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福祉系の大学教員になるための7つのコンピテンシー

福祉分野で大学教員にはどうやってなるのかっていう話です。
私は大学院の前期で、教員というか、研究者になりたいと考え始めましたが、博士課程に入ってからも、どうしたらなれるのかっていう情報はさっぱり入らず、「~さん○○大に決まったって」という話が聞こえるだけで、「なんであの人が?」みたいな思いになることもしばしばでした。
そこで、ここでは、私の博士課程-助教-アプライ活動の少ない経験を寄せ集めて、福祉系教員になるためのコンピテンシーを列挙したいとおもいます。

このネタのフォーマットは、大学院のゼミのゲストスピーカーで院生に向けてのたまった・垂れ流してみんなでへらへら笑ったっていう与太話です。また、かなりマニアックな内容ではあるけど、でも、この話を通して、なんか見えてくるようなものがあるような気もしますので、よかったら読んでみてください。
(※あくまでも、個人の経験と偏見にもとづく見解です。)

福祉系大学教員になるための7つのコンピテンシー 
こういう話を始める前に、福祉系の大学についてとか、なんか前置きの話をするべきかなと思ったりもしますけど、いきなり列挙します。その⑦までありました。関係ないけど、暗鬱な気分なときにソーシャルワーカーをやってて嫌なことを数えたら、3Kならぬ12Kまでいったことがあります。

その①   ・・・ 人脈(評判)
その②   ・・・ 若さ
その③   ・・・ 研究力・論文数 (3本以上)
その④   ・・・ 移住できるフットワーク
その⑤   ・・・ 教歴(実習指導 SW演習 講義科目)
その⑥   ・・・ 英語力(留学経験)
その⑦   ・・・ 実践経験(3年以上)

番外編 学位
当たり前過ぎて番外にしました。
専任教員については、博士の学位が必要であることが一般的だとはおもいます。福祉系についても、博士があったほうがいいのは間違いありませんし、公募をみると半数以上は「博士の学位を持っていることが望ましい」となっています。しかし、他の学部に比べるとちょっと緩く、修士以上という学校も多いような気がします。
臨床現場での実践力の高さや、センセーショナルな運動や耳目をひく活動をしていて名が売れた人が修士をとって、教員になるということも多くあります。


その① 人脈(評判)
細かいことは言えませんが、とにかく、研究領域における人脈や人の縁を大事にしておきましょう。むかつくことがあっても、無言でいればOKです。

大学によっては教員同士の人間関係が悪いところもあるようです。
「真実は一つ!あたし間違ったこと言ってないから!」みたいな人や、逆に「真実ってものは構成されるってこと教えてやんよ。あたし今から政治するから」みたいな怖い系の人はどこにでもいるとおもいますが、教員の場合、採用されたあとは上から指導をできる人もいないので、ハレーションを起こす人かどうかは焦眉の点になるようです。
「変な人が来たら困るな~」とか言ってる先生がだいぶ変っていう場合、その人がいう「変な人」ってむしろまともなんじゃないの?っていうパラドクスもある気がしますけど笑
小集団の村でつくってきた正義に価値観があうかってことですね。

その② 若さ
若さも大事です。教員に限らず転職市場全般に、一定の年齢を超えて「新人の~です」っていうのはキツくなってくるかもしれません。エイジズムはよくないですが、現実的には年齢がいってると「この年齢か。。」と思われる可能性があります。ちなみに、私は41歳で助教になりましたから、あくまでもコンピテンシーの一つで、決定要因ではありません。

その③ 研究力・論文数(3本以上)
一般的にはこの点が一番大事だと思われていると思いますが、福祉系の大学においては、番外編で述べたように、必ずしも研究力が重視されているとは限りません。それでも、採用時には一定の研究力が問われます。多分、文科省への届出の関係なんじゃないかなとおもっています。
採用条件では「査読論文が3本以上」であったり、「5本以上」を課せられていることが多いようです。文系の論文の場合、筆が走る人でも、1年に一本かければいいほうでしょう。

その④ 移住できるフットワーク
なにげにこの点が、いちばんパワフルなコンピテンシーな気がします。基本的には、都市部の大学の方が応募の倍率は高い傾向にあります。そのため、教員あるあるでは、大学院を修了後、比較的採用されやすい地方の大学に高飛びして、数年間修行して実績をつくったあと都市部の大学に舞い戻るっていうケースはよく目にします。
桃鉄のぶっとびカードをつかってゴールを目指すようなイメージです。大宮から盛岡に飛んでゴールした後、東京にぶっとんで再びゴールみたいなね。「ゴールした、あかおにさんには、研究室と研究日がおくられるほか、個人研究費として年間20万円がおくられます」とかいって。
院生トークではほとんどの場合、爆笑がおきます。笑いと悲哀は隣合わせですからね。666カードの話とか、東京カードや大阪カードを持っている人の話とか、銀河鉄道カードを使って行方不明になった人とか、話は尽きません。私も、38歳のときに専門職大学駅にゴールしようとしたら、貧乏神がモリカケ問題をおこして「白紙にするのねん」とかいって0円になりました。なんのこっちゃ。
とにかく、大きく移動できる身軽さは強みの一つです。家庭や、しがらみがあったりすると難しいですからね。

その⑤ 教歴(実習指導歴 演習 講義科目)
私は、教務のマネジメントをしたことがないので、カリキュラムの編成の苦労はわからないのですが、たとえば、研究機関で高齢者の健康づくりの研究をしてきた人が、教員として就職して、「実習指導を担当したことがないので、いきなりやれと丸投げされても困ります。」とかキレられても、大学内では手取り足取り教える人はいません。
なので、大学人として自立している人を採用したがるのではないかなと思います。ほとんどの福祉系の学部では、社会福祉士養成をしていることから、実習指導や演習といった養成科目を遂行する能力が求められます。

その⑥ 英語力
日本はいち早く高齢社会を迎えたという背景もあってアジア圏では福祉については先進国といっても間違いではないと思います。例えば、韓国では日本の介護保険制度を参考にしながら政策を検討しています。そのため、日本がどういう点で失敗して、どういう点で成功しているのか、という点はアジア諸国が注視しています。
また、私のような浅学の身で言えることではなのですが、日本語は、大学院レベルで物事を考究できる言語体系を有していますが、そういう言語は多くはないようで、母国をはなれて海外で学ぶ学生も多くいるようです。
そんなこともあって、東アジアを中心とした多国籍の留学生が日本の福祉系大学でも学んでおります。学校によっては、留学生の受け入れに熱心な学校もあります。
そのためなのか、福祉系の大学でも英語で授業ができる教員であることが採用条件となっている大学がたまに見られます。
私が、紫紺の学校にいた先生に聞いた話ですと、留学経験か海外での実践経験があるっていうレベルだと思っておいた方がいいと思います。

その⑦ 実践経験(3年以上)
ソーシャルワーカーの養成に力点をおいた学校の募集では、実践経験を求められる場合もみられます。
多くの場合、3年以上っていう条件になっているようです。

まとめ
これらのコンピテンシーがいくつかあわさると、福祉系の大学教員のポストを得られることがあります。









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