建築好きなら読み返したい、2018年のベストnote5選

2018年も残すところあとわずかですね。
今年話題になった建築系のnoteを振り返りたいけど、どんなnoteがあったか忘れちゃったよ~、というあなたのために、この1年間に発表された個人的におすすめなnote5選をまとめました!!

こんにちは、ロンロ・ボナペティです。
今年のベストnote、というお題が募集されていたので僕も建築系のおすすめをまとめてみよう、と思い振り返りをしてみたのですが。
やはり「これ!」と思うものはどれも3桁のスキが付いていたり、Twitterやnote内で繰り返し引用されていたりと、僕が紹介するまでもなく多くの人に読まれているよなぁ…と。
それなら、何度読んでも繰り返し発見のあるものをまとめよう、ということで、僕自身ももう一度読み直してみて、改めて面白いと思ったものを取り上げてみました。
寒くてなかなか布団から出られない…! そんな年末年始のお供に、すでに読んだよという方も、初見の方もぜひご一読ください!


◆独自の取り組み部門
「喫茶ランドリー」はどうしてヤバい?市民の能動性を引き上げ、受け入れる。グランドレベルの壮大な実験がはじまりました。
大西正紀/GroundLevel & 喫茶ランドリー さん

まずはこちら。株式会社グランドレベルの大西さんが、自身が手がける喫茶ランドリーの取り組みを紹介したnote。
喫茶ランドリーとはコインランドリー併設の喫茶店で、これはその「ヤバさ」が語られたレポートです。
具体的に何がどうヤバいのかは本文を読んでいただくとして、こうした独自の取り組みをきちんと言語化して発信するということはその先へつながる可能性を大きく開くものだなと感じました。
個別の取り組みを抽象化し、他にどんな応用が可能なのか、読者に提示していく。
実際、福島の資源ごみ回収所で喫茶ランドリーの仕組みを応用する実証実験も行われたそうです。
自身の活動の場を唯一の特殊解にするのではなく、ここで培われた知見を他の場所に応用していこうとする展開にワクワクします。
noteを読んで興味をもった人が喫茶ランドリーを訪れ、さらに自身の事業にも応用したいとグランドレベルとの協働がはじまる、そんな循環が生まれていくことに、大きな可能性を感じます。
他にはない独自の取り組みをしている建築関係の方はたくさんいらっしゃるでしょう。色んな方の活動を読んでみたいものですね。

対象が、公園であれ、店舗であれ、商店街であれ、オフィスであれ、今わたしたちが目にしているものとは、確実にレベルの違うクオリティの高いグランドレベル、一階がつくれるはずなのです。喫茶ランドリーはそのための実験場でもあります。


◆独自の視点部門
『東京タワー』の建設フロー、PM視点でみてヤバすぎたので解説
Shoko Suzukiさん

建築×ITのスタートアップ「シェルフィー株式会社」のプロダクトマネージャーをされているというShoko Suzukiさん。
こちらのnoteではご自身の専門であるPM視点で、東京タワーの建設フローを解説しています。
建築って、基本的には一品生産のものが多いので、それをつくる工程も他の分野とは別物として考えがちですよね。
ここではあえて「プロダクト」として東京タワーを捉え、その建設フローを分析しています。
漠然と「すごい時代だったんだなぁ」で終わらせるのではなく、普段仕事で活用している評価方法で冷静に分析してみる。
そうすることで、どこがどうすごいのか、具体的に見えてくるわけですね。
誰もが知っている東京タワーを題材としつつも、独自の視点を掛け合わせることでこれだけ多くの人に読んでもらえるのかという気づきも与えてくれました。
建築を専門とする方は他分野のことを建築的視点で、他分野の専門知識のある方はご自身の視点で建築について語ってみる、そんな風に建築の見方が広がっていくと良いなと思っています。

プロジェクトとしての東京タワーは、規模・納期・インパクトのどの軸で考えても最高難易度であったと言えるでしょう。戦後から10年しか経っておらず、ソニーやホンダのような世界で戦える製品もまだ全くない時代に建てられたという意味でも歴史に残るプロジェクトでした。


◆個人的な感覚に対する考察部門
人が集まる空間デザイン、雰囲気はデザインできるのか?
カナエナカさん

カナエナカさんによるこちらのnoteは、空間の雰囲気について考察したもの。
カナエナカさんは建築を仕事にしているわけでも、建築の勉強をしてきたわけでもないそうですが、建築が好きでよく見に行くそうで、たびたびnoteで空間について書かれています。
本文の内容とは少し逸れますが、建築業界の人と建築を見に行くと、スタンプラリー的に有名な建築を見に行って、雑誌等に掲載されている「キメ」の写真と同じ構図で写真を撮って満足してしまうという人が結構多いんですよね。
その空間でゆっくり時を過ごしてみるとか、その空間が好きかどうかといったところにはあまり関心を向けず、むしろ具体的な寸法や素材を確かめることに重きを置いているように感じます。
それはそれで自身の設計に活かすという意味で重要なのかもしれませんが、建築空間として堪能し、自分が良いと感じるなら何がそうさせているのか考えてみるといったことも同じくらい大切なのではないかと思います。
こちらのnoteでは、空間に身を置いた時に感じる雰囲気を構成する要素として、その空間がもつ機能やコンテンツの他に、もうひとつの要素を挙げています。
それは建築業界の人はあまり意識がいかない、先入観なく空間を見れる人だからこその視点のような気がして、そういう直感を言語化してしまえることに脱帽してしまいました。
デザインによって解決できることなのかはさておき、場を設計する人は意識しておくべきことなのだろうなと思います。

