2023年アニメログ

1〜3月の冬アニメは延期作品続出の中、話題性なら「とんスキ」、作画や構成なら「おにまい」が他を寄せ付けないクオリティでした。

とんでもスキルで異世界放浪メシ
異世界ものは料理の味が想像出来ないし、大体素材の名前もコカトリスとか、おそらく鶏肉っぽいのだろうというのが関の山。そんな中で「エバラ」を持ち出す事で味のリアリティが爆上げしたのが「とんスキ」。しかも料理作画が別クレジットされるコストのかけ方はかつて無かった料理アニメを生み出してしまいました。メーカーに交渉も大変だったと思います。この新規性は大事にしたいですね。

お兄ちゃんはおしまい
日常系アニメが苦手な私も「おにまい」は高評価したくらいですからね。とにかくよく動く。アニメは動いてなんぼ、を解らせてくれる作品。しかも丁寧です。最近カメラ位置をグルグル動かす演出が好きな監督が多いようですが、不自然に動かすのは関心しません。本質を無視した虚仮威し的なものに走るのはしっかりしたボディが出来てからにして欲しい。本作は他作品が手抜きをしているところをキチンと日常の景色として落とし込んで描いている高品質な作品です。

4〜6月
春アニメは「推しの子」と「鬼滅の刀鍛冶編」ですかね。テーマが面白かった「神カツ」や癒し空間の「江戸前エルフ」もこのクールでした。わたし自身の都合もありアニメはほとんど見られない環境であったため、ログとして残すほどの情報が無いのです。残念ですね。

7〜9月
夏アニメは無職転生IIと呪術の懐玉・玉折ですかね。変わり種としては「自販機」、会話劇的な手法が特徴の「アンファル」、教養シリーズの「百姓貴族」、第一話のインパクト大賞の「ゾン100」が同じクールです。

無職転生II
クオリティは前作同様にとても高い作品です。「アニメーションとは何か」を理解出来てる人たちによって作られている印象です。本当の意味で安心して見られます。他のスタジオでは作れない作品に仕上がっています。原作も読み物として評価の高い作品で、無理な改変などせずにアニメ化出来たことは、まさに僥倖と言えます。アニメ化というのは小説やコミックを違うメディアに翻訳する作業なのですが、これがわかっていないアニメ監督が多すぎます。そういう監督を使うスタジオもそれなりにしか作れないスタジオです。

呪術廻戦 懐玉・玉折
ひどく悲しい話になるのはわかっていたのですが、実際見ると相当に酷い話しです。夏油の気持ちはよくわかります。しかし、呪いの発生が非術者のせいであるなら、呪いで死ぬのは仕方ないので適当にやっておけば良いのです。猿のせいで猿が死ぬのだから、せいぜいその隙間で金を稼げば良いのに自らパブリック・エネミーになるとは。完璧主義や原理主義は碌なことにならない良い例となってしまいました。五条は五条でもう人間やめてしまったので話も通じません。あれはもう人間ではなく別の生き物です。分かり合えないのは悲しいね。

10〜12月
色々な配信でまだ履修中の秋アニメ。先日羅列した作品たちは、わたしの中で高評価な作品たちです。思えば今年の始めは延期や放送中止が出まくっていました。そして年末に向かってこんなに充実した作品たちに逢えるとは思っていませんでした。先日のリストに追加してシャングリラ・フロンティアが加わりました。これも良作ですね。

葬送のフリーレン
しかし、フリーレンの化け物っぷりはそれら全て上回ります。完成度の高さが全てにおいて高水準。特に背景の凄さはびっくりするレベルです。1回か2回しか使わない背景にこんなにコストをかけて大丈夫なのかとコチラが心配するレベルです。最初に4話一気に見せたのも良かったです。あれを1週間づつ見ていたらこんなに人気にはならなかったでしょう。作品を良く理解しているから出来た方策です。アニメと言えばすぐ演出、作画、構成、脚本となりがちですが、どのようにリリースするかも重要です。他と違ってアニメのプロデューサーは実力的に落ちる人が多いので管理出来ずに問題を起こしています。フリーレンの成功は業界に一石を投じる存在になってほしいものです。

さて、アニメ鑑賞に戻るとします。
では、また別の記事でお会いしましょう。


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