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フィリーズの外野を整理しよう〜Cutchの獲得とこれからについて〜

本日、フリーエージェントになっていた2013年のナショナル・リーグMVPのAndrew McCutchen外野手とフィリーズが3年契約で合意したことが分かりました。

今回は緊急でフィリーズ兼パイレーツのファンである私が今回のMcCutchen外野手の獲得とフィリーズのこれからの動きについて考えてみたいと思います。

Carlos Santanaの代わりとしてのMcCutchen

先日、フィリーズはマリナーズからショートのJean Segura選手を獲得する際の交換要員として、ファーストのCarlos Santana選手を放出しました。

Santanaの放出は、レフトで壊滅的な守備指標の数値を出してしまった主砲のHoskinsを本来の守備位置であるファーストに戻すために仕方のないトレードでしたが、そのために中軸を打てるSantanaの攻撃力を失った状況になっていました。今回のMcCutchen獲得のポイントの1つはそのSantanaの攻撃力を補うということが考えられます。
それでは、SantanaとMcCutchenの過去3年の打撃成績を比較してみたいと思います。

Carlos Santana 2016
.259 34HR 99四球 99三振 出塁率.366 OPS.865
Andrew McCutchen 2016
.256 24HR 69四球 143三振 出塁率.336 OPS.766

Carlos Santana 2017
.259 23HR 88四球 94三振 出塁率.363 OPS.819
Andrew McCutchen 2017
.279 28HR 73四球 116三振 出塁率.363 OPS.849

Carlos Santana 2018
.229 24HR 110四球 93三振 出塁率.352 OPS.766
Andrew McCutchen 2018
.255 20HR 95四球 145三振 出塁率.368 OPS.792

過去3年の成績を見るとSantanaの攻撃力をMcCutchenでカバーできるであろうことが分かります。ちなみにMcCutchenは今まで在籍したすべてのチームの本拠地が右打者に不利と言われているボールパークだったため、打者有利のシチズンバンクパークが本拠地のフィリーズに移籍することで打撃成績の向上も期待できます。

ダボついた外野陣とセンターを守れなくなってきたOdubel Herreraの処遇

続いてMcCutchenを獲得したことでフィリーズの外野がどうなっていくか考えます。
まず、来年32歳のMcCutchenはすでにセンターを守れるレベルの守備力を失っています。今年2018年今まで守っていたセンターからライトにコンバートされて起用され、守備指標でDRS +2, UZR -0.8の値を記録しました。まだ外野の両翼を守るのは問題ないと考えられます。年齢も考えるとレフトで固定できるのが最良の選択だろうと思います。
もう1つの両翼のレギュラーは現状25歳のNick Williams外野手が最有力ですが、Williamsが来年の開幕戦でフィリーズにいるかは微妙だと思います。Williamsの問題点は守備力です。Williamsは2017年にデビューしてからの2年ですでに守備指標でDRS -30, UZR -12.6と外野手としてプレーするにはかなり問題があることが分かります。そもそも足が遅く守備範囲自体が大変狭い選手なので指標が改善することも難しい上に、その守備指標のマイナスを埋めるほどの打撃力もまだないため、来年優勝を目指すフィリーズとしてはレギュラーとして起用していくのは難しいと判断していると思います。おそらく、このオフの間に若手である程度の打撃力を持ちアップサイドもまだある選手が欲しいチームにトレードされるのではないかと思います。

