業給付でざっくり2年間くらいの時間が確保できるわけです。就業中に、先送りにしてきた、本質的な意味での自己研鑽や、ステップアップのための取り組みをしましょう。2年間あれば、大学院も修了できるし、大抵の国家資格だってとれますからね。総理大臣にだってなれるんじゃないでしょうか。
傷病手当をもらいながら、そういうことができる精神状況なのかっていう点は、疾患の話になるので、私には説明できません。ただ、私は長く医療ソーシャルワーカーをやっているなかで、ケースを見てきたってだけです。

私は、ソーシャルワーカーには大学院にいくことをおすすめしていますが、ワーカー以外でも、かなり多くの人に当てはまるんじゃないでしょうか。他にも、プログラミングを本気で学ぶとか、履歴書のブランク期間として、自分に説明できるものだったらいいんじゃないでしょうか。
ABCクッキングスタジオとかはちがいますよ笑　そんなのは日曜にいけし。

②　家族の仕事を手伝え
傷病手当や失業給付を受給中は、就労は制限されますが、親や配偶者等の仕事を手伝う分には、問題ありません。
親や配偶者に手伝えるような仕事がない場合？　９０歳の人でも個人事業主になって、物販でもなんでもできますよ。あなたが手伝う量が増えるというか、ほとんどあなたがすることになるとはおもいますけど笑
こうすれば、家族全体でみれば、2/3とかになってしまった収入を穴埋めできます。

2年後のあなた・・・
傷病手当と失業給付で、2年間は過ごせますね。その間、あなたは、スキルアップして、副業収入まで手に入れて、新しい勤め先に就職することができましたとさ。

ひるがえって、こういう展開になるのであれば、たとえば職場とかで・・

いぢわるおつぼねA、B、Cがあらわれた！

　　たたかう
　　にげる
　　ぼうぎょ
▶　どうぐ　　　　おせんべえ
　　　　　　　　　あめちゃん
　　　　　　　　　しんげんもち
　　　　　　　　　くるみゆべし　　　　　　

っていうシチュエーションになったとき、冷や汗をかいたり、悩んだりするんじゃなくて、メタルスライムが現れたときみたいに「わくわくがとまらん！」、「無視、あざーす！記録しておきまーす」、「みんなで私の悪口いってますね！まいどー！」、「なんてひどい言い方だ！傷ついてもおかしくないじゃん。うれしすぎる」って心の中で歓喜する状況に変化するわけです。自殺なんてしてる場合じゃないですよ笑　むしろ、びっぐうえーぶです。

まとめ
退職したあと、ブランクがあいたりすると、履歴書に傷がつくってことを気にして、早期の転職をするって人もよくいますが、私は、それ、なんか違う、ちがう、そうじゃ、そうじゃない、っておもっています。
それをしちゃうと、駆け込み的に転職先を探すことになりますよね。そういう場合の転職先は、自分の希望に適うような場所にはなりづらいはずで、その結果、連続無間転職地獄に入り込む危険があり、これは仏教では、血の池よりかも辛いとされています。うんこ風呂の次に辛いとされます。うそですけど。
とにかく、少なくとも、傷病手当をもらうことは、一考の価値があるように思いませんか？貰いきるまでは、退職しなくていい場合も多く、履歴書にも影響はないし。

会社は、ちょっと舌打ちって感じでしょうね。休職期間中、社会保険料を負担し続けないといけないですからね。まあ、自業自得ってやつですわ。

この記事の内容を詳しく聞きたいなとおもったら、私じゃなくて、お近くのソーシャルワーカーまでどうぞ笑