センスの良さは決してビジュアルだけではなく、動線や提供しているもの、音、室温、スタッフの対応、香りなどに言える。
一方で、「ダサさ」はセンスの良さとは相反するものだと思うが、達成したい目的や集まって欲しい人の層を集めるには必要なセンスだと思っている。
たとえばイオンモールはダサい。しかし、あのダサさゆえ、人が集まり滞在する場所になるのであればあれはあれで正解なのだろうと思っている。
その空間に足を踏み入れた人が感じられる全てにおいて違和感なくバランスが取れていることがセンスの良い空間だと私は思っている。


◆僕のあなたの指針部門
情報収集における、建築の歴史という縦軸と、同時代のクリエーションという横軸。
remgoto / 後藤連平さん

建築系ウェブメディア、アーキテクチャーフォト編集長の後藤さんによる、情報収集の軸のお話。
最新の建築系ニュースをまとめるアーキテクチャーフォトでは、そのひとつひとつに後藤さんによる短い紹介文が付されています。
サイトを見ていただくとわかりますが、その紹介の仕方が非常にフラットな目線でつくられています。
このフラットな姿勢というのが(おそらく)なかなか難しいのではないかと思うのは、日々の大量の情報の中から載せるべき情報とそうでないものをどう選別するかというところ。
思想の強いメディアであれば共感してくれる人に向けて発信すれば良いわけですが、「ここに行けば重要なニュースがまとめて読める」というメディアであるためには、その選定の軸が世の中の価値観とズレてしまうことは避けなければいけません。
そこで後藤さんが重視しているのが、情報収集における縦軸と横軸をもつということ。
建築に関わる人であれば建築の歴史には詳しく、また最新の建築情報にも精通しているでしょう。
しかしそれだけでは業界の動向のことしか分からなくなってしまいます。
ここではより広く世界を俯瞰して見るための方法が語られています。
建築に限らず、広く指針を与えてくれるnoteです。

ぼくのような、ものを見るということを専門にして生きていると、素晴らしい建築家や、アーティスト、建築物、作品、に出会うことが多々あるのですが、それぞれに共通して感じるのは、この人たちは「人間についてよくしっているなあ」という事です(飛躍しましたが。笑)。

結局何かをつくって、それを見てもらい、評価をうけるということには全て人間が介在しています。だから、人間のことを知っていないければ、評価されることもないし、見た人を感動させることもできないと思います。


◆エンタメ部門
建築作品とアイドルMVについて語りたい
ちくわさん

正体不明のnoteクリエイター、ちくわさんによる、アイドルのMVと建築との関係についてのまとめ記事です。
MVの背景としてどんな建築が使われるのか、興味はあっても調べてみたことはなかったので、とても面白かったです。
ちくわさんも言及している通り、特に「アンビバレント」のMVはなるほどこんな建築の活用方法があるのかと驚かされました。
僕自身も建築についてのnoteを書くだけでなく、もっと違うかたちで建築の面白さや魅力を発信する表現を考えてみようと思っています。

 空間や歌、ダンス、どれもが良いのですがここで注目したいところは他にあります。このMVの素晴らしい点は、空間とMVのシークエンスが連動していること。
 一般的なMVはシーンごとに別々の離れた場所で撮影し、それをつなげることがほとんどです。ですがこのMVでは、序盤のAメロ・Bメロで廊下・前庭・階段を踊りながら移動し、サビでフォーメーションダンスをするホワイエに到達する構成。これはとても建築的なシークエンスの作り方です。


◆さいごに

ここで取り上げたもの以外にもたくさんの面白いnoteがありましたが、泣く泣く5選にまとめさせていただきました。
今回まとめをつくってみて、時間が経ってから読み直しても面白いものを書くというのはなかなか難しいのだなと改めて感じました。
この一年間、多くのnoteを読んできて、最初に読んだ時にはすごく面白いと感じたものも、改めて読み返してみると初見の驚きが失われてしまっているものも多くありました。
その違いはおそらく「抽象化」と「普遍化」。
知らなかったことを知る、という発見はその時は面白く感じますが、一度その事実を知ってしまうと2度目は引っかかるポイントがないものになってしまう。
もちろんそれが重要なシーンもあるでしょう。
しかし長期的に価値をもつコンテンツにするためには、個別の事例をきちんと抽象化し、他のシーンでも応用できる概念に落とし込むこと、分野や時間を越えて価値をもつ普遍性をもたせてあげることが重要なのではないかと思います。
noteで発信されている方は、日記をまとめているというよりはその先の展開を期待されている方が多いのではないでしょうか。
上記のようなポイントを意識してみると良いかもしれません。

…と、偉そうに書きましたが、僕自身が今年書いたnoteで何か紹介できそうなものがないかと読み返してみたところ、到底今回のまとめに並べて良さそうなものはありませんでした。
来年は胸を張って紹介できるnoteを書けるよう、がんばります!

2019年はいろいろと挑戦の場を広げていきたいと思っています。
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僕もこの記事がスキ!
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コメント2件

とりあげていただいて恐縮です。ありがとうございます!
大西さん、コメントありがとうございます^ ^
面白い取り組み、今後の活動も楽しみにしております!
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