【PHI】 2022年のトレードデッドラインを振り返る
どうもお世話になっております、フィリーズ担当のペンでございます。
フィリーズのトレードデッドラインの補強についてはそれぞれ個別でnoteを執筆していますが、このnoteで改めて全体の総括をしていきたいと思います。
それでは、noteスタートです。
本編の前に
本編の前にそれぞれのトレードについてまとめたnoteと現地のフィリーズ番記者の記事を紹介します。
■ トレードデッドライン関連note一覧
■ 現地フィリーズ番記者の記事紹介
・Todd Zolecki氏( MLB.com フィリーズ番記者 )
・Matt Gelb氏(The Athletic フィリーズ番記者 )
特に有料ですがMatt Gelb氏による記事がオススメです。(基本フィリーズ関連の現地情報はGelb氏とThe Philadelphia Inquierの記事を抑えておけば十分なのですがどちらとも有料でハードルが高いのが難点です)
デッドライン トレード一覧
次に今回成立したトレードを改めてまとめます。
Dave Dombrowski政権でのフィリーズの方針
今回のトレードデッドラインを振り返る前にDave Dombrowskiがフィリーズのベースボール部門のトップに立ってからのフィリーズのチーム運営方針についてまとめます。
現在のフィリーズが目指している1番大きな目標は
長期的に勝てるチーム・組織に変える
であることは間違いありません。
この目標を実現させるためにフィリーズは本格的な組織の変革に取り組んでいます。
主な変革要素を簡単にまとめると以下のようになります。
最下位層だったファームシステムからGriff McGarry, Ben Brown, Hao Yu Leeなどドラフト上位指名以外の選手からも好成績を残し評価を急上昇させているプロスペクトが徐々に現れているのはこの変革の成果が実を結び始めている結果と言っていいでしょう。
この方針は今年のトレードデッドラインの動きを語る上でも重要な要素となっています。
トレードデッドラインでのフィリーズの補強ポイント
トレード一覧を見ていただいても分かる通り、今年のフィリーズの補強ポイントは以下の3点でした。
筆者としては控え打者のアップグレードもして欲しかったのですが、その点はフィリーズフロントの補強ポイントにはなかったようです。
また、フィリーズにはトレードには使わないと決めていたアンタッチャブルな高評価のプロスペクトが3名( Andrew Painter, Mick Abel, Griff McGarry )おり、この3名を守った上でトレードをまとめる必要がありました。
上記の制約があった上でフィリーズは今回のトレードデッドラインで補強ポイントに合った選手の獲得に成功したことになります。
フィリーズのトレード哲学とトレード考察
昨年のトレードデッドラインでフィリーズはレンジャーズからKyle Gibson, Ian Kennedyを獲得する代わりにトッププロスペクトだった先発右腕のSpencer Howardを放出しています。
このトレードでポイントとなったのはレンジャーズからHans CrouseというHowardよりも評価が劣るもののHowardと同じ先発右腕のプロスペクトをもう1人獲得したことです。
このトレードでも分かる通り、今のフィリーズフロントの考えとしてトッププロスペクトや若手の有望株をトレードに出す場合は、それに見合った長期期間保有可能な選手やプロスペクトを見返りに獲得するという考えがあるのは間違いないでしょう。
その点で守備強化の補強として獲得したのが、まだ調停権取得前で4年以上保有できるSosaとMarshだったのは対価となった選手の放出は痛かったにせよフィリーズのトレード哲学に沿った動きだったと言えます。
また、Syndergaardの獲得に関しても放出しても痛くないプロスペクトで獲得しているので何も問題ないでしょう。エンゼルスはブレーブスにRaisel Iglesiasを放出したトレードを見てもサラリーダンプがトレードの目的にあったでしょうから、Syndergaardの残り700万ドル程度の引き取ることがメインだったということでしょう。
問題となるのは、Robertsonのトレードです。
このトレードではレンタルのブルペン投手であるRobertsonに対して、アンタッチャブルなプロスペクト3名に次ぐ投手のプロスペクトであったBen Brownを放出しています。
このトレードだけ昨年からフィリーズが守っていたトレード哲学から外れた動きだと言わざるを得ません。
Donbrowskiはデッドライン後の記者とのカンファレンスで「O'HoppeとBrownを守れなかった」という発言をしており、元々はBrownもキープするつもりでいたがRobertsonの獲得競争の中でどうしても放出せざるを得なくなったというのが実情なのでしょう。
Marshとポジションが被るJohan Rojasで獲得できなかったのだろうかとも思いますが、カブスは評価の高いプロスペクトが外野手中心という構成になっており、Rojasではニーズに合わなかったのだろうと考えられます。
最後に
今回は現在のDombrowski政権下でのフィリーズの方針を元に今回のトレードについて振り返ってみました。
SosaやMarshの獲得は現在のフィリーズの方針に基づいた現状のチームの弱点の強化と将来的なチーム構成も考えたトレードになっておりとても現在のフィリーズらしいトレードだと言えます。
この方針については個人的に全面的に賛同していますので、この姿勢を崩さずにチームを作っていってもらいたいですね。
それでは、今回のnoteはここら辺で締めさせていただきます。
次回は「トレードデッドライン後のフィリーズの戦力を考える回」をお届けします。それでは。
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