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AG#12 YAMAHA CJ-8XE

Specification

トップ:スプルース単板
サイドバック:バーチ
ネック:マホガニー
フィンガーボード:パリサンドル(インディアンローズ)
ペグ:ヤマハロトマティックタイプ
スケール:651mm(25.6’’)
ブリッジ:不明
ピックアップ:2wayアコースティックセンサー型ピックアップ&FETプリアンプ
1981年製(限定生産品)

About

CJは「カントリージャンボ」の意味。いわゆるJ-200系のイメージのボディとボリュームを持っています。カスタム四天王の中でも圧倒的な人気を誇るL-52とその後継機種CJ-52の流れを汲むモデルです。まず1980年の冬に純アコースティックバージョンCJ-8Xが限定リリースされ、さらにその1年後にこのピックアップ付きバージョンが同じく限定でリリースされました。ブラックボディにホワイトのダブルガードといえばポールサイモンですが、この時期にメイン的に使用していたのはチャゲ&飛鳥の飛鳥涼(ASKA)。初期のチャゲアスで彼が抱えていた姿に憧れたファンは多かったと思います。カタログモデルのCJシリーズはナチュラルとサンバーストでヤマハのノーマルピックガードのものがもともとラインナップされていたのですが、やはりブラックにダブルホワイトガードの要望が多かったのでしょうか。廉価版のこのモデル、大きな違いはブリッジ周りのデザインと指板のインレイ、バインディングなどの装飾部分が大幅に簡略化されている点。ウッドマテリアルもサイドバックがメイプルの代わりにバーチだったりするのですが、トップには単板を採用しており、ぎりぎりのこだわりが感じられる一本です。ピックアップは当時の「エレクトリックフォークギター」期の3ノブ。インブリッジピエゾとマイクの2ウェイとのことですが、このあと登場したXS-56Eあたりから搭載されるバランスのツマミはありません。コントロールはボリューム、トレブル、ベース。8という数字が表す通り、もともとのCJ-8Xは定価8万円でしたが、CJ-8XEは10万越えの105,000円。ピックアップの標準装備が+25,000円ということですね。なかなか高校生になるかならないかの年齢には手の届かない存在でした。このモデル以降は後年CJ-32とかCJ-12あたりがブリッジの形状やインレイまでも似せたものとしてリリースされています。

Story

以前に書いたMorrisのWJ-50Bを買いに行ったとき(81年8月)に「限定だからおススメしますよ」と言われたのがCJ-8X。5万円のギター買いに行って8万円のギター勧められてもねえ。まあ音的にはどう考えてもヤマハなんでしょうけど、その時の神はアリスですから^^。ところがその年アリスは解散。さらに翌年。セントラルパークでポールサイモンにハマって。このモデル(のオリジナル)を使っていたことを知って急に心が動く(笑)。とはいえやっぱり高1に10万オーバーは現実的ではなかったなあ。中には12万のグレコとか12万のヘッドウェイとかそういうの持ってる友人もいたけど、手が出ませんでした。そういう反動が大人になって出るんですね。これはずいぶん最近になって(2018年)オークションで手に入れたもの。よく「高いギターを持っているくせに、いまさらなんでそんなのに手を出すの?」的なご意見をいただくんですけど、偉そうに言わせていただくと、けっこう音で買ってるんです。自分がハマって聴いていた時代のレコードやライヴ音源の音は、その時の機材でしか出ないものがある。実際に手に入れてみて、今の機材でも同じ音の出るものはやっぱり淘汰されていきますけど、そうでないものは残っていきますね。これはオリジナルのCJ-52とはきっと違うんだと思うんですけど、ラインの音がね、この時代のプリアンプ独特で。もう今のものでは出せないんですね。困ったものです。いっそわからなければよかったんですけど^^;気がついてしまった(笑)。このあとCWEシリーズ以降で出てくるいわゆるヤマハのピエゾの音ではなく、FETでアンプリファイズしたわりかし素直な音色です。

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