建築学科に入ったのならとっとと建築好きになったモン勝ちだぜベイベー

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。

これはもうタイトルの通りなんで、「確かに!」って思った方はここで閉じていただいて結構です。
ただ僕自身のこと、それからいま建築業界で活躍している友人たちのことを見ていて思ったことを少しまとめておきますね。

「ロンロ君の好きな建築家は誰?」
僕が入社した時の歓迎会で、上司に真っ先に聞かれた質問です。

これ、結構答えに困ったんですが、皆さんはどうですか? 好きな建築家、とっさに答えられますか?
僕はその時、「石山修武さんです!」って答えたんですけど、求めているのはその答えじゃないなってのは当時からひしひしと感じていました。
石山さん、大好きな建築家のひとりですが、その当時石山さんの作品で見に行ったことのある建築はひとつだけ。しかもそれについてはそこまで良いとは思わなかったんですよね。
それでも僕が石山さんを好きなのは、考え方とか生き方とか、とにかく彼の書いた本を読んで好きになったんですが。

とにかく上司が聞きたかったのは、僕がその作品に惚れ込んでいてウォッチし続けている建築家のことだったのだと思います。
当時、好きな建築作品はいくらでも上げることができたし、建築が好きだという自覚もありました。
しかし同じ建築家の作品をいくつも見て、その建築家のことを好きになる、という経験は正直なかった。
それは僕自身の建築との関わりによるものだったわけですが、中々損な建築の見方だよな、と今になって思っています。

ちょっと考えてみて欲しいんですが、皆さん映画や小説で面白い作品に出会ったとき、次にどんな行動を取りますか?
同じ監督・小説家のほかの作品を観たり、読んだりしますよね。大正解
「もののけ姫」が面白かったからといって、いきなり宮崎駿以外のアニメ映画を片っ端から観たり、「もののけ姫」と同じ年に公開された映画を観たり、ということにはならないと思います。
まずは宮崎アニメを色々と観て、それから次に観る映画を決めていく、というルートではないでしょうか。
そこから徐々に映画を好きになっていく、というのが正攻法かと思います。

でも建築においては、同じ建築家の作品を片っ端から見ることをすっ飛ばして、いきなり同ジャンル(同じムーブメントを形成した作品)や同年に建てられた建築を見るというのが成立してしまうんです。
なぜかと言うと、世の中にある建築について書かれた本の多くは、そういうくくり方をしているから。
もちろん作家論と呼ばれる、特定の建築家の作品を分析するようなものもあるんですが、これはよほどその建築家を好きになってからでないと読んでもちんぷんかんぷんだったりします。

結果的に、好きな建築はたくさんあるけど好きな建築家は上げられない、という状況が生まれるわけですね。

でもこれって、かなり表層的な建築の見方だったりします。
なぜかと言うと、本来ある建築が「良い」と思ったら、その良さを生み出しているのは何なんだろう? ということを考える必要があるはずで。
そうすると、当然その建築を設計した建築家のことを色々と調べていかなきゃいけないわけです。
そしてもちろん、建築は実際に見に行ってこそその良さがわかるもの。
同じ建築家の作品を、色々と見て、調べる。
どうして良いと感じたのか、その良さを生み出すためにどんな工夫がなされているのか、それを追求していけば、自ずと良い建築をつくるために、何をすれば良いかも見えてくるはずです。
そして、建築をかたちづくるさまざまな要素のなかで、自分はどこに関心があるのか、建築とどのように関わっていきたいのかもわかるはず。
それさえ見つけてしまえば、あとは自分の興味を掘り下げていけば自ずと進路にもつながっていくはず。

建築が好きで、かつ建築の何が好きなのかがわかっているかどうかでその後の学びの密度も全然違ってくると思うんです。
まわりの友人で建築と関わる人生を楽しんでいる人ほど、好きな建築家を見つけて建築を好きになるのが早かったな―という気もします。
だから、

というわけです。

じゃあどうやって建築を好きになったら良いの? というのはこちらをぜひ御覧ください。
建築を好きになる方法に正解なんてなくて、皆それぞれ違うようです。
自分に合いそうなやり方を見つけて、まわりが引くくらい建築好きになっちゃいましょう!


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