センターには2016年のオフに5年契約を結んだOdubel Herrera外野手がいますがHerreraの今後も怪しい状況になってきています。まずHerreraの問題点の1つとして今後もセンターを守れるかという点があげられます。もともとは持ち前の身体能力を武器にセンターでも守備指標でかなりのプラスを叩き出す優秀な外野手でしたが、今年一転して守備指標でDRS -11, UZR-10.5とかなりのマイナスを出してしまいました。今年のフィリーズはチーム全体としてメジャーで最悪の守備指標の数値を出してしまったので、Herreraの守備指標の数値にもフィリーズフロント陣の守備シフトの戦略の失敗が影響しているかもしれませんが、Herrera自身も以前に比べて体格が大きくなってきているので来年以降もセンターを守れるかは疑問視せざるを得ません。あと、もう1つHerreraの問題点として打撃成績の落ち込みが挙げられます。Herreraの打撃フォームは独特で動きが大変大きいためか打撃の波が大変激しい選手です。それでも、2017年までは.280以上の打率をコンスタントにマークしていました。しかし、今年は打率.255とキャリア最低の数字になってしまい出塁率も.310とレギュラーとして失格レベルの数字になってしまいました。まだ来年で27歳と若い選手なので打撃を以前のレベルにまで戻せるかもしれませんが、長期契約を結んでいる選手でもあるのでこれ以上成績が下降して売れなくなる前に、このオフのうちにトレードで放出してしまう可能性もありえる状況になっています。

2017年ドラフトのプロスペクト2人の早期昇格とレギュラーの可能性

HerreraとWilliamsの今後が微妙な状況を考えるとマイナーに彼らに変わるプロスペクトはいないかと考えてしまいます。
実はまだAAですが近い内に昇格もあり得るんじゃないかと私が勝手に考えているプロスペクトが2名います。
1人は2017年のドラフト1位(全体8位指名)のAdam Haseley選手です。
Haseleyは今年A+~AAで118試合に出場し .305 11HR 35四球 73三振 OPS.795の成績を残しました。ドラフト時から身体能力が高い外野手という評価でセンターも守れるのでHerreraの後釜になるかもしれません。
ただ、まだ来年で23歳と若い選手でもあるので来年AA~AAAで好成績を残してもフィリーズのフロント陣が早期で昇格させない可能性も考えられます。

もう1人はHaseleyと同じく2017年のドラフトで17巡目に指名されたAustin Listi選手です。今年A+~AAで123試合に出場し.312 18HR 62四球 94三振 OPS.915と好成績をマーク、派遣されたアリゾナ秋季リーグのオールスター戦でもホームランを放ち一躍注目を集めました。
Listiは家庭の事情で一度大学を辞めて海軍に入隊したこともある苦労人でそのためドラフト指名時で23歳、現在すでに25歳とプロスペクトとしてはだいぶ年齢が高い選手です。そのため、来年AA~AAAで引き続き好成績を残すようなら早期でメジャーに昇格させて起用される可能性が高いと考えられます。問題はもともとがファーストの選手で今年の途中から外野に挑戦を始めたので実際にどれだけ外野を守れるようになるのかというところだと思います。

Bryce Harperや他の選手を獲得するのか?

フィリーズはこのオフシーズンのFAの目玉選手Bryce Harper選手の獲得競争に参戦しています。McCutchen獲得後も引き続きHarper選手の獲得競争からは降りないという報道がされています。Harperはメジャーでも屈指の打撃力を誇る選手ではありますが、波が荒く成績が安定しない選手でもあります。また、今年守備指標で大変なマイナスを叩き出してしまい、Herreraの守備力が落ちてきている現状でHarperを獲得して外野の守備がまた崩壊しないかという不安点もあります。場合によっては、Harperではなく同じFAでもセンターを守れるA.J.Pollock選手にターゲットを変更することも十分にありえると思います。

最期に

今回、私が応援しているフィリーズがMcCutchen選手というスターを獲得したので緊急でnoteを作成しました。
MVPを獲得した時ほどの成績はもう残せなくなっていますが、McCutchenは現状でも十分な成績を残せる選手ですので、今回の契約自体はかなり好意的に見ていますし、契約金額も妥当だと思います。
ベストとは言いませんがSegura選手に続きかなりベターな補強です。
ただ、まだこれから選手を動かすにあたっての序盤の一手くらいだと思うので、この契約の成否はこれからの動きがポイントになると思います。
それでは、またなにか動きがありましたらフィリーズについても書きたいと思います。

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