「住宅設計入門講座」のデザイン・プロセス1

工芸青花(新潮社)が主催する「中村好文 + 増田奏 住宅設計入門講座」を受講しました。これは合計5回からなる連続講座。工芸青花のウェブサイトで案内されているとおり、前半に講義とフィールドワーク、後半に設計課題というながれで進行されました。

わたしはふだん、専門学校にてヴィジュアル・コミュニケーション・デザインの教育にたずさわっています。ですから、建築、しかも住宅の講座を受講するのは、すこし不思議にうつるかもしれません。ひとつは、近年のデザインや生徒の傾向として、ヴィジュアル・コミュニケーション・デザインという枠組みのなかにいながらも平面領域にとどまらず、空間や場というものを包括するようになったことがあげられます。そして、それらのなかには大空間のものよりも、ちいさなカフェやワークショップ・スペースなど、まさに住宅空間規模であることがおおい。もうひとつは、さまざまデザインにふれるなかで、その根元である「すまい」をかんがえる必要性を自覚したこと。

そうした背景をふまえ今回、この講座を受講することになりました。受講に際して、ひとつ心がけたのは、その設計プロセスをスケッチやドローイング、模型、図面、写真、文章……などをもちいながら、すべて記録することです。こうして課題をあたえられ、時間のなかでそれを解いてゆくことは、ひさしぶりの機会。

デザインのプロセスは不思議なことがおこります。それは、いきなり正解がひらめくというよりも、なにかをつくる、あるいは行動するなかで、自分自身の思考が整理整頓(つまり、デザイン)されながら、ひとつ、またひとつと拡張展開し、濾過されるような印象をもっています。まさに手や足をつかいながら、それを頭が処理してゆくような感覚。そこには、技法システムとしてフォーマット化されたデザイン・シンキングの類とは、すこしことなる有機的、あるいは相互関係的ともいえる過程を踏んでいるようにみえます。

とはいえ、それは当事者の立場であれば、鉄火場状態のなか、いっきに過ぎてしまうもの。なかなか自覚することはむずかしいものです。そうした意味で今回は、シミュレーション課題であり、気持ち的にもすこし余裕がありました。出題後の漠とした段階ですでに、デザインははじまっており、それが形而下におとされながら形成されてゆくプロセス。その節々にアンカーポイントをうちこむように「そこで、なにかおこったのか」を自覚しながら、今回の講座課題を進めてゆきました。

最終日の課題発表では、すべてのプロセスをまとめた冊子をもちいてプレゼンテーションしました。

これからしばらく、noteをもちいて、その一部始終を公開してゆきます。なお、講座や講師、受講者に直接抵触するような内容は割愛しています。ここで講師のおふたりがおはなしされたこと、あるいはほかの受講者が提案されていたことは、まさに金言といえるものばかりで、わたしのデザイン感、否、それのみならずさまざまなものにおおきく、良質な影響をあたえるものでした。なにより、ここでのわたしの成果は、それがなければできえなかったもの。的確に引き上げていただいたがゆえのものです。

ですから、そうしたアドヴァイスを割愛することは、それはそれで恐縮なこと。ですが、それこそがこの講座の意味であり、受講しなければ経験できないことなので、ばっさりとカットします。こちらでは、あくまで一受講者であったわたし自身の記録となります。悪しからずどうぞ、よろしくお願いいたします。


「住宅設計入門講座」のデザイン・プロセス 目次
プレゼンテーション
1: 課題のはじまりとファースト・アイデア
2: 第1回 フィールドワーク
3: もうひとつのデザインの基点
4: 間取りをわすれよ!
5: ゾーンニング
6: プランニング——グリッド・システムを参考に
7: 寝室の窓
8: リヴィング・ルームとダイニング・ルームの景色
9: 尺貫法になれてゆく
10: 屋根と天井の課題
11: 設計案の発表1
12: 第2回 フィールドワーク
13: らせん階段による解決とスタディ
14: 庭とアプローチ
15: 設計案の発表2
16: 最終発表にむけて
17: 風土とアンビエント
18: Epilogue——すまいをつうじて、デザインをとらえる。



「住宅設計入門講座」のデザイン・プロセス2
「住宅設計入門講座」のデザイン・プロセス3
「住宅設計入門講座」のデザイン・プロセス4
「住宅設計入門講座」のデザイン・プロセス5
「住宅設計入門講座」のデザイン・プロセス6
「住宅設計入門講座」のデザイン・プロセス 出典

26 November 2018
中村将大

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中村将大

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